日本での5Gの商用化は、2020年3月から開始されました。
5Gのサービス概要についてさまざまなメディアで紹介されるなど、いよいよ5G時代が始まる感がありますが、実際にいつからどこで5Gサービスを利用できるのか、どのようなサービスやコンテンツが提供されるのか、把握できているでしょうか?
ここでは、5Gサービスがいつからどのような形でスタートしたのか、国や企業がサービス展開に向けてどのような取り組みをしているのかについて紹介します。
日本国内の5Gサービスは全国で一斉にスタートというわけではなく段階的なスタートになりますが、2020年3月から都市部を中心とした一部のエリアでサービスが開始されました。ソフトバンクでは2022年3月末までに人口カバー率90%達成を目標としてインフラ整備を進めていく、としています。
5Gサービスを利用するためには、5Gに対応した端末が必要です。4Gのみに対応したスマートフォンがそのまま5Gとして利用できるというわけではありません。
ソフトバンクでは、2020年3月27日に5Gに対応したスマートフォン(4機種)が発売されました。
5Gサービス展開に向けて、さまざまな団体や企業が取り組みを進めています。ここでは、現在の日本国内の取り組みについて解説します。
5Gの環境整備はソフトバンクをはじめとした大手通信事業者が進めていますが、その大本の規格作りや調整は総務省にて行われています。具体的には5Gの環境整備に関する以下の内容となります。
研究開発
5Gの要素技術の研究や開発を推進
国際連携・協力
5Gの早期実現に向けて諸外国との連携や協力を強化
周波数の割り当てや技術的な整備
早期に通信事業者ごとに周波数の割り当てを行い、周波数ごとの技術的な条件を策定
韓国では2019年4月に5Gサービスの運用が始まりました。その韓国では2025年までに実感型コンテンツ、スマートファクトリー、自律走行、スマートシティ、デジタルヘルスケアの分野で社会実装を目指しています。また、そのために政府横断型で優先的に公共投資されることも決まっています。
このように、5Gの導入は政府が進める取り組みにも大きな影響を与えていくと言われています。日本でも、モビリティサービスの進化や橋梁・建物などのインフラ監視、救急車と現場や医療機関をつなぐ救急医療システムの分野などで5Gの技術が活用されていくでしょう。
5Gサービスを提供する大手通信会社にて、それぞれサービス展開に向けた取り組みが行われています。
ソフトバンクは、2020年3月27日に5Gの商用サービスを開始しました。さらに2021年12月の人口カバー率90%の達成に向けて、基地局の整備やセキュリティ対策、端末との接続試験などに取り組んでいます。
5Gサービスの発展には、関連する技術やサービスが重要と言われています。
よく取り上げられているロボットの遠隔操作やVRコンテンツの配信、スポーツ中継などに加えて、警備サービスやスマートシティの進化に貢献するとされています。実際、さまざまな分野でサービス実用化への取り組みが行われています。
5Gサービスは、その技術仕様の標準化およびインフラやコンテンツがそろい次第徐々に拡張されていく見込みなので、2020年の段階ではまだサービスのスタート地点という位置づけです。その中で、サービス開始時期から5Gのメリットが実感できるサービスを紹介します。
eスポーツをはじめとしたネットワークゲームが非常に注目を集めていますが、ネットワークゲームは5Gの「高速・大容量」「低遅延」が生かされるコンテンツのひとつです。
低遅延性により、遅延によるトラブルやストレスが解消されることに加え、大容量の高速通信を生かして動画ストリーミング配信の映像を用いるといったクラウドゲームの展開が予想されています。また、動きが滑らかで高画質な映像という点でも高速通信の技術が活用されます。
高速で大容量のデータ処理ができる点を生かした臨場感のあるスポーツやコンサート中継の配信が可能になります。先に5Gサービスを開始した韓国でも、コンサート中継が最も人気のあるコンテンツのひとつとなっています。
映像技術としては、すでに4Kや8Kでのコンテンツ作成が実現しているので、テレビやライブビューイングなどの大画面を使用した中継コンテンツも充実していく可能性があります。
VR・AR技術の活用も5Gのスタートにより可能性が大きく高まると期待されています。
例えば、スポーツ・コンサート中継の臨場感あるVRコンテンツの提供や、観光地の位置情報に合わせて歴史や文化を深堀りできるARコンテンツの提供などが想定されます。
5Gサービスは当初から全国でスタートするわけではなく、徐々にサービス提供エリアが拡大されていくことになります。また、現在さまざまなメディアで取り上げられている5Gを活用したソリューションが最初からすべて実現されるというわけでもありません。しかし、5Gの特長を最大限に生かしたサービスやコンテンツが増えることは確実だと考えられます。
5Gが商用化された今、サービス展開に向けて日本政府も積極的に推進しており、企業でもさまざまな取り組みが急ピッチで進められています。今後、5Gに対応したモバイル端末やIoT機器などが続々と登場してくることでしょう。
サービスのメリットを生かせるよう、今後の5G関連の情報にぜひ注目してください。