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ご覧いただきありがとうございます。クラウドエンジニアの今井です。
本記事では、2024年11月15日にAlibaba CloudのVPN Gatewayで実施されたアップデートについて紹介します。
今回紹介するのは、VPN Gateway のIPsec-VPN接続において、BGPで受信した経路数がAlibaba Cloudのコンソール上に表示されるようになったことです。
VPN Gateway のIPsec-VPN接続において、BGPで受信した経路数がAlibaba Cloudのコンソール上に表示されるようになりました。このアップデートにより、ユーザは経路数を一目で把握することができるようになったため、経路数が上限に近づいた場合の対策を速やかに講じることができるようになりました。
Alibaba CloudのVPN GatewayはAlibaba Cloud上で仮想プライベートネットワーク(VPN)を構築できるサービスです。これにより、パブリックインターネットを介して仮想ネットワークやデータセンターを安全に接続することができます。プロダクトの詳細については、公式ドキュメントをご覧ください。
アップデート前
従来は、IPsec-VPN接続においてBGPで受信した経路数を確認するためには、ルートテーブルに登録されている経路数を人手でカウントする必要があり、時間と手間の両方がかかりました。その影響で、現在の正確な経路数が把握できていない状態で、知らず知らずの内に受信可能な経路数を超えてしまうケースもありました。実際の経路数が受信可能な経路数の上限を超えた場合、VPN Gatewayコンソール上でこれ以上経路の追加はできないという旨のメッセージが表示され、それ以上は経路が追加されなくなります。
アップデート後
今回、Alibaba Cloudにより実施されたアップデートで、VPN Gatwayのコンソール画面にBGPで受信した経路数とBGPで広報した経路数が表示されるようになりました。これにより、現在の経路数の把握が困難であるという問題が解消され、上限引き上げが必要かどうかをスムーズに判断できるようになりました。
VPN Gatwayで受信可能なBGP経路数の上限は「vpn_quota_bgp_route_limit」というクォータで管理されています。デフォルトの値は50で、上限の引き上げを希望する場合、Alibaba Cloudへ申請する必要があります。
ここからは、今回のアップグレードで表示されるようになった経路数がコンソール上のどこで確認できるのかを紹介します。また、上限の引き上げ前後で、現在の受信可能なBGP経路数(vpn_quota_bgp_route_limit)を確認したい場合があると思うので、その確認方法についてもあわせて紹介します。
①Alibaba Cloud管理コンソールにログインし「VPC」コンソールを開きます
②画面左側メニューから「Interconnections / VPN / VPN Gateways」をクリックします
③確認したい VPN Gateway のインスタンスIDをクリックします
④「BGP Route Table」タブをクリックします
⑤経路情報一覧の右上にBGPで受信した経路(Receive routes)とBGPで広報した経路(Advertised routes)が表示されます
①Alibaba Cloud管理コンソールにログインし「Quota Center」コンソールを開きます
②画面左側のメニューから「Products」の「General Quotas」をクリックします
③「VPN Gateway」をクリックするとVPN Gatewayに関するクォータが一覧表示されます
今回のアップデートにより、VPN GatewayのIPsec-VPN接続を利用する際に、現在のBGP経路数を容易に確認できるようになりました。これにより、ネットワーク管理がさらに効率化され、経路数上限の引き上げに際しての判断を正確に行うことができます。
今回紹介した変更以外にもAlibaba Cloudでは日々アップデートが行われています。ソフトバンクでは、1週間に実施されたアップデートを「Weekly Alibaba Cloud」として毎週公開していますので、興味を持たれた方はぜひそちらもご覧いただければと思います。
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