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2025年12月11日掲載
この記事は、ソフトバンクアドベントカレンダー2025の11日目の記事です。
皆さんは、自動車保険の更新、どうされていますか? 正直に告白しますが、私はこれまで完全に「思考停止」していました。
契約内容は、一番最初に担当者が提案してくれたものがベース。そこから車種や運転者を微修正するだけで、「保険の骨格」そのものを根本から見直したことは一度もなかったのです。
保険会社から届いた複雑な見積書。「プラン1」「プラン2」と並ぶ専門用語の羅列に、違いなんてわかりません。「まあ、去年も事故らなかったし…」と、結局一番安い「前年同等プラン」にハンコを押す。これが毎年のルーティンでした。
「本当にこれでいいのかな?」という小さな不安より、調べる面倒臭さが勝っていたのです。
ですが今年、見積書を眺めていてふと思いました。「そうだ、今年は手元にGeminiがいるじゃないか!」と。 「AIなら、この面倒な比較検討の相談に乗ってくれるのでは?」
そんな興味半分&軽い気持ちで相談してみたところ、返ってきたのは予想を遥かに超える「プロのコンサルティング」でした。これはもはや、単なるチャットボットではありません。
今回は、私がGeminiさん(思考モード:3 Pro)を使って保険を見直し、「あえて一番安いプランを選ばなかった」経緯と、そこから見えたビジネスにおけるAI活用の本質をシェアします。
まずやったことはシンプルです。保険会社から届いた見積もりのPDFファイルをGeminiにアップロードし、こんなプロンプト(指示文)を投げました。
【実際の見積】一部マスクしています
【実際のプロンプト】
あなたは自動車保険のコンサルタントです。
相談者からの質問に真摯に対応し質問者にとってベストな提案をしてあげることがあなたの仕事です。
添付の見積もりをもらいましたがどれがいいのかよくわかっていません。前年同等プランは一番安いプランでこれで十分ではと思っています。
差額に妥当性があるならプランの変更も良いと考えています。どれが最適ですか?
私はここで、あえて「一番安いプランで十分だと思っている」という本音を伝えました。
Geminiの回答は、私の想定を裏切るものでした。
「前年同等(プラン3)で十分と判断するのは危険です」 と断言してきたのです。
理由は「レンタカー費用特約」でした。
これまでのプランについていた「日額5,000円」では、今の物価高騰したレンタカー相場ではまともな車が借りられず、事故時に自己負担が発生するリスクが高い、と指摘されました。「2,000円アップして7,000円にする価値はある」という論理的な分析です。
この時点で「なるほど、ちゃんと中身を見てくれているな」と信頼感が芽生えました。
とはいえ、心のどこかに「所詮AI」という気持ちがあったのも事実です。この指摘の妥当性を確かめるべく、会社の同僚にファクトチェックとして尋ねてみました。やはり、「今の物価高では5,000円でまともな車を借りるのは難しい」とのこと。私自身、レンタカーを手配した経験がなく相場感が全くわかっていなかったため、このGeminiによる「現場の感覚に基づいた正しいアドバイス」の重みを痛感しました。
完敗です。。。(笑)
加えてこの体験を通し、保険担当者の方が当初からこのリスクを見越して提案してくださっていたことにも改めて感謝の念を抱きました。
Geminiはさらに、プラン2(保険会社のドラレコ付き)とプラン1(補償充実)のどちらが良いか判断するために、私にこう質問しました。
「現在のお車には、すでにドライブレコーダーは設置されていますでしょうか?」
私が「Amazonで買ったものがついている」と答えると、Geminiの態度は一変。
「それならプラン2は不要です。機能が重複してコストの無駄です。ベストな選択は『プラン1』です」
と、明確に言い切りました。
保険会社のドラレコプランを勧めるのではなく、「私の手持ち資産(Amazonドラレコ)」を考慮して、最もコスパが良い選択肢を提示してくれたのです。
ここからがGeminiの本領発揮でした。
プラン1が良いと言われても、やはり保険料は上がります。私はビジネスマンとしての習性か、つい「本当にその投資対効果はあるのか?」と意地悪な質問を繰り返しました。
私の心の声(たった2500円だけど、無駄金は払いたくない…)
これに対するGeminiの回答が秀逸でした。
「迷わずプラン1にすべきです。この2,500円は極めてコスパが良い投資です。もし事故で修理に2週間かかった時、日額5,000円の契約だと自己負担が28,000円発生する可能性があります。年額2,500円のコストは、たった2日分のレンタカー差額で元が取れます」
「元が取れる」という数字に基づいた説得。これで完全に腹落ちしました。
私はさらに食い下がりました。「人身傷害補償を下げたら安くなるのでは?」と。するとGeminiは、私の「週末ドライバー」という属性を理解した上で、こう返しました。
「人身傷害を下げても、安くなるのは数百円程度(缶ジュース数本分)です。それなら、万が一の大事故に備えて1,000万円の上乗せがあるプラン1のままの方が、圧倒的にお得です」
「安くしたい」という私の要望を受け止めつつ、「それは意味のないコストカットです」とプロとして制止してくれたのです。
※こちらは実際確認したら 数百円どころか数十円の世界でした。これを聞いたら減らす理由はないですよね?
最後に不安になって「逆に7,000円で足りるのか?」と聞いた時も、Geminiは冷静でした。
「週末利用・年間5,000kmなら、7,000円で十分です。増額は推奨しません。10,000円が必要なのは、どうしても高級車や特定のミニバンが必要な人だけ。今のあなたにこれ以上の課金は『過剰』です」
「上げるべきところは上げろ」「不要なところは不要」。
このメリハリのあるアドバイス。完全に信頼できるコンサルタントのそれでした。
最終的に、私はGeminiが推奨した「プラン1」で契約しました。
前年より保険料は上がりましたが、以前のような「よくわからないけど安いから」というモヤモヤは一切ありません。
これらが完全にクリアになった状態での契約は非常に清々しいものでした。
今回の体験で感じたのは、Gemini(特に思考能力の高いモデル)は、単なる「検索AI」や「要約AI」ではないということです。
ビジネスの現場でも、私たちは日々「選択」を迫られます。
そんな時、Geminiは「忖度のないセカンドオピニオン」をくれる最強のパートナーになります。
こちらの曖昧な要望(安くしたい、でも安心したい)を汲み取り、前提条件(週末しか乗らない、ドラレコはある)を整理し、時には「それはおすすめしません」と却下してくれる。
Google Workspace に搭載されているGeminiは、社内の機密情報(今回の場合は個人的な見積書)をセキュアな環境で扱えるため、こうした「深い相談」をするのに最適です。
皆さんも、もし「判断に迷うこと」や「よくわからないけど決めないといけないこと」があれば、一度Geminiに「あなたはプロのコンサルタントです」と役割を与えて相談してみてはいかがでしょうか?
きっと、自分一人ではたどり着けなかった「納得のいく答え」を導き出してくれるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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