【管理者必見】生成AI時代のGoogle Workspace、セキュリティは大丈夫?ソフトバンクが教える設定のツボ

2025年7月1日掲載

Google Meet

ChatGPTやGeminiなど、生成AIがビジネスシーンで大活躍の今、Google Workspace にも生成AI機能が標準付帯されその利便性は飛躍的に向上しましたね!

ドキュメント作成やメール返信、会議の要約まで、AIが私たちの仕事をぐっと効率化してくれる一方で、ちょっと立ち止まって考えてみませんか?AIが扱うデータの範囲や共有のスピードが格段に上がった今、従来のセキュリティ対策や運用ルールでは、もしかしたら「情報漏洩」という思わぬ落とし穴が潜んでいるかもしれません。

この記事では、生成AI時代に企業が Google Workspaceを安全に、そして最大限に活用するためのセキュリティ対策のポイントを分かりやすく解説します。

 

目次

なぜ今、Google Workspace のセキュリティを見直すべきなのか?

「うちの会社は大丈夫」「これまでの設定で十分」そう思っていませんか?生成AIの登場により、Google Workspace の利便性が高まる一方で、企業が直面するセキュリティリスクは大きく変化しています。

具体的なリスクとして、以下のような点が挙げられます。

  • 機密情報の外部AI流出リスク: 社内の重要データや個人情報が、意図せず外部のAIサービスに送られてしまい、情報漏洩に繋がる可能性があります。

  • 連携アプリによる情報漏洩: 便利なサードパーティ製アプリと安易に連携した結果、Google Workspace 内の企業情報が流出する危険性が潜んでいます。

  • ログ・監査設定の不備: AIが生成・共有・削除したデータについて、適切なログが残されていない場合、万一のトラブル発生時に証拠保全が難しくなることがあります。

  • Google Driveアクセスの盲点: 外部アプリ経由で Google Drive 内のファイルにアクセスされ、自動的に情報が抜き取られるリスクも無視できません。

これらのリスクは、Google Workspace の初期設定だけでは残念ながらカバーしきれないケースがほとんどです。AIの恩恵を享受しつつ、これらのリスクを最小限に抑え、かつ利便性との折り合いをつけるためには「AIとどう向き合うか」を明確にしたポリシー策定と、それに合わせた適切なテクノロジーの導入と設定が不可欠なのです。

AIを安全に活用するための3つの重要要素

AIを企業の業務に安全に、そして効率的に導入し、そのメリットを最大限に引き出すためには、以下の3つの要素をバランスよく整備することが不可欠です。

要素

詳細

1. ポリシー

AI利用に関する「ルール」を明確化。どのような業務で、どこまでAIを利用して良いのかを具体的に定め、社員が安心してAIツールを使えるようにします。個人情報や機密情報の取り扱い、著作権侵害の回避、ハルシネーション(誤情報生成)への注意喚起なども盛り込みましょう。

2. テクノロジー

ポリシー遵守を「技術的」にサポート。Google Workspace のセキュリティ設定を活用し、機密情報の不必要な学習や外部漏洩を防ぎます。アクセス管理、ログ監視、責任あるAI機能の利用ガイドラインなども重要です。

3. 教育

AIを扱う社員への「啓発活動」。AIの基本的な仕組みや得意・不得意、策定したポリシーの重要性、ツールの正しい使い方、潜在的なリスクと倫理について教育し、AIリテラシーを向上させます。

これらの3つの要素が有機的に連携することで、AIの恩恵を最大限に享受しつつ、リスクを最小限に抑え、持続可能なAI活用を実現できます

本記事では  2.テクノロジー を中心に解説します

生成AI活用において見直すべき Google Workspace の設定例

ここからは、具体的に「どこを見直すべきか」を5つのポイントに絞ってご紹介します。少し専門的な内容も含まれますが、「こんな設定があるんだな」というヒントとしてぜひご覧ください。

  1. 外部連携アプリのアクセス制御
    • 現状のリスク: Google Drive や Gmail へのアクセス権を求める外部連携アプリの中には、信頼性の低いものも存在します。
    • 見直しのポイント: 信頼できないアプリからのアクセスはブロックしましょう。
  2. ログと監査設定
    • 現状のリスク: AIが生成・共有・削除したドキュメントの追跡が不十分だと、万一のトラブル時に証拠保全や調査ができません。
    • 見直しのポイント: 管理コンソールでログをしっかり取得し、長期参照できるようBigQuery(データウェアハウス)へエクスポートして保持期間が過ぎてGoogle Workspace 上から消去されても参照できるようにしておくことがおすすめです。Drive、Gmail、Meetなどの各サービスログを定期的に確認し、Google Vault(データ保持・電子情報開示ツール)と連携して、法的な証拠として保管できる設計にしておくことが重要です。
    • 調査ツールと BigQuery Export で見るGoogle Workspace ログ ~機能紹介編~|クラウドテクノロジーブログ|ソフトバンク
  3.  Meet録画データの保持ポリシー
    • 現状のリスク: AIで議事録を自動作成する上で重要なMeetの録画データ。デフォルトではGoogle Drive の保持ルール対象ですが、Meet 固有の保持ルールを設定している場合、そちらが優先され、監査(Vault)データが残らない落とし穴があります。
    • 見直しのポイント: Meet 録画データを確実に残すには、Vaultの保持ポリシーが「Google Drive」になっているか、改めて確認しましょう。
    • Vault を使用して Google Meet のデータを保持する
  4. Google Drive アクセスの制限
    • 現状のリスク: 外部の悪意あるAIサービスが勝手にDrive内の文書を取り込んで学習・送信してしまうリスクがあります。
    • 見直しのポイント: 不要な組織部門(OU)やユーザーに対して利用できるアプリを制限するなど、厳格なガバナンスを効かせましょう。利用状況の定期的な監査も重要です。
  5. データ保護ルール(DLP)で情報漏洩を自動ブロック!
    • 現状のリスク: 社内の機密情報や個人情報が、不注意で外部へ共有されたり、外部のAIに学習データとして使われてしまうリスクは常に存在します。
    • 見直しのポイント: Google Workspace のDLP(Data Loss Prevention:情報漏洩対策)機能を活用しましょう。クレジットカード番号やマイナンバー、特定のキーワードを含む機密文書などが、Gmail、Google Drive、Google Chatなどを通じて外部に送信されるのを自動でブロックできます。生成AIが扱うデータ範囲が広がっている今、DLPの重要性はかつてなく高まっています。貴社の情報資産を守るために、DLPの適切な設定は必須です。
    • DLP について - Google Workspace 管理者 ヘルプ

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まとめ:AI時代の Google Workspace 、貴社はもう対策できていますか?

生成AIは、私たちの働き方を大きく変革する素晴らしい可能性を秘めています。しかし、その一方で、企業におけるIT管理やセキュリティのあり方そのものを、根本から見直す時期に来ています。

本記事で紹介したように、Google Workspace には生成AI時代に対応するための様々なセキュリティ機能が備わっています。しかし、それらを適切に設定し、運用するためには専門的な知識と継続的な管理が必要です。

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