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この記事は、ソフトバンク アドベントカレンダー 2025に参加しています。11日目の記事です。
Gemini アプリのカスタム Gem を活用し、定型業務の効率化を図っている方も多いかと思います。特定の役割や知識ファイルを事前に設定できるカスタム Gem は、RAG のような役割も果たせる便利なツールです。(参考:Gems 機能を使ってGemini アプリをさらに活用しよう!)
しかし、Gem が素晴らしい回答を作成してくれたとしても、「その回答をコピーしてチャットに貼る」といった作業は手動のまま残ってはいないでしょうか?
本記事では、Google が提供するノーコード自動化ツール「Google Workspace Studio 」とカスタム Gem を組み合わせることで、こうした一連の業務フロー全体を自動化し、効率化の相乗効果を生み出す方法を紹介します。
※今回紹介しているエージェントはアルファ版にて作成しました。今後の開発状況により、仕様や挙動が変更される可能性があります。
Google Workspace Studio は、Google が提供する新しいノーコード業務自動化ツールです。アルファ版としてリリースされていた「Google Workspace Flows」が、「Google Workspace Studio」と名称を改め、一般提供が開始されました!
これまで、Google Workspace での自動化にはGoogle Apps Script (GAS )によるコード記述が必要でしたが、Workspace Studio を利用することで、プログラミングの知識がないユーザーでも業務の自動化を実現できるようになりました。
詳しくは、下記ブログ記事をご参照ください。
社内の問い合わせ対応における工数削減を目的とし、以下の自動化エージェントをWorkspace Studio で構築しました。「Ask a Gem 」というアクションを追加することでWorkspace Studio とGem を組み合わせることができます。
このエージェントでは、新規問い合わせがフォームで届くと、カスタムGem が回答案を作成し、AI が優先度と担当部署を判定します。その後、これらの情報を含んだメッセージがChat に自動投稿されます。
ステップ2:Ask a Gem
利用したいGem を選択し、回答案を作成してもらうようプロンプトを入力します。
今回利用するカスタム Gem には、よくある質問に関する FAQ ドキュメントを知識として追加しています。これにより、精度の高い回答案を自動生成します。
ステップ3:Extract 機能
Extract 機能を利用し、「Priority(優先度)」と「Department(担当部署)」項目を判定します。執筆時点では、日本語未対応のため項目名は英語で記述する必要がありますが、分析対象となる内容やプロンプトは日本語で問題なく動作します。
プロンプト例:お問い合わせ内容と回答希望日から「低」「中」「高」で優先度を分類してください。
ステップ4,5:メッセージ投稿
Chat にメッセージを投稿します。前ステップで取得した情報を利用してメッセージテンプレートを作成します。
【参考】Post in a space と Notify me in Chat の挙動の違い
どちらもChat にメッセージが投稿されるアクションですが以下のような違いがあります。
項目 | Post in a space | Notify me in Chat |
投稿者 | エージェント作成者 | Workspace Studio アプリ |
投稿先 | 指定したスペース | アプリとの個人チャット |
共有 | スペースにメンバーを追加することで可能 | アプリチャットへのユーザー追加やアプリのチャットへの追加が不可のため共有不可 |
用途 | 複数人での利用(多数利用向け) | 個人での利用(個人利用向け) |
「社内システムにログインできない」という問い合わせを行い、実際にエージェントを動作させてみます。
※ フォームへの追加からエージェントの実行・通知までには数分の時差が発生します。
フォーム追加後、エージェントのActivity を確認すると、Gem によって知識ファイルに基づいた適切な回答案が作成され、Extract 機能により、優先度が「高」、担当部署が「情報システム部門」と判定されたことがわかります。
Activity 詳細
Chat への投稿も期待通りに行われました。
■ Post in a space(スペースへの投稿)
■ Notify me in Chat(アプリからの投稿)
【参考】知識ファイルにない問い合わせをした場合
Gemは知識ファイルに基づいた回答を作成するよう設定されており、知識ファイルにない問い合わせに対しては「知識ファイルに該当する情報が見つかりませんでした」と応答するように指示されています。
Activity を見ると、知識ファイルに存在しない「共有スペースのコーヒー」に関する質問には、「知識ファイルに該当する情報が見つかりませんでした」という期待通りの回答が返され、Extract機能による優先度判定は「低」となりました。
カスタムGem のRAG 機能とWorkspace Studio の自動化を組み合わせることで、本記事で紹介した社内問い合わせ対応の自動化をはじめ、業務効率化における相乗効果が期待できます。
記述したステップに続けて回答をメール送信するなど、Workspace Studio には他にも様々なアクションがあるため、普段工数がかかっている業務で簡単に自動化できる可能性があります。
「自動化できるかもしれない」と感じている業務があれば、ぜひ本記事を参考に試してみてください。
明日のアドベントカレンダーもおたのしみに!
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