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2025年10月17日掲載
「会社でGoogle Workspace の便利なAI 機能が使えるようになったけど、社員のみんなが使う上で、情報漏洩とかプライバシーは大丈夫なのかな…?」
特に、AI (人工知能)と聞くと、「入力したデータが勝手に学習されて、他の会社に情報が漏れてしまったらどうしよう…」なんて心配になりますよね。
この記事では、そんな管理者さんの不安を解消するために、Google Workspace の生成AI 機能「Gemini (ジェミニ)」と、学習・調査ツール「NotebookLM 」が、皆さんの会社のデータをどのように大切に扱っているのか、その仕組みを分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、自信を持って社員の皆さんへ「安心して使ってくださいね!」と伝えられるようになるはずです。
まず、Google Workspace で使える主なAI 関連ツールとして、3つのサービスがあることを知っておくとスッキリします。
Gemini in Google Workspace: Gmail やGoogle ドキュメント、スプレッドシートなど、いつものアプリの中で文章作成を手伝ってくれたり、データを分析してくれたりする機能です。皆さんの業務に寄り添ってくれる、アプリ常駐のアシスタントのようなイメージですね。
Gemini アプリ: 「gemini.google.com」というウェブサイトやスマホアプリで、チャット形式で色々な質問に答えてくれる機能です。インターネットの情報を調べたり、アイデアを出してもらったり、まるで賢い相談相手のようです。
NotebookLM : アップロードした資料(ドキュメントやPDFなど)の内容に基づいて、AI が質問に答えたり、要約を作成したりしてくれる、あなた専用の学習・リサーチアシスタントです。
この記事では、これらすべてのツールについて、プライバシーの観点から解説していきますね。
注)本記事は法人向け Google Workspaceを対象としています。
難しい話の前に、Google が皆さん(ビジネスや教育機関のお客様)のデータに関して掲げている、とても大切な「3つの約束」を紹介します。これは、AI が登場するずっと前から変わらない、Google の基本的な考え方です。Gemini だけでなく、NotebookLM にも、もちろんこの約束は適用されます。
約束は分かったけれど、具体的にデータがどうなるのかは気になりますよね?もう少し詳しく見ていきましょう!
A1. いいえ、使われません!
これが最も多くの方が心配される点だと思います。Google は、お客様の許可なく、皆さんがGemini に入力した内容や、Gmail・ドキュメント、そしてNotebookLM にアップロードしたファイルの中身を、AI モデルのトレーニング(AI を賢くするための学習)に使用しないことを明確に約束しています。
A2. いいえ、操作している人が見る権限を持つデータしか見られません。
Gemini やNotebookLM は、あくまで「あなたのアシスタント」です。そのため、あなたがアクセスする権限を持っているファイルやメールしか見ることができません。例えば、経理部のAさんしか見られない給与ファイルについて、営業部のBさんがGemini に質問しても、Gemini はそのファイルの内容を見ることはできないので、答えることはできません。
A3. 使い方によって異なります。そして、それは管理者が設定できます!
ここが少しだけ複雑ですが、大切なポイントです。ツールごとに見ていきましょう。
プロダクト | データの種類 | 保持期間 |
|---|---|---|
Gemini in Google Workspace | プロンプトと回答 | 保持されない(セッション終了後に消去) |
Gemini アプリ | プロンプトと回答 | 管理者が設定可能(最大36か月、デフォルト18か月) |
NotebookLM | プロンプトと回答 | 保持されない(セッション終了後に消去) |
NotebookLM | アップロードしたファイルと作成したノート | ユーザーが削除するまで保持 |
Gemini in Google Workspace(Gmailやドキュメント内の機能)とNotebookLM の会話は、「その場限りのアシスタント」です。やり取りの履歴は保持されません。
Gemini アプリ(gemini.google.comなど)は、「会話の履歴を残せる相談役」。この履歴を保存するかどうか、期間などを管理者さんが設定できます。
NotebookLM にアップロードしたファイルは、ユーザー自身が削除するまで、そのユーザー専用のデータとして保存されます。もちろん、このファイルがAI の学習に使われることはありません。
もう少し詳しく見ていきましょう。内部処理がよくわからないからこその不安ってあると思います。ここが理解できればもう少しスッキリするのではないでしょうか?
実はどのような処理が行われているか公開されています。
引用元:The life of a prompt: Demystifying Gemini
プロンプトは4つの段階で処理されます
例)Google ドキュメントのサイドパネルで、Gemini に「第 3 四半期の売上実績の概要を作成してください」というプロンプトを入力したとします。
Gemini は、Google Workspace でアクセスできる関連コンテンツのみを取得します。これにより、プロンプトの意味を理解し、実際の事実に基づいた役立つ回答を提供できるようになります。この場合、Gemini は特定のメール、過去の営業プレゼンテーション、関連ドキュメントなどを参照する場合があります。
この情報とコンテキストはGemini モデルに渡されます。ただし、Gemini はこれを保存したり、モデルのトレーニングに使用したりすることはありません。Gemini セッションが終了すると、データは消去されます。
Gemini は、お客様の信頼境界内でお客様に合わせたレスポンスを返します。信頼境界とは、組織内外を問わずお客様がアクセスおよび共有できる情報を制御する仮想的な境界です。Gemini とのやり取りはすべてこの信頼境界内で行われます。
組織のセキュリティ、プライバシー、アクセス制御はすべて自動的に適用されます。これは、Gemini のレスポンスを Google ドキュメントに挿入するとすぐに適用されます。そのため、組織はデータの保存場所と処理場所を管理し、承認された関係者のみがデータにアクセスできるようにすることができます。
Google がデータを守ってくれる仕組みはバッチリですね。では、管理者・そして利用者として、さらに安心して使うためにできることはあるのでしょうか?
便利なツールだからこそ、みんなで賢く安全に使っていきたいですよね!
今日のポイントを3つにまとめます。
Google のAI は、会社のデータを勝手に学習に使いません。 これはGemini でもNotebookLM でも同じで、契約で固く約束されています。
AI が見られるのは、操作している人が見る権限を持つデータだけ。 他の人のデータが勝手に見られることはありません。
管理者として会話履歴の設定を確認できます。 また、NotebookLM のように新しいツールについては、自社のセキュリティ要件と照らし合わせることも大切です。
生成AI は、私たちの働き方を大きく変えてくれる可能性を秘めた素晴らしいツールです。プライバシーの仕組みを正しく理解して、ぜひ皆さんの会社の業務効率アップに役立ててくださいね。まずは、管理コンソールからGemini アプリやNotebookLM の設定を確認することから始めてみましょう!
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Google Workspace は、あらゆる業務に合わせて、全てのビジネス機能をそろえた統合ワークスペースです。お客さまのご利用に合わせたサポートとオプションをご用意しています。あらゆる働き方に対応する業務効率化を実現します。
Google Workspace をはじめとするさまざまなデータソースと接続し、プログラミング不要で迅速なアプリケーション開発を可能にします。
IDaas(Identity as a Service)サービスであり、企業向けデバイス管理(EMM)サービスです。Cloud Identity を利用することで、管理者は Google 管理コンソールからユーザー、アプリケーション、デバイスを一元管理することができます。
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