【新プラン解説】Google Workspace AI拡張アクセス /Ultraアクセスの比較|上限・注意点を整理

2026年2月12日掲載

Google Workspace

Google Workspaceに新しく登場したAIの拡張プランとして、「AI Expanded Access」「AI Ultra Access」という2つのアドオンが発表されました。

AI Ultra Accessは以前、 Google AI Ultra for Business と呼ばれていたものですが一部仕様が変わっています。

標準プランでもAIが使える一方で、どこが増え、どこが増えないのか(あるいは“できると思っていたができない”のか)が分かりにくく、導入後にトラブルになりやすい領域です。

購入したのに回数制限で業務が止まる、逆に不要な高額プランを契約してしまう――こうした事態を避けるために、本記事では公開情報と調査内容をもとに、プランごとの具体的な数値(上限)を中心に整理しました。切り口は「全体(制作/自動化/開発ツール)」「NotebookLM」「Geminiアプリ」の3つです。

はじめに(想定読者)

本記事は「Google WorkspaceのAIを使用したいが、プラン差分や制限が把握しづらい」「現在Google Workspaceを利用中だが、アドオンが本当に必要か判断できない」という方を主な読者として想定しています。

注)本記事は一般公開情報並びに筆者の調査による内容をもとに作成しています。

目次

1.  【前提】アドオンを追加できるプラン

AIアドオンは、すべてのWorkspaceプランに追加できるわけではありません。まずここが前提条件です。

  • アドオンを追加できるプラン:Business Standard / Plus、Enterprise Standard / Plus
  • アドオンを追加できないプラン:Business Starter、Enterprise Starter、教育用、非営利団体用 など

※Business Starterの場合、アドオン検討以前に、まず本体をStandard以上へアップグレードする必要があります。


2. 【比較表その1】全体・クリエイティブ・開発ツール(制作/自動化/エージェント/開発)

ここでは、動画制作・画像生成・業務自動化など、主に「作る/回す」機能の制限を扱います。数値は原則として1ユーザーあたりの上限です。上位ライセンスほど回数が増える傾向があります。上限が月単位と日単位で設定されているものがあるという点は非常に注意してください。

特に業務インパクトが大きそうな点(補足)

  • Slides/VidsでのNano Banana Pro(画像生成):これまで回数制限が明示されていなかった領域で、アドオンなしの場合に月間30回と明記された点は変更として大きいと考えています(特にスライド作成で多用していたユーザーは影響が出やすいと考えています)。
  • スプレッドシートのAI関数今回、回数制限が設けられた点は注視ポイントです(現時点で具体回数は未開示、今後プランに応じた段階設定になる可能性が示唆されています)。
  • Workspace Studio:個人の補助用途であれば標準で足りるケースがあり得る一方、定常業務に組み込む場合はアドオン検討が必要になり得ます。
  • Business Starterユーザー:今は使用できるが近い将来制限が引き下げられることが示唆されている機能があります。これらについては業務影響の有無を慎重に見極める必要がありそうです。

比較表(全体・制作/自動化/開発ツール)

AI機能

Business Starter(標準)

Business Standard以上(標準)

AI Expanded Access(アドオン)

AI Ultra Access(アドオン)

Vidsでのアバター生成*

月25回**(期間限定)

月25回

月100回

月500回

Vidsでの動画生成*

月50回**(期間限定)

月50回

月200回

月500回

Slides/VidsでのNano Banana Pro(画像生成)*

月3回

月30回

月300回

月1,000回

スプレッドシートのAI関数*

制限は近日公開予定

制限は近日公開予定

制限は近日公開予定

制限は近日公開予定

Workspace Studio†(フロー実行)

月100回

月400回

月2,000回

月10,000回

PDFの音声概要

アクセス不可

1日20回

1日40回

1日200回

Flow(クレジット)

月50クレジット

月1,000クレジット

月2,000クレジット

月25,000クレジット(Flow+Whisk合計)

Whisk

アクセス不可

アクセス不可

アクセス不可

(表記あり:合計クレジット枠で利用)

Project Mariner

アクセス不可

アクセス不可

アクセス不可

最高レベルのアクセス

Antigravity

低アクセス

低アクセス

低アクセス

最高レベルのアクセス

Gemini CLI

低アクセス

低アクセス

低アクセス

最高レベルのアクセス

Gemini Code Assist

低アクセス

低アクセス

低アクセス

最高レベルのアクセス

* 制限の適用は2026年3月1日から開始。
** Business Starterユーザーは、少なくとも2026年5月31日までは、Google Vidsの生成AI機能に期間限定でフルアクセス可能。
† Business StarterのVids機能に関する制限適用開始は2026年4月1日。

【検討のポイント】標準でどこまで「粘れる」か

比較表を見ると特に昨今のNano Banana Pro ニーズでアドオン需要が高まるように思えますが、すべてのユーザーに高額なライセンスが必要なわけではありません。例えば、月に数回スライドを整える程度の利用なら、標準の月間30回枠とGeminiアプリの1日 100回枠を併用することで「粘れる」でしょう。

一方で、クリエイティブ部門のようにリテイクが前提の現場では、1日1枚の生成制限は実質的な業務停止を意味します。この「標準プランで足りない人々」が自社のどこにいるのかを見極めることと適切な回数の見極めによるアドオンの選定が、無駄なコスト投下を防ぐ第一歩になります。


3. 【比較表その2】NotebookLM(調査・整理ツール)

NotebookLMは、PDFや資料を読み込ませて「自分だけの専門AI」を作る用途を想定したツールです。上位プランほど件数上限が増えるだけでなく、利用できるモデルの“アクセスレベル”も変わるため、出力品質・安定性に影響し得ます。

比較表(NotebookLM)

項目

Business Starter(標準)

Business Standard以上(標準)

AI Expanded Access(アドオン)

AI Ultra Access(アドオン

ノートブック

100/ユーザー

500/ユーザー

500/ユーザー

500/ユーザー

1ノートあたりのソース数

50

300

400

600

チャット(1日あたり)

50件

500件

1,000件

5,000件

オーディオ概要(1日あたり)

3回

20回

40回

200件

ビデオ概要(1日あたり)

3回

20回

40回

200回

Deep Research

月10回

1日20回

1日30回

1日200件

Gemini Model

Access to Gemini models

Higher access to Gemini models

Higher access to Gemini models

Highest access to Gemini models

 

【地雷ポイント】「300ソース」の壁と利用モデル

NotebookLMの「300ソース」は一見十分に見えますが、プロジェクトのリサーチが進むと意外なほど早期に到達します。上限を理由にUltraモデルを検討されていたお客様にとっては、「AI Expanded Access」の登場により、Ultraに比べて安価に導入できるアップグレードの選択肢が増えることになります。アウトプットの品質向上(=より高性能なモデルの利用)も同時に検討される場合は、Ultraが選択肢となります。

表にまとめた数値はあくまで目安です。実際の現場では、プロンプトの質やリテイク回数によって、この上限が「余裕」に見えることもあれば「絶望的」に足りなく感じることもあるかもしれません。判断に迷う場合は、コストインパクト面からも、筆者としてはまずは「AI Expanded Access」で様子を見ることを推奨します。


4. 【比較表その3】Geminiアプリ(チャットAI)

ここは日常的な利用影響が最も出やすい領域です。回数の違いに加えて、AI Ultra Accessでは動画生成で使用できるモデルが異なります。

比較表(Geminiアプリ)

項目

Business Starter(標準)

Business Standard以上(標準)

AI Expanded Access(アドオン)

AI Ultra Access(アドオン)

プロンプト実行上限(Pro)

標準(変動あり)

100回/日

200回/日

500回/日

Thinking(思考)プロンプト

標準(変動あり)

300回/日

600回/日

1,500回/日

Deep Research(報告書作成)

5回/月

20回/日

30回/日

120回/日

Deep Think(深層思考)

利用不可

利用不可

利用不可

10回/日

画像生成

(Nano Banana Pro)

3回/日

100回/日

200回/日

1,000回/日

動画生成

利用不可

3本/日(Veo 3.1 Fast preview)

3本/日(Veo 3.1 Fast preview)

5本/日(Veo 3.1 preview)


5.  導入後に「想定と違った」となりやすい3つの地雷(機能の境界線)

数字の整理以上に、情シスとして注視すべきは「どこまでが標準で、どこからがアドオンか」「アドオンでもUltraだけの領域はどこか」という境界線です。

地雷1:Meet音声翻訳の「字幕」と「音声」は別物

「Meetで翻訳ができる」と一括りにすると齟齬が起きます。

  • 標準機能:字幕の翻訳(自分が読む)は可能。
  • アドオン主軸での検討:自分の声をリアルタイム翻訳して相手に届けるリアルタイム音声翻訳(Speech Translation)には回数制限がかかる可能性が高い(詳細は今後発表予定)。公式ブログでは、「ビジネス プランとエンタープライズ プランでは、音声翻訳の上限引き上げをプロモーションとして継続中」 (機械翻訳)となっている。

海外拠点との会議を「英語が話せなくても成立させたい」という期待値で導入する場合、標準プランでは期待に届かない可能性があります。

地雷2:NotebookLM「50 / 300ソース」の壁

標準プランのソース上限(50/300)は、リサーチや資料整理が本格化すると早期に上限へ到達しやすい傾向があります。
現場に「資料を全部入れて」と伝えたあとで追加不可エラーが出ると、クレーム窓口は情シスに寄りやすいです。規模感次第では、初手からExpanded 以上を選ぶあるいは不足が生じた際に対応しやすくするために予算として余力を持っておくほうが安全なケースがあります。

地雷3:「アドオン=全機能解放」ではない(Ultra専用がある)

アドオンを入れても、すべてが同じではありません。原則は上位プランほど利用回数が増える というものですが上位アドオンでしか利用できない機能があります。

  • Deep Think:複雑な推論を行う機能はUltra限定。
  • Project Mariner:ブラウザ操作を代行する次世代エージェント機能は、Ultraにのみ「最高レベルのアクセス権」。高度な技術者集団やクリエイティブ部門がターゲットの場合、Expandedだと「物足りない」と言われるリスクがあります。

6.  既存利用者向け:注意点とスケジュール(いつから何が変わるか)

すでにGoogle Workspaceを利用している場合、いつから制限が本適用されるかを押さえる必要があります。

① 制限はいつから適用される?

  • AI機能の本格的な利用制限は、原則として2026年3月1日から開始。それまでは「プロモーション期間」として、上限を超えて使える場合がある。
  • Business StarterのVids機能: 2026年4月1日から制限開始だが、少なくとも2026年5月31日までは全機能にアクセス可能。

② セキュリティの落とし穴(“コア”と“追加/Labs”で扱いが変わり得る)

  • コアサービス(Gemini, NotebookLM):学習に使われない位置づけ。
  • 追加サービス・Labs(Flow, Whisk, Project Mariner):学習に使われる可能性があり、会社の高度な管理機能が効かない場合がある、という注意が記載されています。機密情報を入力しないよう、社内へ周知が必要です。

まとめ: プラン見極めの3つのポイント

  • 「まずは標準で十分」か:毎日200回もAIとチャットしないのであれば、標準プラン(Standard以上)に含まれるAI機能で足りるケースがあります。
  • ヘビーユーザーにはExpandedで様子見:スライドでの画像生成やNotebookLMへの大量投入など、AIを仕事の相棒にしているユーザーがいるならExpandedが候補になります。
  • 最高峰を求めるならUltra:回数上限の大きさ(例:チャット500回/日、自動化1万回/月など)と、AIを徹底的に使い倒す前提ならUltraが検討対象です。

「どのプランが最適か」は利用頻度・利用機能・NotebookLMに投入する資料の複雑さによって変わります。状況次第では「標準で粘れる」「Expandedが安全」「Ultraは必須/過剰」など判断が分かれるため、利用像を並べて判断する時間が必要になることがあります。

AI活用の切り口でのライセンス選定においてはベースライセンスだけではなく、アドオンライセンスも含めて検討する必要がございます。ご不明な点がございましたら是非ご相談ください。


おまけ)Google Workspace AI 導入・プラン選定ヒアリングシート(サンプル) 

本リストは、現状の標準AIで十分か、あるいは「AI Expanded / Ultra Access」へのアップグレードが必要かを判断するためのものとして判断ポイントとなりそうなものを列挙しました。

1. 業務ボリュームの確認(リソース上限の判定)

AIの利用頻度について、該当するものにチェックしてください。

  • 動画生成(Vids):月に4本以上、本格的なプレゼン動画や研修動画を作成する予定がある。
  • 画像生成(Slides/Vids):資料作成において、月に30回以上AIによる画像生成を利用したい。”このスライドの見栄えをよくする”を多用。
  • NotebookLM:1つのプロジェクトで、50個を超える参照資料(PDF、URL等)を整理・分析する必要がある。
  • Gemini アプリ:1日100回以上のやり取りが発生する「ヘビーユーザー」が部署内に存在する。

2. 必須機能の確認(地雷回避ポイント)

「これができないと導入の意味がない」という機能はありますか?

  • Deep Think(深層思考):プログラムのデバッグや高度な戦略立案など、AIに「じっくり考えさせる」ステップが不可欠。
  • Deep Research:定期的に10ページを超えるような詳細リサーチレポートをAIに自動作成させたい。
  • NotebookLM音声オーバービュー:1日1回以上、資料の音声まとめ(Audio Overview)を生成して聴く習慣がある。
  • Googleスライドの画像生成:月間30枚(リテイク込み)のスライドを作りたい。
  • Google Workspace Studio(現在展開中):AIエージェント機能をよりしっかり使いたい。
  • Meetの音声翻訳(現在展開中):Meetで「自分の話す言葉」をリアルタイムで相手の言語に翻訳して伝えたい(※字幕翻訳だけでは不十分)。

3. セキュリティと活用の優先順位

管理上のリスクと利便性のバランスについて、現場の意向を確認します。

  • 最先端ツールの試用:多少の学習リスク(Labs機能)を許容してでも、Flow/Whisk/Project Mariner等の最新エージェント機能を早期に業務へ取り入れたい。
  • 業務の継続性:「混雑時にAIの反応が遅くなる・制限がかかる」ことで業務が止まるのは許容できない(=回数保証が必要)。

参考(公式ドキュメント)

本文中に記載されている内容は下記を元にしております。

*執筆時現在では日本語の翻訳とずれがあるため英語版リンクを指定しています。


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