Weekly AWS アップデート情報 - 2024/9/9 ~Amazon S3 向け Storage Browser を Web アプリケーション用に発表(アルファリリース)~

2024年9月9日掲載

キービジュアル

皆さま、こんにちは。

先週 (2024/9/2~9/8) の主な AWS アップデート情報をお送りいたします。

目次

今週の注目アップデート

Amazon S3 向け Storage Browser を Web アプリケーション用に発表(アルファリリース)
Amazon S3 が Storage Browser for S3 のアルファリリースを発表しました。これは、S3 に保存されたデータに対してシンプルなインターフェースを提供するオープンソースコンポーネントで、Web アプリケーションに追加できます。
Storage Browser for S3 の主な特長:
- 認可されたエンドユーザーが、アプリケーションから直接 S3 のデータを簡単に閲覧、ダウンロード、アップロードできる
- AWS Amplify の JavaScript と React クライアントライブラリで利用可能
- エンドユーザーがアクセス権を持つデータのみを表示
- リクエストを自動的に最適化し、高スループットのデータ転送を実現
- AWS のセキュリティおよびアイデンティティサービスまたは独自のマネージドサービスを使用して、エンドユーザーのアイデンティティに基づくアクセス制御が可能
- 既存のアプリケーションのデザインやブランディングに合わせてカスタマイズ可能
このアルファリリースは、早期フィードバックを収集し、コミュニティーの意見を設計と実装に反映させることを目的としています。

分析

Amazon Redshift Data API がセッション再利用機能を導入
Amazon Redshift の Data API にセッション再利用機能が導入されました。この機能により、データベースドライバー、接続、ネットワーク設定、データバッファリングなどの管理が不要になり、Amazon Redshift データウェアハウスからのデータアクセスが効率化されます。
Data API のセッション再利用により、クエリ実行間でセッションのコンテキストを保持できるようになり、同じデータウェアハウスへの繰り返しのクエリに対する接続セットアップの遅延が軽減されます。
セッション再利用を使用すると、変数や一時テーブルなどのオブジェクトのセッションコンテキストを活用できます。これらのオブジェクトは一度作成すれば、複数のクエリで何度も使用できるため、クエリの全体的な実行時間が短縮されます。
セッションを再利用するには、クエリ終了後にセッションを保持する時間を秒単位で指定する必要があります。その後のクエリは、指定した時間が経過するか延長されるまで、このセッションを参照できます。

Amazon Managed Service for Apache Flink が Apache Flink 1.20 をサポート
Amazon Managed Service for Apache Flink が Apache Flink のマイナーバージョン 1.20 をサポートしました。このバージョンは、Flink コミュニティーが Flink 2.0 の前にリリースする最後の 1.x マイナーバージョンになる見込みです。バグ修正、パフォーマンス改善、新機能の追加などの利点を得るため、Flink 1.20 へのアップグレードが推奨されます。既存のアプリケーションを新バージョンにアップグレードするには、Apache Flink のインプレースバージョンアップグレードを使用できます。
Amazon Managed Service for Apache Flink は、Apache Flink を使用してストリーミングデータをリアルタイムで変換・分析することを容易にします。Apache Flink はデータストリーム処理のためのオープンソースフレームワークおよびエンジンです。このサービスは、Apache Flink アプリケーションの構築と管理の複雑さを軽減し、ビルトインコネクターを使用して Amazon MSK、Kinesis Data Streams、OpenSearch Service、DynamoDB ストリーム、S3、カスタム統合などと連携します。
Amazon Managed Service for Apache Flink コンソールで、アプリケーションの作成や更新が可能です。

Amazon Kinesis Data Streams が FIPS 140-3 対応のインターフェース VPC エンドポイントをサポート
Amazon Kinesis Data Streams が、FIPS 140-3 プログラムで検証された地域エンドポイントを介して接続する AWS PrivateLink を使用した VPC エンドポイントの追加をサポートするようになりました。これにより、FIPS 140-3 検証済みの暗号化モジュールを使用する安全な接続を必要とする規制対象のワークロードに対して、AWS PrivateLink を Kinesis Data Streams で簡単に使用できるようになりました。
FIPS 準拠のエンドポイントにより、米国連邦政府と契約する企業は、機密データを暗号化するための FIPS セキュリティ要件を満たすことができます。


AWS Glue がジョブキューイングを提供開始
AWS Glue にジョブキューイング機能が追加されました。この新機能により、アカウントレベルのクォータや制限を管理することなく、AWS Glue ジョブの実行をサブミットできるようになりました。
AWS Glue のジョブキューイングは、アカウントレベルのクォータと制限を監視します。クォータや制限が不足してGlueジョブを開始できない場合、AWS Glue は自動的にジョブをキューに入れ、制限が解除されるのを待ちます。制限が解除されると、AWS Glue はジョブの実行を再試行します。
Glue ジョブは、アカウント当たりの最大同時実行ジョブ数、最大同時データ処理ユニット(DPU)、Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)での IP アドレス枯渇によるリソース不足などの制限に対してキューイングされます。
AWS Glue のジョブキューイングは、AWS マネジメントコンソールまたは API/CLI を通じてジョブに対して有効化できます。

ビジネスアプリケーション

Amazon Connect が日中予測を提供開始
Amazon Connect の予測、キャパシティプランニング、エージェントスケジューリングに、機械学習(ML)を活用した日中予測機能が追加されました。この機能は Amazon Connect Contact Lens ダッシュボードで利用できます。
日中予測では、15分ごとに更新される以下の予測情報が提供されます:
- その日の残りの時間のコンタクト量
- 平均キュー応答時間
- 平均処理時間
これらの予測により、お客さまの待ち時間とサービスレベルを改善するための事前対策が可能になります。例えば、コンタクト量が予想を下回った場合、コンタクトセンターマネージャーは日中予測を使用して、その低下がどれくらい続くかを予測し、必要なスタッフレベルを決定し、残りのエージェントをバックオフィス業務や他の高ボリュームのキューに移動させることができます。

Amazon Connect がエージェントスケジュールの週間ビューを提供開始
Amazon Connect にエージェントスケジュールの週間ビューが追加されました。これにより、コンタクトセンターのマネージャーは1週間分のスタッフ配置を一目で確認できるようになりました。
新機能の主な特長:
1. 日々の集計指標(サービスレベル、稼働率、予測時間対スケジュール時間)を通じて、各日の必要なカバレッジを確保できます。
2. 水曜日の過剰配置や金曜日の人員不足などを簡単に特定し、週間ビュー内でシフトを調整できます。
3. エージェントが適切なシフトを割り当てられているか(例:1日8時間シフト)、連続勤務日数が多すぎないか(例:週2日以上の休日)を確認しやすくなりました。
4. 複数日のスタッフ配置を1つのビューで確認でき、日々のシフト管理にかかる時間を削減することで、マネージャーの生産性が向上します。

Amazon Connect Contact Lens がエージェントのパフォーマンス評価の自動化に新機能を追加
Amazon Connect の Contact Lens パフォーマンス評価機能が強化されました。主な改善点は以下の通りです:
1. 会話の洞察(検出されたコール理由など)に基づいて、評価質問を自動的に「該当なし」とマークできるようになりました。
2. 追加のコンタクトメトリクス(最長保留時間、保留回数、保留を含むエージェントの対応時間など)を使用して、評価フォームの質問に自動的に回答できるようになりました。
3. 特定の条件下で、適用可能な評価質問のみを自動的に完了できるようになりました。例えば、口座開設の電話をしたお客さまに対してのみ、エージェントが新規口座の特典や価格を説明したかどうかを確認できます。
4. エージェントがお客さまの問題を効率的に解決したか(例:10分以内に解決)、お客さまを繰り返し保留にしなかったかなどを自動的に評価できるようになりました。
これらの機能により、より効率的で正確なパフォーマンス評価が可能になります。

コンテナ

Amazon ECS が AWS Fargate Spot で AWS Graviton ベースのコンピューティングをサポート
Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) が AWS Fargate Spot で AWS Graviton ベースのコンピューティングをサポートするようになりました。この機能により、Fargate の価格と比較して最大70%割引で、フォールトトレラントな Arm ベースのアプリケーションを実行できます。AWS Graviton プロセッサは、クラウドワークロードに最適な価格性能比を提供するために AWS が独自に開発したものです。
AWS Fargate を使用した Amazon ECS により、お客さまはサーバーレスでワークロードを大規模にデプロイおよび構築できます。Arm ベースのワークロードを実行することで、より優れた価格性能比を得ることができます。
フォールトトレラントな Arm ベースのワークロードを AWS Fargate Spot で実行することで、さらにコストを最適化できるようになりました。開始するには、タスク定義で cpu-architecture = ARM64 を設定し、キャパシティプロバイダーとして FARGATE_SPOT を選択するだけです。
Amazon ECS は、AWS クラウドで利用可能な余剰の AWS Graviton ベースのコンピューティングキャパシティを活用してサービスまたはタスクを実行します。これにより、Graviton ベースのコンピューティングを使用したスポットキャパシティの費用最適化レバーを備えたサーバーレスコンピューティングのシンプルさを実現できます。
この機能は、AWS Fargate プラットフォームバージョン1.4.0以上で実行される Amazon ECS タスクで利用可能です。

データベース

PostgreSQL 17 RC1 が Amazon RDS Database プレビュー環境で利用可能に
Amazon RDS for PostgreSQL 17 リリース候補 1 (RC1) が Amazon RDS Database Preview Environment で利用可能になりました。これにより、PostgreSQL 17 のプレリリースを Amazon RDS for PostgreSQL で評価できます。
PostgreSQL 17 RC1 は、フルマネージドデータベースの利点を持つ Amazon RDS Database Preview Environment にデプロイできます。
PostgreSQL 17 の主な更新点は以下の通りです:
1. バキューム処理の改善:メモリ使用量の削減、完了時間の短縮、インデックスのバキューム進捗表示
2. メジャーバージョンアップグレード時に論理レプリケーションスロットの削除が不要に
3. SQL/JSON 標準の拡張:JSON を標準 PostgreSQL テーブルに変換する `JSON_TABLE` 機能のサポート
4. `MERGE` コマンドが `RETURNING` 句をサポート
5. クエリパフォーマンスの全般的な改善
6. パーティーション管理の柔軟性向上:パーティーションの分割/マージ機能
Preview Environment のデータベースインスタンスは最大 60 日間保持され、その後自動的に削除されます。Preview Environment で作成されたスナップショットは、Preview Environment 内でのみ使用できます。PostgreSQL のダンプおよびロード機能を使用して、Preview Environment との間でデータベースのインポート/エクスポートが可能です。

Amazon Timestream for InfluxDB が強化された管理機能をサポート
Amazon Timestream for InfluxDB の管理オプションが強化されました。インスタンスサイズのスケールアップ/ダウンや、シングル AZ とマルチ AZ 間のデプロイメント構成の更新が可能になり、時系列データの処理と分析をより柔軟に制御できるようになりました。
Timestream for InfluxDB は、高性能な時系列データ処理と分析を必要とするアプリケーションで広く使用されています。データ取り込みレート、クエリ量、その他のワークロードの変動に応じてインスタンスサイズを迅速にスケーリングできるため、Timestream for InfluxDB インスタンスが常にワークロードを効率的に処理するために必要なリソースを確保できます。
また、ニーズと予算に応じてシングル AZ とマルチ AZ の構成を切り替えることで、可用性の構成を変更することもできます。これにより、インスタンスのサイジングや管理を心配することなく、アプリケーションの構築とデプロイメントに集中できます。
Amazon Timestream コンソール、AWS Command Line Interface (CLI)、SDK、AWS CloudFormation から Amazon Timestream インスタンスを作成できます。

Amazon RDS for Oracle が マルチテナント構成で OEM と OLS オプションをサポート
Amazon RDS for Oracle が、Oracle Multitenant 構成で Oracle Enterprise Manager (OEM) と Oracle Label Security (OLS) オプションをサポートするようになりました。
OEM は単一のコンソールから Oracle インフラストラクチャーの監視と管理を可能にします。OLS は個々のテーブルや行へのアクセスに対してきめ細やかな制御を提供し、ポリシーベースの管理による規制遵守の実施を支援します。
マルチテナント構成の Amazon RDS for Oracle データベースインスタンスで OEM を有効にするには、新規または既存のオプショングループにオプションを追加できます。OEM オプションは、単一のデータベースインスタンスを管理する軽量ツールの OEM Database Express、または大規模環境を管理するエンタープライズレベルのツールの OEM Cloud Control 用の OEM_AGENT として使用できます。
マルチテナント構成の Amazon RDS for Oracle データベースインスタンスで OLS オプションを有効にするには、新規または既存のオプショングループにオプションを追加できます。OLS オプションを使用するには、Oracle Enterprise Edition ライセンスと「Software Update License & Support」に加えて、有効な Oracle Label Security オプションライセンスが必要です。
Amazon RDS for Oracle を使用すると、クラウド上で Oracle データベースのデプロイメントを設定、運用、スケーリングできます。

Amazon RDS for MariaDB が MariaDB のマイナーバージョン 10.11.9、10.6.19、10.5.26 をサポート
Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) for MariaDB が MariaDB のマイナーバージョン 10.11.9、10.6.19、10.5.26 をサポートするようになりました。これらの最新マイナーバージョンへのアップグレードにより、以前のバージョンで知られているセキュリティ脆弱性が修正され、MariaDB コミュニティーによるバグ修正、パフォーマンス改善、新機能の追加の恩恵を受けることができます。
自動マイナーバージョンアップグレード機能を使用すると、スケジュールされたメンテナンスウィンドー中に自動的にデータベースを最新のマイナーバージョンにアップグレードできます。また、Amazon RDS マネージド Blue/Green デプロイメントを活用することで、MariaDB インスタンスをより安全、シンプル、迅速に更新できます。
Amazon RDS for MariaDB を使用することで、クラウド上で MariaDB デプロイメントの設定、運用、スケーリングを簡単に行うことができます。

Amazon RDS Custom for SQL Server がリージョン間スナップショットコピーをサポート
Amazon RDS Custom for SQL Server が、自動または手動で作成されたデータベーススナップショットの商用 AWS リージョン間でのコピーをサポートするようになりました。これにより、RDS Custom for SQL Server インスタンスのデータベーススナップショットを異なるリージョンにシームレスに移動できるようになり、ミッションクリティカルなデータのための堅ろうな災害復旧ソリューションを構築できます。
RDS Custom for SQL Server は、独自のライセンスの SQL Server ソフトウェアを持ち込み、基盤となるOSをカスタマイズできるマネージドデータベースサービスです。
この機能により、RDS Custom for SQL Server データベーススナップショットを他の AWS リージョンに手動でコピーできるようになり、複数のリージョンにデプロイされたアプリケーションのデータ保持、コンプライアンス、災害復旧が可能になります。
スナップショットをコピーするには、スナップショットを選択し、スナップショットアクションメニューから「スナップショットのコピー」を選択し、コピー先のリージョンを選び、新しいスナップショットの名前を入力します。スナップショットのコピープロセスは、AWS マネジメントコンソール、AWS Command Line Interface (CLI)、または Amazon RDS Custom for SQL Server API を通じて開始できます。

Amazon RDS Custom for SQL Server が 大阪などの新しい AWS リージョンで利用可能に
Amazon RDS Custom for SQL Server が、米国西部(北カリフォルニア)、アジアパシフィック(大阪)、ヨーロッパ(パリ)の AWS リージョンで利用可能になりました。
このサービスは、お客さま独自のライセンスを持つ SQL Server メディアを使用でき、基盤となるOSとデータベース環境にアクセスできるマネージドデータベースサービスです。
Amazon RDS Custom for SQL Server の主な特長:
1. マネージド高可用性(MAZ)
2. 自動バックアップとポイントインタイムリカバリ
3. リージョン間のスナップショットコピー
お客さまは、独自のライセンスを持つ SQL Server メディアを使用するか、ライセンス込み(LI)インスタンスを選択してデプロイできます。
このサービスにより、データベース管理の煩雑な作業を軽減し、ビジネスにより大きな影響を与えるタスクに集中できます。

Amazon DynamoDB が属性ベースのアクセス制御(ABAC)をサポート
Amazon DynamoDB がテーブルとインデックスに対する属性ベースのアクセス制御(ABAC)をサポートするようになりました。ABAC は、ユーザー、ロール、AWS リソースに付与されたタグに基づいてアクセス権限を定義する認可戦略です。
ABAC により、タグを使用してアクセス権限とポリシーを設定できるようになりました。タグベースのアクセス条件を使用して、AWS Identity and Access Management (IAM) プリンシパルのタグが Amazon DynamoDB テーブルのタグと一致する場合に、特定のアクションを許可または拒否できます。
タグベースの条件を使用する柔軟性により、組織構造に基づいてよりきめ細やかなアクセス権限を設定できるようになりました。ABAC を使用すると、組織の成長に伴ってポリシーを書き直すことなく、新しい従業員や変化するリソース構造に対してタグベースの権限をスケーリングできます。
ABAC は AWS Management Console、AWS API、AWS CLI、AWS SDK、AWS CloudFormation を通じてサポートされています。

デベロッパーツール

AWS Fault Injection Service が追加の安全制御機能を導入
AWS Fault Injection Service (FIS) に、新たな安全制御機能としてセーフティレバーが追加されました。セーフティレバーを有効にすると、実行中の全ての実験が停止され、新しい実験の開始が防止されます。
これにより、セールスイベントや製品ローンチなどの特定の期間中や、アプリケーションの健全性アラームに応じて、障害注入を防ぐことができるようになりました。
FIS にはすでに、アラームが発生した際に自動的に実験を停止し障害を除去する「停止条件」などの安全ガードレールが組み込まれています。セーフティレバーは、さらに重要なガードレールとして追加されました。
セーフティレバーが有効になると、マルチアカウント実験を含む、アカウント内で実行中の全ての実験が停止します。アプリケーションが正常な状態に戻った場合や、計画されたピークイベントが終了した場合など、お客さまが手動で無効にするまで、セーフティレバーは有効な状態を維持します。

エンドユーザーコンピューティング

Amazon WorkSpaces Pools が Windows 10 または 11 のライセンス持ち込みに対応
Amazon WorkSpaces Pools で Microsoft Windows 10 および 11 の Bring Your Own License (BYOL) オプションが発表されました。お客さまは Windows 10 または 11 のライセンス(Microsoft のライセンス要件を満たす場合)を持ち込み、対象となる Microsoft 365 Apps for enterprise をサポートできるようになりました。これにより、ユーザーがオンプレミスと仮想デスクトップを切り替える際に一貫したデスクトップ体験を提供できます。
WorkSpaces Pools は、単一のコンソールとクライアントセットを提供し、さまざまなデスクトップハードウェア構成、ストレージ、アプリケーションを管理することで、WorkSpaces 環境全体の管理を簡素化します。BYOL では、OSは管理者の AWS アカウント専用のハードウェアでホストされ、リアルタイムの使用状況メトリクスや事前定義されたスケジュールに基づいて仮想デスクトップのプールを自動的にスケーリングできます。
WorkSpaces Pools は、OS料金を除外した従量制の時間単位の料金を提供し、大幅なコスト削減を実現します。このオプションを利用するには、組織が Microsoft のライセンス要件を満たし、毎月特定の AWS リージョンで最小数の WorkSpaces を実行することが必要です。
Windows 10 および 11 の BYOL は、Standard、Performance、Power、PowerPro バンドルでサポートされています。ビデオ会議の最適な体験には、Power または PowerPro バンドルの使用が推奨されます。

ウェブとモバイルのフロントエンド

Amazon SES が適応型セットアップウィザードと Virtual Deliverability Manager によるオンボーディング強化を発表
Amazon Simple Email Service (SES) がオンボーディング体験を強化し、主要な SES 機能の発見と有効化を容易にしました。SES コンソールに適応型セットアップページが追加され、最適なセットアップのための推奨事項が前面に表示されるようになりました。また、初期オンボーディングウィザードで Virtual Deliverability Manager (VDM) を有効にするオプションが導入されました。
以前の SES オンボーディングプロセスは、ドメインの認証と本番アクセスの取得に主に焦点を当てていました。新しいワークフローでは、オンデマンドのアドバイザーチェックにより、DKIM アライメント、SPF アライメント、DMARC ポリシーを備えた認証済みメールの送信を開始するようお客さまをガイドします。
強化されたオンボーディング体験により、お客さまは最初からメールの配信性を最適化できるようになりました。適応型セットアップページを通じて、現在の構成を検出し、カスタマイズされた推奨事項を提供しながら、メールモニターリングの設定、専用 IP アドレスのプロビジョニング、送信制限の調整などを簡単に行えます。
これらの強化により、SES のお客さまは SES の利用開始時から長期的な成功に向けたメールインフラストラクチャーを確実に設定できます。

AWS AppSync が新しい DEBUG および INFO ログレベルで API モニターリングを強化
AWS AppSync GraphQL API に DEBUG と INFO のログレベルが追加されました。これにより、ログの詳細度をより細かく制御でき、API のトラブルシューティングが容易になり、可読性とコストの最適化が図れます。
既存の ERROR と ALL レベルに加えて、DEBUG と INFO レベルが導入されたことで、お客さまは適切な詳細レベルで関連するログ情報を取得する柔軟性が向上しました。これにより、Amazon CloudWatch Logs に適切な量の情報を送信し、問題をより正確に特定して解決できるようになりました。
お客さまは「error」、「log」、「debug」関数を使用してコードからメッセージをログに記録し、API 上で CloudWatch Logs に送信されるログのレベルを設定できます。API のログレベルは、リゾルバーや関数コードを変更することなく、いつでも変更可能です。
例えば、開発やトラブルシューティング中は API のログレベルを DEBUG に設定し、本番環境では INFO に変更することができます。また、追加のトレース情報を確認したい場合は、ログレベルを ALL に設定できます。

機械学習

Stability AI の主要な 3 つの Text-to-Image モデルが Amazon Bedrock で利用可能に
Stability AI の Stable Image Ultra、Stable Diffusion 3 Large (SD3 Large)、Stable Image Core モデルが Amazon Bedrock で一般提供されました。これらのモデルは、メディア、マーケティング、小売、ゲーム開発などのさまざまな業界のお客さまが、高品質な画像を前例のないスピードと精度で生成することを可能にします。
3つのモデルは全て、優れたディテール、色の正確さ、リアルな照明を備えた驚くほどフォトリアリスティックな画像を生成できます。各モデルの特長は以下の通りです:
- Stable Image Ultra:最高品質のフォトリアリスティックな出力を生成し、プロフェッショナルな印刷メディアや大判アプリケーションに最適です。
- Stable Diffusion 3 Large:生成速度と出力品質のバランスが理想的で、Webサイト、ニュースレター、マーケティング資料などの高品質デジタルアセットの作成に適しています。
- Stable Image Core:高速で手頃な価格の画像生成に最適化されており、アイデア段階での迅速な反復に適しています。
これらのモデルにより、お客さまはクリエーティブプロセスの効率化、市場トレンドへの迅速な適応、視覚的ブレインストーミングによるイノベーションの推進、生産性の向上、コスト削減、ビジネス機能全体での視覚的コミュニケーションの改善を通じて競争優位性を獲得できます。

Bedrock Agents が Claude 3.5 Sonnet をサポート
Amazon Bedrock の Agents により、開発者は幅広いユースケースに対応する複雑なタスクを完了し、企業の知識ソースに基づいた回答を提供できる生成系AI ベースのアプリケーションを作成できます。複雑なタスクを高精度で完了するには、基盤モデル(FM)の推論能力が重要な役割を果たします。
Amazon Bedrock のお客さまは、Bedrock Agents で Claude 3.5 Sonnet を利用できるようになりました。Claude 3.5 Sonnet は Anthropic の最新の基盤モデルで、世界最高レベルのモデルの1つです。Claude 3 Opus と比較して、速度、性能、エージェント推論が向上しています。
さらに、このモデルにより Bedrock Agents は、Anthropic が推奨する関数呼び出しのためのツール使用をサポートし、開発者とエンドユーザーのエクスペリエンスが向上しました。

Amazon SageMaker 向けの新しいオブジェクト指向 SDK 「sagemaker-core」を発表
Amazon SageMaker が新しい Python SDK である 「sagemaker-core」 を発表しました。この SDK は、TrainingJob、Model、Endpoint などの SageMaker リソースとやりとりするためのオブジェクト指向インターフェースを提供します。
sagemaker-core の主な特長は以下の通りです:
1. リソースチェーン機能により、リソースオブジェクトをパラメーターとして渡すことができ、複雑なパラメーターを手動で指定する必要がなくなります。
2. リソースの状態遷移やポーリングロジックなどの低レベルの詳細を抽象化します。
3. SageMaker API と完全に互換性があり、全ての SageMaker 機能を SDK を通じて直接利用できます。
4. 人気の IDE での自動コード補完、包括的なドキュメント、型ヒントなどの使いやすさの改善が含まれています。
5. 専用のリソースクラスにより、利用可能な機能のオブジェクト指向ビューを提供し、開発者の認知負荷を軽減します。
6. リソースの状態管理を自動的に処理するため、開発者は機械学習モデルの構築とデプロイに集中できます。
7. インテリジェントなデフォルト値と組み合わせることで、共通パラメーターを繰り返し指定する負担を軽減します。
これらの機能により、より読みやすく保守しやすいコードが実現し、開発者の生産性が向上します。

Amazon SageMaker Studio から Amazon EMR Serverless 上の Apache Spark を直接利用可能に
Amazon SageMaker Studio ノートブックから直接 Amazon EMR Serverless を使用して、ペタバイト規模のデータ分析と機械学習を実行できるようになりました。EMR Serverless は必要なリソースを自動的にプロビジョニングおよびスケーリングするため、クラスタの設定、最適化、チューニング、管理を行うことなく、データとモデルに集中できます。
EMR Serverless は、オープンソースフレームワークを自動的にインストールおよび設定し、標準のオープンソースと互換性があり、かつ高速なパフォーマンス最適化ランタイムを提供します。
SageMaker Studio から EMR Serverless アプリケーションを視覚的に作成・閲覧し、数回のクリックで接続できるようになりました。接続後は、Spark SQL、Scala、Python を使用して、データのインタラクティブなクエリ、探索、可視化、および Apache Spark ジョブの実行が可能です。
ジョブは EMR のパフォーマンス最適化版 Spark を使用するため高速に実行されます。例えば、EMR 7.1 の Spark はオープンソース版の 4.5 倍高速です。
EMR Serverless は、きめ細やかな自動スケーリングを提供し、アプリケーションの要件に合わせてコンピューティングとメモリリソースをプロビジョニングおよび迅速にスケーリングします。使用した分のみ料金が発生します。
これらの機能は SageMaker Distribution 1.10 以降でサポートされています。

マネジメントとガバナンス

CloudWatch Application Signals がリクエストベースのサービスレベル目標(SLO)をサポート
CloudWatch Application Signals に、リクエスト数に基づいて計算されるサービスレベル目標(SLO)のサポートが追加されました。これにより、サービスが実行した総操作のうち、良好または不良なリクエストの割合を追跡できます。
この機能により、サービスが受け取った総リクエスト数のうち、定義されたSLO基準(例:レイテンシが200ms未満)を満たしたリクエスト数をより正確に追跡できるようになりました。
従来の期間ベースのSLOに加えて、今回のリクエストベースのSLOでは、リクエスト単位でのエラー許容度を追跡できます。これにより、リクエスト量の変動が大きいアプリケーションに特に有用な、きめ細やかなモニターリングが可能になります。トラフィックが少ない期間のパフォーマンス低下が、エラーバジェットの急速な消費につながる可能性がある場合に効果的です。

ネットワーキングとコンテンツ配信

AWS Network Load Balancer が設定可能な TCP アイドルタイムアウトをサポート
AWS Network Load Balancer (NLB) に、NLB の TCP アイドルタイムアウト値をクライアントとターゲットアプリケーションに合わせて調整できる新機能が追加されました。
この機能により、NLB を使用する際に、テレメトリー報告デバイス、データベース、ストリーミングサービス、ERP システムなど、長期的なフローを使用するアプリケーションの TCP 接続の再試行と遅延を軽減できます。
これまでは TCP アイドルタイムアウトが 350 秒の固定値だったため、一部のアプリケーションの長期的なトラフィックフローで TCP 接続ハンドシェイクの再試行が発生し、遅延が増加する可能性がありました。
今回のアップデートにより、NLB の TCP アイドルタイムアウトを 60 秒から 6000 秒の間で設定できるようになりました。後方互換性のため、デフォルト値は 350 秒のままです。
この設定により、アプリケーションのニーズに基づいて最適な期間ターゲットのスティッキネスを維持することで、長期的なトラフィックフローの遅延を軽減できます。
TCP アイドルタイムアウト値は、既存および新規作成の NLB のリスナー属性 'tcp.idle_timeout.seconds' を使用して設定できます。

AWS Gateway Load Balancer が設定可能な TCP アイドルタイムアウトをサポート
AWS Gateway Load Balancer (GWLB) に、GWLB の TCP アイドルタイムアウト値をクライアントとターゲットアプライアンスに合わせて調整できる新機能が追加されました。
この機能により、GWLB を使用する際に、金融アプリケーション、データベース、ERP システムなどの長期的なフローを使用するアプリケーションの中断のないステートフル検査と微調整が可能になりました。
これまでは TCP アイドルタイムアウトは 350 秒の固定値でしたが、一部のアプリケーションの長期的なトラフィックフローが中断される可能性がありました。今回のアップデートにより、GWLB の TCP アイドルタイムアウトを 60 秒から 6000 秒の間で設定できるようになりました。後方互換性のため、デフォルト値は 350 秒のままです。
この設定により、アプリケーションのニーズに基づいて最適な期間ターゲットのスティッキネスを維持し、トラフィックフローの中断を減らすことができます。TCP アイドルタイムアウト値は、既存および新規作成の GWLB のリスナー属性 'tcp.idle_timeout.seconds' を使用して設定できます。

ストレージ

Amazon S3 Access Grants が ListCallerAccessGrants API を導入
Amazon S3 Access Grants に新しい API である ListCallerAccessGrants が追加されました。この API により、AWS Identity and Access Management (IAM) プリンシパルと AWS IAM Identity Center のエンドユーザーは、S3 Access Grants で定義されたアクセス可能な全ての S3 バケット、プレフィックス、オブジェクトをリストアップできます。
ListCallerAccessGrants を使用して、特定のエンドユーザーがアクセスできるデータを識別し、アクションを実行するアプリケーションを構築できます。例えば、オープンソースの UI コンポーネントである Amazon S3 用 Storage Browser は、この API を使用してエンドユーザーに S3 Access Grants に基づいてアクセス可能なデータを表示します。
S3 Access Grants は、AWS IAM または Identity Provider (IdP) の ID を S3 のデータセットにマッピングします。ListCallerAccessGrants アクションを呼び出すと、S3 は IAM プリンシパルまたは IAM Identity Center ユーザーとその関連グループを識別し、エンドユーザーとそのグループの S3 Access Grants を返します。
この新機能により、S3 のデータアクセス管理がより柔軟になり、エンドユーザー向けアプリケーションの開発が容易になります。

Amazon EBS ダイレクト API が AWS PrivateLink で IPv6 をサポート
Amazon EBS ダイレクト API が、AWS PrivateLink を使用して VPC を EBS ダイレクト API に接続する際に、IPv6 プロトコルをサポートするようになりました。
EBS ダイレクト API を使用すると、API を通じて直接 EBS スナップショットの作成や読み取りが可能になり、バックアップと復旧のワークフローを簡素化できます。AWS PrivateLink を介して、お客さまは EBS ダイレクト API を VPC 内にあるかのようにアクセスできます。
この変更により、以下のメリットがあります:
- IPv6 コンプライアンスニーズへの対応
- 既存の IPv6 ベースのオンプレミスアプリケーションとの統合
- IPv4 と IPv6 間のアドレス変換を処理する高価なネットワーク機器の必要性の排除
この新機能を利用するには、アプリケーションを Amazon EBS ダイレクト API の IPv6 エンドポイント、または IPv4 と IPv6 の両方をサポートするデュアルスタックエンドポイントを使用するように設定できます。デュアルスタックエンドポイントへのリクエストは、ネットワークとクライアントが使用するプロトコルに応じて IPv6 または IPv4 アドレスに解決されます。

 

以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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