【Google GenAI】NotebookLM 音声概要で簡単に資料のポッドキャストを作成！

生成AIを活用した業務効率化が注目される中、Googleが提供する「NotebookLM Enterprise」は、資料から音声コンテンツを自動生成できる革新的な機能を搭載しています。その中でも「音声概要」機能は、ビジネス資料や提案書の内容をAIが読み取り、対話形式で要点を伝える音声ファイルを生成。通勤中や「ながら時間」でも耳から情報をインプットできるため、多忙なビジネスパーソンにとって強力な味方となるでしょう。

本記事では、NotebookLMの「音声概要」機能を使ってどのようにポッドキャストを作成できるのか、具体的な活用例や生成精度を高めるヒントを交えて詳しく解説します。

単なるテキスト読み上げとは一線を画す“自然な会話形式”の音声が、なぜこれほど情報理解を助けるのか。その理由を知れば、あなたもきっと試してみたくなるはずです。

NotebookLM Enterprise とは

NotebookLM Enterprise とは、Google の AI 技術を活用し、企業が情報を効率的に整理・管理・活用できるように設計されたツールです。ある特定の分野の資料群を与えることで、それらを基に質問に答えたり、要約を作成したりすることができます。

NotebookLM Enterprise の概要については、NotebookLM Enterprise を試してみた！機能紹介と Agentspace との連携 を参照してください。

音声概要

NotebookLM には、「音声概要」という、音声でデータソースの要約を生成することができる機能があります。

以前の記事の執筆時点では、英語のみの対応だったのですが、現在は日本語対応が実装されたので、改めてこちらの機能について踏み込んで紹介していきます。

今回使用するデータソースは、 Looker という BI ツールについての提案資料です。以下のような内容を社内向けに解説しています。

• Looker 概要、他の BI ツールとの違い
• Looker で解決できる課題（データの民主化）
• 機能紹介

この提案資料を NotebookLM に投入してノートブックを作成しました。その後、右側の [音声概要] メニューにある [生成] をクリックするだけで、5分ほど待つと音声概要を作成してくれます。

こちらが生成された音声となります。ぜひ聴いてみてください！

冒頭を文字起こししてみます。

いかがでしょうか。

実際の資料では、Looker の概要を説明した後に、Looker で解決できる課題について書かれているのですが、この音声では最初にデータ分析の課題を提示し、その後 Looker の説明に入る、という流れになっています。

単にテキストを読み上げているわけではなく、まるで専門家二人が対話しながら Looker について解説しているかのような、自然な会話形式に再構成されていることがわかります。 一人が質問し、もう一人がそれに答えるという形式を取ることで、複雑な内容も順を追って理解しやすくなっています。専門用語が出てきても、それを噛み砕いて説明するような流れが自然に組み込まれています。

このように、NotebookLM の音声概要は、ソースとなる資料を深く理解し、それを「対話」という形式で再構成することで、全く新しい情報インプットの形を提供してくれるのです。

音声概要の活用シナリオ

では、この音声概要機能は具体的にどのような場面で役立つのでしょうか。いくつかの活用シナリオを考えてみました。

移動時間や「ながら時間」の有効活用

通勤中やジムでのトレーニング中など、目で資料を読むことが難しい場面でも、スマートフォンから音声概要を聴くことで、インプットの時間に変えられます。数十ページに及ぶ資料の要点を、耳からインプットできるのは大きなメリットです。

会議前の事前情報共有

会議の参加者に対して、関連資料の音声概要を事前に共有しておくのはいかがでしょうか。参加者は会議のテーマや論点を短時間で把握でき、より密度の濃い議論からスタートすることができます。全員の前提知識を揃えるのに最適な方法です。

社内向けポッドキャストの簡単作成

新入社員向けの研修資料や、最新の業界動向レポートなどをソースに音声概要を生成すれば、社内向けのオリジナルポッドキャストが簡単に作成できます。専門的な内容も、対話形式なら親しみやすく、学習効果の向上が期待できます。

アクセシビリティの向上

活字を読むのが苦手な方や、視覚的なサポートを必要とする方々にとっても、音声で情報を得られることは大きな助けとなります。多様な働き方をサポートするツールとしても活用できるでしょう。

より良い音声概要を生成するためのヒント

最後に、精度の高い音声概要を生成するためのコツを紹介します。

音声概要を生成する際に、自然言語で指示を追加することで、会話のテーマや内容をカスタマイズできます。これにより、聞き手や目的に合わせて、さらに最適化された音声コンテンツを作成することが可能です。

実際に試してみましょう。

「音声解説」欄にある [カスタマイズ] というボタンから、音声概要がどのようなことをテーマに話してほしいか、指示を出すことができます。

ここでは、Looker の提案書についてビジネスパーソン向けの音声概要を作成してもらいたいので、以下の指示を入力しました。

5分ほど待つと、以下の音声概要が生成されました。

技術的な話は全くせず、Looker が生み出してくれるビジネス価値を強調して説明してくれていることがわかります。「売り上げや顧客数のようなビジネスで大事な指標の計算方法を信頼できる形で定義し、みんなが使えるようにすることができます」など、技術的な知識がなくてもわかりやすい言葉で、データガバナンスの強化について説明されています。

まとめ

NotebookLM Enterprise の音声概要機能は、静的なドキュメントを、動的で聴きやすい「対話型コンテンツ」へと生まれ変わらせる画期的な機能です。資料を読む時間がない多忙なビジネスパーソンにとって、新たな情報収集の選択肢となるのではないでしょうか。

さらに、音声解説のカスタマイズ機能によって、経営層向けにはビジネス価値を、技術者向けには詳細な仕様を、といったように聞く相手の属性に最適化された音声を作成できるので、より的確で効果的な情報伝達が可能になるでしょう。

情報を「読む」だけでなく「聴く」という体験を通じて、私たちの知識習得やコミュニケーションは、さらに豊かで効率的なものになっていくことが予想できます。皆さんもぜひ、NotebookLM の音声概要機能を試してみてください！