遠出をしなくても、都内で“いつもと一味違う休日”を楽しみたい。
ただ、どこに行っても人混みがすごいですよね。そんなときは、神社を参拝してみるのはいかがでしょうか。最近は女性を中心に参拝後の楽しみとして「御朱印(ごしゅいん)」を集める方が増えています。
御朱印とは、主に日本の寺院や神社で参拝者向けに押印される印章や印影のこと。美しいデザインの御朱印を授与する神社や寺院は少しずつ増えているのだとか。
Instagram(インスタグラム)の投稿数
Instagramには6月時点で、「#御朱印」のタグがついた写真が80万件以上投稿されています。
筆者もそんな御朱印に魅せられたひとり。神社めぐりで持ち歩いている御朱印帳は、6冊目に突入しました。参拝日時が記入されるので、見返して振り返ることができます。
そこで今回は、御朱印初心者でも楽に移動できるようにシェアサイクルを使った1日参拝プランを考えてみました。
シェアサイクル
街中に設置された自転車貸し出し拠点から、利用者がどこでも自転車を貸し出し・返却できるサービスです。運営は企業や自治体が中心。特に都市部や観光地の短距離移動手段として、国内外で利用が広がっています。
自転車は、シェアサイクルの「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」を利用
ソフトバンクグループの新規事業提案制度から生まれたシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」は、東京・神奈川・埼玉・栃木・静岡・愛知・兵庫・香川など、約80の市区町村で約3,000台の自転車を展開。
料金は地域や場所によって異なりますが、今回は15分で60円(1日なら1,000円)で利用。
神社1. 御朱印サイクリングスタートは、かわいい御朱印で人気の「戸越八幡神社」
スタート地点に選んだのは、東京・品川区の戸越八幡神社。最寄り駅は東京メトロ浅草線戸越駅や東急池上線戸越銀座駅から5分ほど歩いたところにあります。実はこの神社の境内に、「HELLO CYCLING」の自転車ステーションが設置されているのです。
戸越八幡神社は、誉田別尊(ほむたわけのみこと・応神天皇とも称される)を御祭神(ごさいじん)としておまつりしている神社です。そして、関東でも有数の長さを誇る戸越銀座商店街のある「戸越」という地名のはじまりと伝えられる場所でもあります。
緑が豊かな境内は、夏の暑い日でもひんやり。こうして一歩足を踏み入れるだけで小旅行したような気持ちになれるのは、筆者が神社に感じている魅力の一つでもあります。
境内にはなんとソファースポットがありました。正面に神様をのぞむこの席は、最高の癒やしスポット! 平日など境内がそんなに混み合っていないときは、参拝者にお茶とお菓子を出すこともあるそうです。
神社の温かい対応に、「おもてなしの心」を感じます。何かと忙しい日々を過ごしている方も、たまには神社でお茶を飲んでゆっくりしてみてはいかがでしょうか。
また、御朱印がかわいい神社としても人気。バリエーション豊かな御朱印は、日によって授与可能なものとそうでないもの、御朱印帳に記入可能な日とそうでない日があります。気になる方は参拝前に電話などで問い合わせてみましょう。
こちらでは3体の御朱印を授与いただきました。御朱印をいただくのにかかる初穂料(はつほりょう・神様にお供えするお金)は、300~500円。季節感のある御朱印がうれしいです。その時期や月の行事などに合わせて絵柄が変わる御朱印にもおもてなしの心を感じます。
戸越八幡神社
そしてお待ちかねのシェアサイクルステーションに到着。ここから自転車に乗って、次の神社に向かいます!
神社2. 地元で愛される白蛇さま! 「上神明天祖神社」
次の上神明天祖(かみしんめいてんそ)神社までの距離は約1.5km。自転車なら10分ほどで到着しました!
上神明天祖神社は、「蛇窪大明神(へびくぼだいみょうじん)」として親しまれている神社。主祭神の「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」をまつる本殿と、境内にある弁天社・稲荷社を合わせて、蛇窪大明神と呼ばれています。
3種類ある通常の御朱印から、今回は「上神明天祖神社」と「蛇窪大明神」の2種類をいただきました。いずれも初穂料は300円です。季節限定の御朱印もあります。
左側の「蛇窪大明神」の御朱印は、病気治癒・清浄な状態にする薬草を表す緑と、神様の格式の色である紫という鮮やかな色使いが特徴です。蛇と龍が向かい合う上には天照大御神を表す八咫の鏡(やたのかがみ)があり、その中に上神明天祖神社の御宝印が押されています。商売繁盛に加え、巳(身)が立つ=立身出世の護符として誕生しました。
境内には「撫で白蛇の像」が! 参拝者は自由にさわれます。上神明天祖神社と白蛇の関係は、鎌倉時代に地元の旧家・森谷氏の夢に白蛇が現れ、お告げをしたことに由来しているそう。
弁財天や稲荷社には、かわいい表情の龍や蛇、狐などのコンクリート像があります。材質の経年変化によって、どんどん柔らかく味わいのあるいい表情になってきたそうです。
上神明天祖神社
ランチは、「波登利(はとり)」でこだわりのサクサク天ぷらそばを
2社参拝しておなかもすいてきたので、上神明天祖神社の近くのそば処「波登利」でランチタイムを過ごすことにしました。こちらも自転車なら、わずか10分くらいで到着します。
その日に出す分だけ打つという波登利のそば。混み合うと、昼過ぎに麺が売り切れてしまう日もあるそうです。
今回、注文したのは「天ざるそば」(並1,000円)。天ぷらがサクサクでした。
こちらは、具だくさんな「冷やしたぬきうどん」(550円)。どちらのメニューもサラダ付きです。おかみさんの作るおそばとうどんで英気を養ったあとは、まだまだ自転車をこぎます! これで午後も頑張れそう。
波登利(はとり)
住所:〒142-0043 東京都品川区二葉3-14-9
電話:03-3781-7847
神社3. 1000年の歴史を持つ、桜もきれいな「旗岡八幡神社」
次の旗岡八幡神社(はたがおかはちまんじんじゃ)は、先ほどの波登利からは歩くと20分以上かかる場所。でも今回はシェアサイクルなので、約10分で到着しました。
本殿前の大きな桜の木は終戦直後に植えられたもので、樹齢は約80年。見頃になると、特に多くの方が参拝に訪れるそうです。
旗岡八幡神社の歴史は、約1000年前にさかのぼります。起源は、平安時代の「平忠常の乱(たいらのただつねのらん)」を治めるため、源頼信が八幡大神(はちまんおおかみ)に勝ち戦を祈ったことだそう。神社の周りの「旗岡(はたがおか)」や「旗の台」という地名も、源氏の白旗をなびかせた様子からきています。
神社に参拝することでその土地を深く知ることができるのも、御朱印集めの楽しみの一つなのです。
旗岡八幡神社でいただいたのは、クラシカルで筆跡が美しい御朱印。初穂料は300円。同じ神社でいただいても、書き手によっても御朱印の印象は大いに変わります。
旗岡八幡神社
神社4. 区内随一の見晴らしの良さを誇る「小山八幡神社」
最後に向かったのは、品川区内随一の見晴らしを誇る小山八幡神社(こやまはちまんじんじゃ)。標高35mの高台に位置しています。
小山八幡神社の周辺はとても坂が多いのですが、電動自転車だから立ちこぎをしなくてもスイスイ坂を上ることができます。この全能感がすごい……!
住宅街の中に現れたこんもりとした森のような佇まい! 神社前の階段は、映画やドラマの撮影にも使われたことのある名物スポットです。
小山八幡神社のご祭神は誉田別命。境内には荏原七福神(えばらしちふくじん)の大國天にあたる甲子神社(きのえねじんじゃ)と稲荷神社(いなりじんじゃ)があります。
そんな小山八幡神社でいただける御朱印は、「小山八幡神社」と境内社である「荏原七福神 大國天」の2種類。初穂料はともに300円。現在は、書置き(あらかじめ半紙に書いてあるもの)での授与となります。
小山八幡神社
鎮座地:〒142-0063 東京都品川区荏原7-5-14
電話:03-3783-0455
御朱印巡りを終えたら、駅近くのステーションに自転車を返却に
ここで、御朱印巡りはいったん終了です! 撮影をしながらゆっくり回った今回。トータル5時間ほどで、4社を訪ねることができました。
一日付き合ってくれた相棒(自転車)ともここでお別れ。その場で返却できる最寄りのステーションを検索します。
たどり着いたのは、武蔵小山駅近くの駐車場。ここに自転車を戻せば返却完了です!
小山八幡神社から7~8分で到着。最寄り駅までも徒歩3分なので、電車での帰宅もスムーズでした。
シェアサイクルと御朱印、相性がいいかも……?
本日いただいた御朱印は、この通り! 美しい御朱印を眺めていると、参拝した時の楽しい記憶もよみがえってきて、とっても癒されます。
道のりを振り返ってみると、坂も多い地域だったので、電動自転車はぴったりでした。これはいろんなエリアで楽しんでみたい! レンタル中に一時駐輪が可能なため、盗難の心配もありません。実際に使ってみると、借りるのも返すのも想像以上に簡単でした。
これだけ手軽なら、都内の神社参拝時の移動手段はもちろん、ちょっとしたお出掛けにも気軽に使えそうです。
今度の休日はシェアサイクルサービス「HELLO CYCLING」でお出かけしませんか?
「HELLO CYCLING」のシェアサイクルは、関東を中心に全国で、いつでもどこでも、お気軽にお使いいただけます。
「HELLO CYCLING」をアプリで試してみよう!
(掲載日:2018年7月11日)
文:井口エリ
編集:ノオト