株式会社アトレ様 Gemini SE伴走支援導入事例

2025.9
SE伴走支援と独自のメンター戦略によってAI定着率95%を実現し、駅ビルDXを加速

株式会社アトレ Gemini SE伴走支援 導入事例

お客さま
株式会社アトレ

業種
不動産

エリア
首都圏

従業員規模
101~500人

概要

都内を中心に駅ビルの開発・運営を手掛ける株式会社アトレ(以下、アトレ)は、「今いる一人ひとりの力」で事業の一層の拡大を進めるために、生成AI「Gemini」の活用を決定。その際、ソフトバンクのGemini SE伴走支援や、独自のAI活用戦略“AIメンター”という思想のもと、利用率95%という驚異的な浸透率を達成しました。さまざまな職種でAIを強力なパートナーとすることによって、業務効率化だけでなく、本来「人」が打ち込むべき仕事に専念することができるようになり、DXを推進しています。

導入前の課題

生成AIへの知見がないことや、ITツールに対する苦手意識などで、DX化が進まない状況だった。

導入後の効果

SE伴走支援によるワークショップの開催やAIメンター戦略によって活用アイデアが次々と生まれ、DXへの足がかりとなった。

導入前の課題

煩雑な事務作業に追われ、本来注力すべきショップとのコミュニケーションや企画業務に時間を割けずにいた。

導入後の効果

Gemini の活用により業務効率化が進み、打ち込みたい業務に集中する時間が増えた。


目次


株式会社アトレ 三瓶 賢哉 氏

「AIの活用戦略を進める中で、SE伴走支援により現場の課題解決に直結する多くのアイデアが生まれ、活用の幅が広がりました。利用率95%を実現し今後のDX加速に大きな弾みとなっています」

株式会社アトレ
総合企画部 三瓶 賢哉 氏

事業内容について

JR東日本グループの一員として、駅を拠点としたショッピングセンターの開発・運営を行っているアトレは、それぞれの地域の特性に合わせたショップの誘致、館(やかた)と呼んでいる各施設の空間デザイン、演出を手掛ける商業デベロッパーです。

生成AIの定着化プロジェクトを推進する三瓶氏と、今回のGemini SE伴走支援における研修モニターとして初期からプロジェクトに参加し、普段の業務でもGemini を活用している佐藤氏にお話をうかがいました。

「総合企画部に所属し、社内マーケティングを中心に経営課題や各店舗の課題分析を行っており、社内の中期経営計画や事業計画の策定にも携わっています。また、『VISION2030』の一環としてのプロジェクト推進やDX領域にも関与しており、最近では生成AIの社内活用定着化プロジェクトのリーダーとして、研修や勉強会の企画・運営などを担当しています」(三瓶氏)
※アトレが2030年にむけて取り組むビジネスプラン

「アトレ大井町の営業部に所属し、館内プロモーションやフェア、イベントの企画・実施を担当しています。地域連携も業務の一つで、近隣施設とのコラボ企画や地域イベントへの参加も行っています。また、担当エリアのショップを支援するエリアマネージャーとして、ショップとコミュニケーションを取りながらJRE POINT会員データの分析結果を活用し、売り上げやサービス向上の提案を行っています」(佐藤氏)

地域に根ざした事業展開を行う同社。今後のビジョンについてもお話いただきました。

「弊社は設立40周年を迎える2030年に向け、4つのビジョンを抱いています。『街や地域の価値向上・課題解決』『既存SC事業のさらなる成長』『事業領域の拡大』『組織・ヒトづくり』という4つを”ありたい姿”として掲げ中期経営計画を策定しています」(三瓶氏)

サービス導入前の課題

今後、中野、板橋、浜松町での大規模な新規開発や松戸での増床といった計画が進むなど、事業が拡大フェーズにある同社ですが事業拡大における課題があったと三瓶氏は振り返ります。

「少人数体制で、これまで以上のアウトプットを出していくこと、今いる”一人ひとりの力”で事業拡大を実現することがポイントでした。労働力は変えずとも施設を増やして活性化させ、事業規模を大きくするという会社のビジョンがあった中で、より効率的な働き方を目指していかなくてはいけないという課題がありました」(三瓶氏)

もともとGoogle Workspace(以下、GWS)を利用していたという同社では、その利活用においても課題があったようです。

「弊社ではこれまで、デジタルツールの活用において最適化の余地があると感じていました。既存のGWSの機能も十分に引き出しきれていない部分があり、新しいツールを導入する際には比較的慎重に受け止める風土がありました」(三瓶氏)

そんな中、ソフトバンクから「Gemini SE伴走支援」の提案を受け、検討を進めることになりました。

「もともと社内のデータ活用支援をソフトバンクさんにお願いしていた経緯があり、当社のデータ基盤や業務に理解があるという安心感がありました。その上で、今回のSE伴走支援では、生成AIの活用に必要な技術的な知見や現場定着に向けた具体的なノウハウを一気通貫で支援いただけるという提案は、単なる研修にとどまらず、実務への落とし込みまで伴走してもらえる部分に大きな魅力を感じました」(三瓶氏)

そうして同社は2025年4月よりGemini を全社展開し、生成AI活用を定着化するための戦略を開始しました。

ソフトバンクの支援内容とAI定着効果

Gemini 展開後、導入からわずか2カ月半で利用率は80%を超え、現在(7月末時点)では95%に達しています。その背景には、ソフトバンクのSE伴走支援と、アトレ独自のAIメンター戦略という両輪の取り組みがあります。

ソフトバンクのSE伴走支援では、現場の課題をテーマにした実践型のワークショップを展開。その1つ「Gemini 活用アイデアソン」では、ソフトバンク SEの専門的視点が加わることで、社内だけでは得られないアイデアや現場課題解決策がたくさん生まれたといいます。研修は初めてAIに触れる社員も安心して学べる場として対面形式で行われました。

「研修後のアンケートでも、『困ったときにすぐフォローしてもらえた』『想像以上に実務に結びついた』という声が多く寄せられました。Gemini の操作だけでなくNotebookLMなど関連ツールも紹介いただき、“こういう使い方もあるんだ”という発見を持ち帰る社員も多かったです」(三瓶氏)
※AIを搭載したGoogle社の情報整理ツール

SEがその場で疑問を解消することで、実務への応用が一気に進み、信頼性も高まったと話します。

「毎回同じ担当者が伴走してくださったので、とても安心感がありました。質問がしやすい雰囲気で、研修中疑問に感じたことはすぐに解決することができました」(佐藤氏)

AIメンター戦略や定着化へのさまざまな取り組み

Gemini SE伴走支援の活用に加え、社内独自の施策として 「AIメンター戦略」 を進めた同社。これは社員一人ひとりが楽しみながらAI活用に挑戦できる取り組みです。

「活用状況を見える化するために独自に開発したステータスボードが、利用率向上を後押ししています。Gemini の利用日数、扱うデータ量、使いこなし方を基準に習熟度をスコア化し、段階別に習熟度を可視化しています」(三瓶氏)

ゲーム感覚で自身のスコアアップを目指せるという仕組み。その効果を教えていただきました。

「10段階中、レベル6以上を『エキスパート』と認定しており、現在は全体の67%がエキスパートに到達しています。自分の成長度合いが数字やランクで見えることで、さらに上を目指そうというモチベーションが生まれます。最近では若手社員を中心に、自分の業務に合わせた専用のAIアシスタントを自ら作れるようになり、大きな変化を感じています」(三瓶氏)

ITツールへの苦手意識を払拭する工夫についてはいかがでしょうか?

「5月からは“プチ勉強会”を毎週開催し、本社内の各部と25の館からさまざまな職種の社員が参加しています。実際の活用事例を現場の社員自身が共有することで、『自分でもできそう』という実感が広がり、定着に大きくつながっています」(三瓶氏)

株式会社アトレ 佐藤 可菜 氏

「Gemini をイベント企画などに活用しています。これまで行っていた作業を大幅に効率化でき、本来打ち込みたい業務に集中できる時間が生れました」

株式会社アトレ
大井町店 佐藤 可菜 氏

現場でも業務改善の効果が明確に表れています。営業部に所属する佐藤氏は、プロモーション企画やイベント設計でGemini を活用することで、業務効率が大きく向上したと語ります。 

「アトレではさまざまなイベントを企画していますが、その企画のたたき台を考えるときにGemini で壁打ちしてアイデアをもらう活用をしています。自分では思いつかなかった視点が得られますし、ターゲットや背景を伝えると、それを踏まえた提案をしてくれるので、企画の精度が上がりました」(佐藤氏) 

アンケートの集約や自由記述の要約、会員データの分析など、定量的な業務にも活用が広がっていることについても語りました。 

「以前は手作業で行っていたJRE POINT会員分析レポートの確認も、Gemini を使えば短時間で完了します。例えばこれまで、20店舗分のリポート確認とショップへ伝える事項の考察にはかなりの時間を要していましたが、今ではその時間を巡回やショップとのコミュニケーション、次の販促企画の検討に回せるようになりました。業務効率化と、本来の業務に割ける時間ができたことを実感しています」(佐藤氏) 

「以前は新たなツールは難しそうという声も少なくありませんでしたが、“思ったより簡単”という気づきが利用拡大につながっています。今は、AIに任せられることは任せて、人がやるべきことに集中するという意識が少しずつ浸透してきています」(三瓶氏)

 

今後の展望

お二人に、AI活用における今後の展望についてお話いただきました。

「今年度中に社員全員がGemini を当たり前に使える状態を目指します。4月の導入時に行った社内アンケートを再度実施し、理解度や活用度の変化を確認する予定です。その先は、“AIメンター”という思想を体現できる人材を増やし、全社的な活用力を高めていきたいと考えています」(三瓶氏)

さらに、今後はマネジメント層にも対象を広げ、経営判断や業務設計にAIを活用できる土台づくりを進めたいとも語りました。

「現場だけでなく、管理職や中間層にも理解と活用を広げ、全社的にAIを使いこなせる体制を整えたいです。最終的には、お客さまに対してより便利で魅力的な体験を提供できるよう、AIを活用して価値を広げていきたいと考えています」(三瓶氏)

「別の館や部署に異動し業務が変わっても、そのときの自分に合ったGemini運用を探っていきたいです。また、ただ操作をこなすのではなく、自分の経験や商業デベロッパーとしての思いを大切にしながらAIを上手に使える人材になり、アトレを訪れるお客さまに素敵な体験価値を与えていきたいです」(佐藤氏)

ソフトバンクとの連携を軸に、アトレはAI活用による業務効率化と生産性向上を着実に進めています。Gemini の活用は、単なるツール利用にとどまらず、人が本来注力すべき業務に集中できる環境づくりの起点となりました。

高い活用浸透率を支えるのは、現場の声を共有する場、成長を見える化する仕組み、そして伴走支援による継続的な後押しです。今後も活用の幅を広げ、駅ビルを拠点とした新たな価値創造を加速していくでしょう。

※所属部署は取材当時のものになります

お話をうかがった方

株式会社アトレ 三瓶 賢哉 氏

株式会社アトレ
総合企画部 三瓶 賢哉 氏

株式会社アトレ 佐藤 可菜 氏

株式会社アトレ
大井町店 営業部 営業課 佐藤 可菜 氏

こちらから資料をダウンロードしていただけます。

本事例での導入サービス

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