お客さま
東急不動産ホールディングス株式会社
従業員規模
5,001人以上
業種
不動産・住宅
東急不動産ホールディングス株式会社は、長期経営計画の一環としてDXに取り組んでいます。継続的な働き方の変革やクラウドサービスの活用に対応するため、次期ITインフラを検討。SASEソリューションであるクラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks®を導入することで、境界型のセキュリティ対策からゼロトラストを取り入れた対策へ移行し、リモートアクセスのキャパシティ不足の懸念解消やグループ企業間通信も実現しました。
「グループのDXを加速させていくためには、従来の境界型のセキュリティではなく、次世代型のセキュリティネットワークの基盤を作らねばならないと考えていました」
東急不動産ホールディングス株式会社 グループDX推進部ITインフラ企画グループ
グループリーダー 愛川洋一 氏
100社以上のグループ会社で構成され、オフィスや商業施設など都市開発事業や、再生エネルギーや物流施設などの戦略投資事業、ホテルや建物などの管理運営事業、仲介などの不動産流通事業などに取り組んでいる東急不動産ホールディングスのグループ。
2021年に長期経営方針を発表し「環境経営」と「DX」を二本の柱として掲げ、グループを上げてDXを推進している中でITインフラ面で課題があったと、ネットワークやデータセンター、クラウド、グループウェアなどグループ約3万人が利用するITインフラの企画運用を行うグループDX推進部ITインフラ企画グループ グループリーダーの愛川氏は言いました。
「ITインフラは動いて当たり前というところがあるので、安定性を重視して業務に取り組んでいます。2020年の新型コロナウイルス感染症の流行ではテレワーク環境が逼迫したため、初回の緊急事態宣言から4カ月で環境の増強を行いました。しかし、今後もワークスタイルの変化は続いていくことが予測されたため、テレワークやクラウドサービスの利用増加を想定した抜本的な対策が必要と考えていました。
また、同じ時期に中期や長期経営計画を考える際に、当社のグループのDXを加速させていくためには、従来の境界型のセキュリティではなく、次世代型のセキュリティネットワークの基盤を作らねばならないと考えていました」(愛川氏)
コロナ禍前は紙をなくすためにクラウドサービスを利用する程度であったものの、働き方の変化もありクラウドサービスをファーストチョイスとして利用を進めている東急不動産ホールディングスでは、多くのグループ会社を抱えていることもあり、さまざまなクラウドアプリケーションが使われています。また、IaaS活用も進み、今まで社内ネットワーク内にあったシステムやデータが社外に出る形が増えている中で、従来の境界型セキュリティで守っていくことにも難しさを感じていました。
そのような中で、同社はSASEソリューションとして、クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks® (以下、クラウドファイアウォール)を選定。閉域ネットワークサービスであるSmartVPNを利用したハイブリット構成にすることで、多くの拠点はSmartVPNから、一部の大規模拠点やリモートアクセスでは直接クラウドファイアウォールを経由してインターネットにつながるようになり、PCなどの端末が拠点にあるかないかに関わらず、さまざまな通信をクラウドファイアウォールによって統一して管理しています。
「物理型のリモートアクセスゲートウェイからクラウド化したことで、接続数のキャパシティを心配することがなくなったというのが一番大きな点かなと思っています」(愛川氏)
多種多様なSASEソリューションがある中で クラウドファイアウォールを選定した理由は、100社超のグループ会社があり企業間やオフィス間で通信機会が多くあったため、拠点間通信への対応可否が非常に重要であったと愛川氏。また、クラウドファイアウォールに加えて、IdPで認証を行い通信の保護も実施していると述べました。
クラウドファイアウォール powered by Palo Alto Networks® サービス概要
東急不動産ホールディングスではSASEでは検知することが難しい端末の不正な操作を監視する内部不正対策として、Proofpoint ITMも導入しています。
「今までは、各社が導入しているツールや資産管理ソフトのログを取っておき、何かあったときにログを調べるという形が多かったのですが、Proofpoint ITMを導入することにより、危険な操作を能動的に感知してすぐに対応できるようになった点が今までと変わりました」(愛川氏)
SoftBank World 2024 講演の様子(Proofpoint ITM概要)
グループ100社以上3万人が接続する、大規模なITインフラの刷新に成功した東急不動産ホールディングス。非常に多くの人を巻き込んで進めなければならないプロジェクトでしたが、成功の秘訣が2つあったようです。
「一つは、プロジェクトの目的や目標を明確にしたことです。プロジェクトメンバーが同じゴールをイメージ共有しやすいように、まずゼロトラストについて勉強を始めました。当初は経営層もゼロトラストという言葉は知っているものの、詳しくは分からないという状況があったため、まずは理解を統一するところから始めました。プロジェクトは3年ほどかけて行っていたため、長期になると途中で製品導入ばかりに目が向き目的が曖昧になりがちですが、目的に立ち返ることで最後まで進められたと思っています。
もう一つは、リスクに対して十分な準備をすることです。クラウドファイアウォールへ移行する際に想定される事象については、あらかじめ回避策を準備して移行に臨みました。しかし、ネットワーク切り替え時には、想定外のことも発生し対応に苦慮した事象もありましたが、予想外の事象が起こってもリソースが割けるように、事前にリスクに対する十分な準備を行っていたため対応できました」(愛川氏)
大規模なITインフラの刷新を行ったことで、あらゆるクライアント(端末)からセキュアにサービス接続できるようになった同社。次はもう一つのEdgeともいえるIaaSやSaaSのセキュリティ対策を強化していきたいと述べました。
エンドポイントやクラウド型ゲートウェイの対策を押さえつつ、セキュリティITインフラ環境の整備をより盤石にしていき、東急不動産ホールディングスの長期経営方針の柱の一つであるDX推進へと突き進んでいきます。
※本事例記事は、2024年10月に開催した SoftBank World 2024 講演を再編集しています。
お話を伺った方
東急不動産ホールディングス株式会社 グループDX推進部ITインフラ企画グループ
グループリーダー 愛川洋一 氏
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