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肺炎、インフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が大流行。パンデミックの恐れも…。あなたが取るべき行動は? -防災行動ガイド

肺炎、インフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が大流行。パンデミックの恐れも…。災害時の正しい対処法や予防術 -防災行動ガイド

新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなど、パンデミックは私たちにとって身近な脅威となりました。もしあなたが同じような状況に置かれたら、一体どうすればいいのでしょうか? 正しい知識とすぐにできる小さな行動が防災意識を高め、あなたとあなたの大切な人を救います。

今回は、感染症が大流行し、パンデミックの恐れもあるときの正しい対処法や予防術をご紹介。

この災害テーマのポイント

肺炎、インフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が大流行。パンデミックの恐れも…。災害時の正しい対処法や予防術 -防災行動ガイド

  1. 「パンデミック」が発生すると、生活が一変する
  2. 感染の疑いがあるときは、早急に相談窓口や医療機関へ
  3. こまめな手洗いと咳エチケットが予防の基本。普段からの体調管理も大切

肺炎、インフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が大流行。パンデミックの恐れも…。災害時の正しい対処法や予防術 -防災行動ガイド

この災害テーマのポイント

  1. 「パンデミック」が発生すると、生活が一変する
  2. 感染の疑いがあるときは、早急に相談窓口や医療機関へ
  3. こまめな手洗いと咳エチケットが予防の基本。普段からの体調管理も大切

目次

リスク:「パンデミック」となった新型コロナウイルス感染症。インフルエンザも毎年のように流行

新型コロナウイルス感染症や、日本でも毎年のように流行し、重症化すると死に至ることもあるインフルエンザなど、世界にはさまざまな感染症があります。飛行機で人々が外国に移動できる現代、世界のどこかで生まれたウイルスは、瞬く間に広がり「パンデミック(世界的な大流行)」を引き起こす可能性があるのです。

もし危険な新型ウイルスが世界で大流行した場合には、政府や自治体が飲食や移動に関する行動制限をかけることも想定されます。そうしたときには、経済的な損失が出たり、物流の停滞によって食料品・日用品の入手が困難になるなど、二次被害が出る恐れもあります。

重症化の恐れがある人は、特に注意

高齢者や基礎疾患がある人は、一般的にウイルスに感染すると重症化したり合併症を引き起こしたりしやすいとされています。以下の持病がある人は、特に入念な感染対策を心がけましょう

  • 慢性の呼吸器の病気
  • 慢性の心臓病や高血圧など
  • 慢性の腎臓病
  • 慢性の肝臓病(肝硬変など)
  • インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病 または 他の病気を併発している糖尿病
  • 免疫抑制剤や抗がん剤などを服用する病気

さらに、妊婦や乳幼児なども、感染症の種類によっては重症化しやすい場合があるとされています。

対処法:感染の疑いがある場合は、感染症の種類や症状の重さに応じて適切な対応を

肺炎、インフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が大流行。パンデミックの恐れも…。災害時の正しい対処法や予防術 -防災行動ガイド

例① 新型ウイルスによる感染症(新型コロナウイルス感染症、新型インフルエンザなど)

新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザなど、かつては知られていなかった感染症にかかったときの対処法は、主に次の2つに分かれます。

  • 国内の患者が少ない段階で、新型ウイルスによる症状が見られた場合
    → 自治体の相談窓口に問い合わせ、指定された医療機関で診察を受ける
  • 国内に多数の感染者が出てきた段階で、新型ウイルスによる症状が見られた場合
    → 一般の医療機関で診察を受ける
  • 基本的には上記の流れですが、そのときの状況に応じて政府や自治体の方針に従ってください

例② インフルエンザ

一般的な風邪の症状とあわせて、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れた場合は、インフルエンザの可能性が。早急に医師の診断を受け、適切な処置を仰いでください。インフルエンザの感染力はとても強力なため、特に発症から3日間は、できるだけ他の家族と離れて静養することが大切です。また、重症になりやすい高齢者や乳幼児などには、なるべく接触しないようにしましょう。

主に小児・未成年者は、インフルエンザにかかると急に走り出す、部屋から飛び出す、ウロウロと歩き回るなどの異常行動を起こすこともあります。自宅で療養する場合、発熱から少なくとも2日間は、子どもが一人にならないように注意を払いましょう。

厚生労働省:インフルエンザ(総合ページ)

例③ ノロウイルス

手や指、食品などを介して感染し、急性胃腸炎を引き起こすノロウイルス。主な症状は、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、微熱。その他、軽い風邪のような症状がある場合も。乳幼児や高齢者は、嘔吐物による肺炎や窒息にも注意が必要です。

感染を広げないために、感染者が使ったもの、嘔吐物が付いたものは、他のものと分けて、塩素消毒液で十分に消毒すること。ノロウイルスをはじめとする「ノロエンベロープウイルス」はアルコール耐性があるので、次亜塩素酸ナトリウムで消毒するようにしましょう。また、嘔吐物やオムツを処理する場合は、使い捨てのマスクや手袋などを着用し、直接触れないよう気をつけましょう。

厚生労働省:感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について

ウイルスの性質によって対処法も異なります。それぞれの感染症ごとに適切な対応を行いましょう。(その他の感染症の情報・対処法はこちらから)

事前の備え:手洗い・咳エチケットが基本。人が集まるところを避け、普段の体調管理も大切に

肺炎、インフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が大流行。パンデミックの恐れも…。災害時の正しい対処法や予防術 -防災行動ガイド

感染症から身を守る基本対策

  • こまめな手洗い・うがい、アルコール消毒を徹底する
  • 人との距離を確保できない場合や会話をする際はマスクを着用する
  • 3密(密集・密接・密閉)を回避する
  • こまめに換気する
  • 感染者の血液や排泄物などに触れる可能性がある場合は、ゴム製などの使い捨て手袋を着用する

感染症対策の基本は、「手洗い」と「マスクの着用を含む咳エチケット」です。外出後はもちろん、調理の前後や食事前などは、手洗いを忘れずに。

咳やくしゃみの飛沫による感染を防ぐため、必要に応じてマスクを着用し、アルコールスプレーやウェットティッシュなどの除菌グッズも常備しておくと安心です。また、十分な睡眠やバランスのよい食事を心がけたり、体を鍛えたりすることで、免疫力の向上にも努めましょう。

正しい手の洗い方
  • ① 流水でよく手をぬらした後、石けんをつけて、手のひらをよくこする
  • ② 手の甲を伸ばすようにこする
  • ③ 指先・爪の間を念入りにこする
  • ④ 指の間を洗う
  • ⑤ 親指と手のひらをねじり洗いする
  • ⑥ 手首も忘れずに洗う

厚生労働省:手洗いポスター

咳エチケット
  • マスクを着用する(口・鼻を覆う)
  • マスクがない時は、ティッシュ・ハンカチなどで口・鼻を覆う
  • とっさの時は、上着の内側や袖で口・鼻を覆う

厚生労働省:感染症対策ポスター

予防接種は、インフルエンザ発症の確率を減らし、もし発症しても重い症状になることを防ぎます。しかし、ワクチンの効果は一般的に5カ月ほどしか持続せず、流行するウイルスの型も変化するので、毎年、定期的に接種することがオススメです。また、万が一パンデミックによって自宅に籠城せざるを得なくなった場合に備えて、数日分の備蓄もしておきましょう。

感染症が大流行しているときの対処に役立つサービス・ウェブサイト

① 首相官邸「新型コロナウイルス感染症対策について」

新型コロナウイルスに関する感染対策やワクチン接種に関する情報、受診・相談窓口などをまとめているサイト。最新の情報についていち早くチェックできます。

② 首相官邸「感染症対策特集~様々な感染症から身を守りましょう~」

毎年流行している感染症や今後注意が必要な感染症、海外で注意すべき感染症などの基本的な知識や対策などを紹介しています。

③ FORTH(厚生労働省検疫所)

海外に渡航される方や、渡航者の診療や相談に当たる医療従事者に向けて、海外の感染症の最新の流行状況や、予防方法などの情報を伝えています。

③ Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピング

Yahoo!JAPANが運営する日本最大級のオンラインショッピングモール。日用品などはもちろん、マスク、ゴム手袋などの感染症対策アイテムも幅広く取りそろえています。

監修者:防災講師・防災コンサルタント 高橋 洋(たかはし・ひろし)

高橋洋先生

1953年、新潟県長岡市生まれ。1976年、練馬区に就職し、図書館、文化財、建築、福祉、防災、都市整備等に従事。1997年より防災課係長として、地域防災計画、大規模訓練、協定等に携わる。現在は、防災講師・コンサルタントとして、自治体等で講演、ワークショップ指導などを行う傍ら、復興ボランティア、終活ガイド・エンディングノート認定講師としても幅広く活動。防災関係著書・論文、防災関係パンフレット類監修多数。

(掲載日:2020年1月29日、更新日:2022年12月25日)
監修:高橋洋
文:内藤マスミ
編集:エクスライト
イラスト:高山千草