【2024年9月末】Alibaba Cloud:CloudMonitor Basic 無料枠の変更について

2024年9月26日掲載

Weekly Alibaba Cloud

ご覧いただきありがとうございます。クラウドエンジニアの今井です。

Alibaba CloudのCloudMonitorには2つのエディションが存在しており、その内の1つであるCloudMonitor Basicにて無料枠および課金ルールの変更が予定されています。

現在CloudMonitor Basicをご利用中の方ならびに、利用を検討なさっている方にとって料金関連の変更は気になる点だと思います。そこで、本記事ではCloudMonitor Basicにて予定されている変更について詳しく紹介します。

目次

1. Cloud Monitorとは

Alibaba CloudのCloudMonitorはクラウドリソースのメトリック監視やイベント監視を行う製品です。ユーザはCloudMonitorで監視している特定のメトリックに異常が検出された際や特定のイベントが発生した際などに、アラートを送信するよう設定することができます。保有するリソースで発生した異常をいち早く検知し、対処するためには、CloudMonitorの利用が適していると言えるでしょう。

このCloudMonitorには2つのエディションが存在しています。1つが「CloudMonitor Basic」もう1つが「Hybrid Cloud Monitoring」です。

「CloudMonitor Basic」は利用できる機能に制限があるものの、一定の値までは機能を無料で使用できる、無料枠が提供されています。

「Hybrid Cloud Monitoring」は「CloudMonitor Basic」の機能・無料枠に加えて、リソース使用状況の分析やオンプレミス環境のミドルウェアの監視などいくつかの機能が追加されます。

エディションによる違いの詳細については公式ドキュメントをご参照ください。

2. 変更内容について

料金関連の変更が予定されているのは「CloudMonitor Basic」です。今回の変更内容を一覧にすると次の通りとなります。

変更日時

(日本時間)

対象機能

変更前の無料枠

変更後の無料枠

2024年9月26日 11:00

アラート通知(SMS)
中国電話番号のみ

機能の利用不可

1,000件 / 月

2024年9月26日 11:00

アラート通知(電話音声)
中国電話番号のみ

機能の利用不可

無料枠なし

2024年9月26日 11:00

動的しきい値アラート

無料

無料枠なし(有料化)

2024年10月1日 1:00

メトリックデータクエリAPIコール

1,000万回 / 月

100万回 / 月

ここからは、それぞれの機能と変更内容についてより詳細にご紹介していきます。

2.1 アラート通知

ユーザが「特定のメトリックの値が1分以上、一定の値を超える」などのアラートルールを設定すると、設定したルールに基づきアラートが発報され、ユーザに通知されます。国際サイトにおいてSMS通知と電話音声での通知は利用できない機能でしたが、日本時間 2024年9月26日 11:00以降は国際サイトでも利用可能になります。

SMSでの通知は1ヶ月あたり1,000件まで無料で使用可能となります。電話音声での通知については無料枠はありません

なお、SMSでの通知と電話音声での通知は+86(中国)の電話番号のみがサポートされているため、+86以外の電話番号では使用することができません。

2.2 動的閾値アラート

動的しきい値アラート機能はメトリックの統計情報に基づき、メトリックのしきい値を自動的に決定する機能です。

パブリックベータ期間は無料で使用可能でしたが、日本時間 2024年9月26日 11:00にパブリックベータが終了し、有料の機能となります

パブリックベータの際に、動的閾値アラート機能で作成されたアラートルールは変更時間を過ぎると、自動的に無効化されますのでご注意ください。

2.3 データクエリAPIの呼び出し

データクエリAPI(対象のAPIは下記表の通り)の無料枠は、日本時間2024年10月1日 1:00より1ヶ月あたり1,000万回の呼び出しまで無料から、1ヶ月あたり100万回までの呼び出しまで無料に変更されます。

また、無料枠を超過してデータクエリAPI呼び出しを試みた際の挙動も変更されます。これまでは、データクエリAPIを無料枠を超えて呼び出し、なおかつデータクエリAPIの呼び出しが5日連続1,000万回を超えた場合に対象のAPIを呼び出せなくなりました。これが、日本時間2024年10月1日 1:00以降は、100万回の無料枠を超えた時点で対象のAPIを呼び出すことができなくなります

変更後の無料枠は当初よりも少なくなるため、変更前は実際のAPI呼び出し回数がCloudMonitor Basicの無料枠の範囲内であったとしても、変更後には無料枠を超過してしまう可能性があります。このため、今一度実際のAPI呼び出し回数が変更後の無料枠を超過しているかどうか確認されることを推奨します。

API

内容

DescribeMetricLast

最新の監視データをクエリする

DescribeMetricList

指定したサービスの監視データをクエリする

DescribeMetricData

指定したサービスの監視データをクエリする(複数)

DescribeMetricTop

最新の監視データをクエリする(複数)

3. CloudMonitor Basic 従量課金について

実際の利用量が無料枠を超過した場合、それ以降もサービス提供を受けるためには、CloudMonitor Basicの従量課金を有効化する必要があります。CloudMonitor Basicの従量課金は日本時間 2024年9月26日 11:00に追加される課金方式です。

従量課金を有効化すると、無料枠を超過してサービスを利用した場合にも継続して当該サービスを利用することが可能です。その代わり、利用量に応じた料金が発生します。各サービスの利用量に応じた料金については次の表およびAlibaba Cloud公式ドキュメントをご参照ください。

機能名

価格

アラート通知(SMS)

0.0064 USD / 件

アラート通知(電話音声)

0.0212 USD / 件

動的閾値アラート

0.0004 USD / メトリック時系列

メトリックデータクエリAPIコール

0.017 USD / 1万回

※機能ごとに設定された無料枠が先に消費され、無料枠を完全に消費すると従量課金で料金が発生します

Cloud Monitor Basic 従量課金の料金について(公式ドキュメント)

CloudMonitor Basic 従量課金の有効化方法

CloudMonitor Basic 従量課金の有効化方法についてAlibaba Cloudに確認したところ、日本時間 2024年9月26日 11:00以降、Alibaba Cloudの「CloudMonitor」コンソール->「overview」メニュー->「Resource Usage」タブに表示される「activate」ボタンを押下することで有効化が行えるという回答でした。従量課金の有効化を検討されている方は参考にしていただければと思います。

おわりに

本記事では、2024年9月26日および2024年10月1日に予定されているCloudMonitor Basicの料金変更について紹介しました。この記事が変更内容を把握する際の一助になりましたら喜ばしい限りです。

今回紹介した変更以外にもAlibaba Cloudでは日々アップデートが行われています。ソフトバンクでは、1週間にAlibaba Cloudで実施されたアップデートをまとめて「Weekly Alibaba Cloud」として毎週公開していますので、興味を持たれた方は、ぜひ「Weekly Alibaba Cloud」もご覧いただければと思います。


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