ソフトバンクグループで自然エネルギー事業などを行うSBエナジー株式会社(以下「SBエナジー」)が、三井物産株式会社、株式会社京セラソーラーコーポレーションと共同で設立した特定目的会社である泉大津ソーラーパーク株式会社は、2014年7月17日より「ソフトバンク泉大津ソーラーパーク」の営業運転を開始しました。今回は「ソフトバンク泉大津ソーラーパーク」の企画・開発を担当したSBエナジー 国内事業本部 事業推進部の勝田 洋平に、運転開始までの経緯について話を聞きました。
現在の業務を担当するに至る経緯、また業務内容についてお聞かせください。
勝田: 祖父が橋梁設計を手掛けていた影響で、子どものころからインフラ開発事業に興味を持っていました。SBエナジーに入社する以前は、証券会社にて不動産開発の証券化アレンジメントや不動産投資運用の仕事をしていました。
SBエナジーの事業モデルは、発電設備に適した土地を見つけ、地域住民や地権者の方と交渉を重ねながら開発していくのですが、その過程が、実は不動産開発事業ととても似ています。そこで、もともと興味のあったインフラ開発事業の分野で、不動産金融商品開発の経験を生かせるのではと思い、SBエナジーに入社しました。
入社後は、土地を探すところから、開発、運転開始までの一連のプロセスを所管する事業推進部門に配属となり、今回の「ソフトバンク泉大津ソーラーパーク」の運転開始に携わりました。
「ソフトバンク泉大津ソーラーパーク」について、簡単に教えてください。
勝田: 「ソフトバンク泉大津ソーラーパーク」は、大阪府が所有する大阪府泉大津市夕凪町内の約25万ヘクタールの土地に建設されました。出力規模は約19.6MW、年間予想発電量は一般家庭5,700世帯分の年間電力消費量に相当する約2,068万9,000kWhを見込むメガソーラー発電所となります。これは2014年8月現在、大阪府内で最大のメガソーラー発電所となります。
なぜこの土地に大規模なメガソーラー発電所を建設することになったのでしょうか。
勝田: この土地は、大阪府が所有する産業廃棄物の埋め立て地でした。法律により表面利用しかできなかったため、ビルの建設など、地中を掘るような工事は一切できません。そのため、土地を利用するめどが立っていませんでした。しかし、「メガソーラー発電の設備ならば」ということで、大阪府が一般競争入札を実施し、2012年8月にSBエナジーが落札しました。そしてプロジェクトに関わるいくつかの課題を解決した後、2013年7月より工事を開始し、このたびの運転開始に至りました。
稼働に至るまで苦労した点はありますか。
勝田: 一般競争入札のため、賃貸借契約の条件交渉が認められない。大阪府の公有財産規則により、貸付期間に制約があるなどの課題が存在し、なかなか着工することができず、結果的に納期も遅れるという負のスパイラルに陥ってしまいましたが、担当部署だけではなく、取締役や法務部・開発部・プロジェクト部・調達部などの関係部署が直接交渉に参加することで、早期解決に至りました。
今後の抱負についてお聞かせください。
勝田: 開発事業では事業を進める過程で、許認可や資金調達などさまざまなリスクが顕在化してくるため、常に「進むか」「撤退するか」という二者択一の判断をする必要があります。このような大きな決断を求められる場合は、社内外を問わず広く関係者の見識を集めるのが早道です。今後も、自然エネルギー普及を目指す各方面の皆さまとの連携を深め、私たち自身の経験値も上げていきたいと考えています。そして、SBエナジーの資源を最大限に活用し、自然エネルギー発電所の建設と運営を推進してまいりたいと思います。
(掲載日:2014年8月21日)