【Copilot】LLM によるデータ学習で機密情報漏洩しないために知っておくべきこと

2026年3月5日掲載

PowerPoint でMicrosoft Copilot for Microsoft 365 を試してみた

こんにちは、クラウドエンジニアの須藤です。 

本記事では、Copilot で利用されている大規模言語モデル(LLM)による入力データの再利用について解説します。

私は仕事柄、Microsoft 365 に関する問い合わせを、社内の営業担当者や営業支援担当者から受けることがあります。その中でも特に多いのが、次のような質問です。

「Microsoft 365 Copilot のライセンスを持っていないユーザーが Copilot を利用するとデータは LLM に学習されちゃうよね?」

ざっくりとした答えとしては、「ライセンスの有無は直接のポイントではなく、使用する Copilot の種類を間違えると、入力したデータが基礎 LLM の学習に利用される恐れがある」です。

ここで、Copilot には複数の種類があることに気づいた方もいるかもしれません。

一方で、ここまでの内容が少し分かりづらいと感じた方もいると思います。

本記事は、Copilot を日常的に利用していない方にも理解していただけるよう、Microsoft 365 環境を前提にしながら、Copilot の種類とデータの扱いについて整理して説明していきます。 

※本記事では、Copilot シリーズのうち検索・ブラウザー起点で利用される「Copilot Search(検索起点の Copilot)」を中心に取り上げます。また、執筆時点 (2026年2月) の情報を基に作成しています。また、Microsoft 365 Copilot は SaaS サービスであるのでアップデートによって機能や動作が変更される可能性がございますのでご注意ください。

目次

この記事では
  • Copilot で利用されている大規模言語モデル(LLM)による入力データの再利用について解説します
  • 「Copilot に入力したデータが学習されるか不安」「どんな場合に学習される?されない?」という方に向けて書いています

そもそもなぜこんな疑問が出てくるのか??

この疑問が生まれやすい背景には、“Copilot は1種類ではない” という点があります。実は、Microsoft 社が提供する Copilot には複数の提供形態があり、どの Copilot を使っているかによって、データの扱い(基礎LLM にデータが学習される可能性があるか否か)が異なります。

以降、本記事では入力データが基礎 LLM の学習に利用される可能性があるのかを、順を追って解説します。まず、Copilot の種類から見ていきましょう。

Copilot の種類

実はユーザーが利用できる Microsoft が提供している Copilot サービス(Copilot Search 系)の種類は以下の画像のように2種類あります。

Microsoft 365 Copilot Microsoft Copilot まったく別のサービスです。

Microsoft 365 Copilot は企業や法人向け専用の Copilot で、Microsoft 365 に搭載されている AI ツールのことを指します。こちらの Copilot を利用すれば入力データ等は基礎 LLM の学習には使用されません。

Microsoft 365 Copilot では、業務データや入力内容が基礎 LLM の学習に利用されない設計が採用されています。企業内のデータはテナント境界で保護され、基礎 LLM の改善や第三者への提供には使われません。

こちらのサービスは、Microsoft 365 Copilot のライセンスを割り与えられていなくても、ユーザーは Microsoft 365 Copilot の一部機能 (Microsoft 365 Copilot Chat や Microsoft 365 アプリ内での Copilot など) を使うことができます。

Microsoft Copilot は個人利用向けの Copilot でこちらは個人で所有する Microsoft アカウント等で利用が可能ですし、アカウントでログインしなくても利用が可能です。しかしこちらの Copilot を利用すると、LLM の学習にデータが利用される可能性があります。

これで結論は出たのですが、せっかくブログで取り上げたので、それぞれのサービスの内容や違いなどについて説明したいと思います。

Microsoft 365 Copilot

 Microsoft 365 Copilot とは先ほど紹介した通り、ユーザーの業務をサポートする Microsoft 365 専用の AI ツールのことを指します。

ユーザーに Microsoft 365 Copilot ライセンスを割り当てられていようがいまいが、Microsoft 365 Copilot を利用すれば基礎 LLM の学習にデータは利用されません。

以下は Microsoft 365 Copilot の一部機能である Microsoft 365 Copilot Chat の画面です。

ちなみに、以下のサービスを利用しているユーザーには Microsoft 365 Copilot のライセンスを割り与えていません。

赤枠の「このチャットにはエンタープライズデータ保護が適用されます」という表示が出ると思いますが、まさにこれが基礎 LLM にデータが学習されないことを示唆する内容です。

Microsoft 365 Copilot のライセンスを割り与えているユーザーにも同様の表示が出現します。

Microsoft Copilot

こちらのサービスは、Microsoft Copilot と呼ばれる一般の個人向けに Microsoft 社が提供している無料で利用できる Copilot です。Microsoft 365 Copilot とは異なり、企業向けではなく、個人向けの Copilot サービスとなります。

こちらのサービスに入力したデータは LLM の学習に使用される可能性がありますので、誤ってデータを入力しない、そもそも組織のデータを利用した業務を利用する際には使用しないように注意することが必要です。

こちらは Microsoft アカウント※1 や Google アカウントでログイン※2して使用します。

※1:Microsoft アカウントとは個人用に使用するもので、Outlook.com、Xbox、Skype などのサービスにアクセスするためのものです。組織のアカウントは、ビジネス向けにMicrosoft 365を使用する組織用です。違いについては Microsoft アカウントと職場または学校アカウントの違いは何ですか? をご覧ください。

※2:ログインしなくても、Microsoft Copilot の利用は可能です。

以下、Microsoft アカウントで Microsoft Copilot にログインした際の画面になります。

組織のデータや機密データを Copilot と共に扱う場合は、こちらのサービスを使用しないように注意しましょう。

2つのサービスの違いを見分けるには??

Microsoft 365 Copilot と Microsoft Copilot はまったくの別サービスですが、両者とも画面等似ていますし、間違えて組織のデータを Microsoft Copilot の方に入力してしまうなんてことも考えられます。

もし不安な時は、「組織のアカウントでログインできているかをチェックしましょう!」です。

Microsoft 365 Copilot 自体、組織・法人向けの Microsoft 365 というサービスの中での Copilot を利用するプランですので、Microsoft 365 Copilot は組織のアカウントでしか利用できないようになっています。

Microsoft 365 Copilot を利用している UI からアカウント情報を確認して、そのアカウントが組織から提供されているものかを確認してみましょう。

以下の画面の赤枠の「View account」をクリックします。

「View account」クリック後に、[マイアカウント] > [組織] から自身が利用しているアカウント情報の確認ができます。

ここで組織のアカウントを利用できているかを確認することができるので、不安な方は一度チェックしていただくことをお勧めします。

逆に Microsoft Copilot (基礎 LLM にデータを学習される可能性がある) は、組織アカウントでは利用することができません。組織のアカウントで Microsoft 365 Copilot を利用できているかをユーザー個人で確認するリテラシーが大切になってくると思いますので、安全に Copilot を利用するためにもチェックしていただくことをお勧めいたします。

まとめ

今回は Copilot で利用されている大規模言語モデル(LLM)による入力データの再利用について紹介しました。

「Microsoft 365 Copilot のライセンスを持っていないユーザーが Copilot を利用するとデータは LLM に学習されちゃうよね?」という問いに対しての答えは以下となります。

①Microsoft 365 Copilot ライセンスの有無にかかわらず、組織のアカウントでログインして利用する Microsoft 365 Copilot は基礎 LLM への学習にデータは使用されません。

②コンシューマー版に用意されている Microsoft Copilot を利用してしまうと、基礎 LLM の学習にデータが使用されてしまう恐れがあります。

結論:組織のデータや機密データを扱う際は、必ず組織のアカウントにログインしたうえで Microsoft 365 Copilot  を利用してください。

組織のアカウントでログインしているかチェックすることや、使用するサービスを間違えないといったユーザー1人1人のリテラシーに関わる部分が大切になります。

正しい理解をしたうえで、普段の業務に Copilot を取り入れていただければと思います。

「Copilot に入力したデータが学習されるか不安」「どんな場合に学習される?されない?」という方々に、この記事が参考になれば幸いです。

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