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地下鉄でも携帯電話が使えるヒミツ、知ってますか?

本日、6月16日は横須賀線(JR東日本)の開業記念日。
電車に乗っていて、今まで携帯電話が使えなかったのに、急に電波が入るようになって驚いた、なんていう経験ありませんか? 実は、横須賀線の東京駅から品川駅間の地下トンネルで、今年の4月から携帯電話が利用できるようになったんですよ。

地下鉄やトンネル内でも携帯電話が使えることが当たり前になりましたが、意外と知らない携帯電話がつながるヒミツに迫ってみたいと思います。

実はとても重要なんです! 地下・トンネルの電波対策

屋外や建物の中、地下やトンネルであっても、通信環境の整備という意味では同じこと。
でも、閉ざされた空間である地下やトンネル内で携帯電話が使えることには、大きな意義があるんです! それはズバリ、「非常時や災害時の連絡手段の確保」。もちろん、日常の利便性も向上するけど、安心・安全のために必要な通信環境の整備ってことなんです。
各社が我先にと競争して個別に交渉・設置を行えば、鉄道会社など施設事業者側の負担だけが増して対策までに時間や手間がかかってしまうので、地下・トンネルなどでは、各社が連携して、携帯電話サービスの提供を行っているんですよ。

地下鉄構内で基地局なんて見たことないな

地下鉄は、文字通り地下の遮られた空間なので、屋外にあるような大きな基地局は設置できません。でも実は、よく見てみるとさまざまな工夫を凝らし、ひっそり・こっそりと設置されています。地下鉄やトンネルなどをご利用の際は、ぜひ見つけてみてくださいね!

地下・トンネル内で使われる基地局は、設置場所の特徴により工法を使い分けて設置されています。

  • 吹き込み方式(長さが短いトンネルなど)

    トンネルの出入り口近辺に、無線設備やアンテナなどを設置して、トンネル内に電波を吹き込みます。

  • 光中継方式:漏えい同軸ケーブル工法(地下鉄などの駅間)

    漏えいと言われると大丈夫なの? と思いそうですが、一定間隔で電波を放出する窓(スリット)の空いたケーブルを設置し、そのスリットから電波を“あえて”漏らすことで、長く張られた1本のケーブル全体をアンテナにする工法。

  • 光中継方式:アンテナ工法(地下鉄などのホームや、地下街など)

    各携帯電話事業者の基地局設備から共用設備を経由して、地下空間、トンネル内などに設置された光ケーブルの先に、アンテナを一定距離ごとに設置し、連続したエリアを構築。

地下鉄ならではの苦労とは?

基地局設置に携わる皆さんに、地下・トンネル工事ならではの苦労を聞いてみたところ、「地下・トンネル工事は時間との勝負」とのこと。

地下鉄などのトンネル区間で工事が行えるのは、終電後から始発までのわずかな時間。当然、鉄道会社の保守点検や工事も同じ時間帯で行われるので、運行の妨げにならないよう限られた時間の中でのスケジュール調整が必要になります。そのため、少しずつしか進められず工事が長期化してしまうことも。

そして、資材の搬入にも一苦労。地上の車両基地から搬入出用の専用車両に資材を積み込むのですが、設置場所が遠い場合には片道で数十分以上かかり、実際の作業時間が1時間程度しかとれないこともあるそうです。また、携帯電話の普及より前から使用されているトンネルが多く、トンネル幅や他設備の設置状況など通信設備の追加が難しい場合もあるので、鉄道・車両の安全運行上必要となる空間を確保しつつ通信設備の設置・設計を行わなくてはならないのもトンネル対策ならではの苦労ですね。

苦労が報われる瞬間

「やっぱり、お客さまが喜ばれている声に触れたときですね。」と、皆さん声をそろえます。

地下鉄で携帯電話使えることが当たり前になった今でも、まだサービスが提供されていない区間では、関係各所と協力して対策を行う日々。工事を終え、サービス提供開始となった区間について、TwitterやFacebook上などで「電波が入った!」「あれ? 使える!!」といったお客さまの声に触れると電波を届けられたことに大きな喜びを感じるのだとか。

これからもつながる場所をさらに増やしていくとともに、新たなサービスの提供や更なる品質改善を目指し頑張ってほしいですね。

なお、安心・快適に地下鉄をご利用いただけるよう車内では、携帯電話をマナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください。また、優先座席付近では、混雑時には電源をお切りいただくようお願いします。携帯電話のご利用マナーについて、ご協力をお願いします!

つながるスポット:
地下駅・地下駅間

(掲載日:2016年6月16日)