5Gでは、これまでの20倍もの高速・大容量通信が可能になると言われており、その特長を生かした使われ方が想定されています。それは、これまでのスマートフォンの使い方とはどう違うのでしょうか? 5Gに対応したスマートフォンになると何ができるのか、5Gスマホで生活はどう変わっていくのかをご紹介します。
5Gスマホとは「5Gの通信規格に対応し、5G規格の基地局とデータのやりとりができるスマートフォン」のことです。
5G規格の基地局と通信するためには、5Gに対応しているチップセットを搭載していなくてはなりません。これまでのスマートフォンに搭載しているチップセットでは、4Gまでにしか対応していないためです。つまり、5Gを利用するためには、5Gに対応するスマートフォンを用意する必要があります。
5Gスマホでは、ビジネスでもプライベートでも、これまでのスマートフォンではできなかったことがいろいろできるようになります。
3D CADのスムーズな操作
MEC(Multi Access Edge Computing)を活用することで、3D CADの閲覧や編集といったデータ量の大きなファイルの操作もスマートフォンからスムーズに行うことができるようになります。
MECは、ネットワークエッジを利用したコンピューティングです。ネットワークエッジとは、ネットワークの末端で、よりユーザに近い場所を指します。ネットワークエッジでデータの処理のような操作を行うことで、クラウドで行うよりも遅延を減らし、リアルタイムな処理が可能です。その結果、3D CADもスムーズに操作できるのです。
働き方改革の促進
高速・大容量通信を生かした大きなファイルの送信だけでなく、低遅延を生かしたテレビ電話での会議もスムーズに行うことが可能です。ネットワークを経由した会議でも、大きな不便はありません。4K・8Kの映像で、細かい図面や動画なども簡単に共有できます。実際に会わずとも顔を合わせたような打ち合わせが可能となり、リモートワークや在宅勤務、時短勤務の割合が増えて、働き方改革の促進につながると考えられています。
音楽ライブ
5GスマホをVRゴーグルにセットすることで、遠隔地からVRでライブを視聴することが可能です。VRで会場のあちこちに視点を切り替え、自宅でも大人数で同時に同じライブを楽しんでいるような、より臨場感にあふれた楽しみ方ができます。
スポーツ観戦
音楽ライブと同じように、スポーツ観戦のスタイルも大きく変わるでしょう。スタジアムのさまざまな角度からのVR映像に切り替えたり、チームや選手についての情報をARで閲覧したりすることが可能です。それによって、よりエキサイティングなスポーツ観戦ができます。
VRやARを利用したコンテンツ閲覧
VRやARを利用したコンテンツも、ストレスなく楽しむことができます。ライブやスポーツ、ゲーム、映像作品などさまざまなものが提供されるでしょう。5Gの高速・大容量通信と低遅延により、自分の動きと映像にタイムラグを起こりにくくすることが可能です。このタイムラグをなくすことは、VR酔いを減らすことにもつながります。
混雑した場所でも安定した通信が可能
4Gでは、イベント会場や混雑する観光地など人がたくさんいる場所ではスマートフォンがなかなかつながらないこともありました。メッセージアプリやメールは通信可能でも、Webページや動画は読み込みに時間がかかり、タイムアウトのエラーが出ることもあったでしょう。
5Gでは、人がたくさんいる場所でもほかの場所と同じようにスムーズにネットワークを使うことができます。動画のような大容量のコンテンツもストレスなくダウンロード可能です。
クラウドゲーム
クラウドベースのゲームもスマートフォンでタイムラグなく楽しむことができます。クラウドゲームはゲーム機本体が不要で、スマートフォンやタブレット端末、PCなどがあればプレーできるのが大きなメリットです。通信環境が進化することでどのユーザもストレスなく楽しむことができれば、市場は大きく広がるでしょう。
5Gのサービスは2020年3月から開始されましたが、日本全国で同時に提供されるわけではありません。まずは都市部を中心にスタートし、徐々に全国へと展開される計画となっています。
ソフトバンクは、2021年12月までに人口カバー率90%の達成を目指して5G基地局の整備を進める計画です。
5Gスマホでは、4Gまでの機能が大きく拡張されることで、ネットワークをストレスなく使うことができるようになるでしょう。そこで、これまでに無い製品やサービスが登場することも期待されています。5Gの普及に合わせて、より快適で便利になる5Gスマホの利用も浸透していくことでしょう。