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今すぐ試したい、コーヒークリエイターに聞いた自宅で簡単においしいコーヒーを淹れるポイント

今すぐ試したい、コーヒークリエイターに聞いた自宅で簡単においしいコーヒーを淹れるポイント

皆さんは普段、コーヒーを飲みますか? 目が覚めきらない朝や、もうひと頑張りしたいときに活躍するコーヒーですが、意外と家でおいしく淹れるのって難しいですよね。

そこで、昨年オープンしたPepperをはじめとするさまざまなロボットが働く近未来カフェ「Pepper PARLOR」で人気のプレミアムブレンドコーヒーを監修したコーヒークリエイターに、家でおいしいコーヒーを淹れるときのちょっとしたコツや工夫を聞いてみました。

お話を伺った方:コーヒークリエイター 中川亮太(なかがわ・りょうた)さん

コーヒークリエイター 中川亮太(なかがわ・りょうた)さん

アドバンスト・コーヒーマイスター。コーヒーは「五感」全てを使って楽しむ“メディア”だと称するコーヒーのプロ。元々はコーヒーが飲めなかったが、香りが大好きだったのと、ミルクがあれば飲むことはできたため、さまざまなカフェオレを飲んでいくうちに徐々にブラックでも飲めるようになり、気が付けばコーヒーの魅力にどっぷり。

「コーヒーの魅力は、飲んでおいしいだけでなく、人と人とをつなぐ世界共通のコミュニケーションツールとなり得るところです」

豆選びで9割が決まる? そもそも「おいしいコーヒー」の定義とは

豆選びで9割が決まる? そもそも「おいしいコーヒー」の定義とは

中川さん

「『どんなコーヒーがおいしいと感じるか』は、育ってきた環境や食生活、文化によるので一概には言えません。さらに、コーヒーって実は適切な抽出ができればそんなに味の違いは出ないんです。プロでも初心者でも、同じ豆を使えば極論ほぼ同じ味になります。じゃあ何で差が出るかというと、これは料理と同じで『良い食材を見つける』ことですね。自分の好みに合う豆を見つけることができれば、『おいしいコーヒー』はほぼ完成と言って良いでしょう。
ただし、『品質の素晴らしいコーヒー』というのはあります。それは『雑味が少なく透明感があり、きれいな余韻のあるコーヒー』だと、個人的には考えています。あまりコーヒーに詳しくない、という方はシングルオリジンではなくブレンドを選ぶと良いでしょう。気になるコーヒーショップの個装のドリップバッグのコーヒーをいろいろ試して、好みの味を見つけるのも面白いですよ」

気分に合わせて味を変えることこそ、コーヒーの醍醐味

気分に合わせて味を変えることこそ、コーヒーの醍醐味

中川さん

「『おいしさ』は各個人の経験値や感覚に加え、気分によっても変化するものです。ご飯でも『背脂こってりラーメンが食べたいときもあれば、無性にあっさり塩ラーメンが食べたいとき』もありますよね。コーヒーも同じで、気分やシチュエーションによって色んな味を試してみてください。

気分

オススメの飲み方

ガツンとパンチが欲しい

エスプレッソ

飲み過ぎた翌日にスッキリしたい

あっさりアメリカン

ゆっくりと読書したい

冷めても甘さがつづくブラック

スイーツに合わせたい

カフェオレやブレンド

コーヒーそのものの味の違いを楽しみたい

フレンチプレス

自分と向き合いたい

苦みの奥に甘みを感じる深煎りのネルドリップ

「抽出方法」「焙煎度合い」「ブレンド/シングルオリジン」の組み合わせを変えることで、無限のバラエティーを楽しめますよ」

プロも実践する、究極のシンプルさ。自宅にあるものでできる、おいしいコーヒーの淹れ方

プロも実践する、究極のシンプルさ。自宅にあるものでできる、おいしいコーヒーの淹れ方

中川さん

「コーヒー業界では、プロがコーヒー豆の味を試して評価するために行う”カッピング”という用語があります。この“カッピング”こそ最もシンプルな「おいしいコーヒー」の飲み方なんです。お家にあるもので、すぐ簡単に試せますよ。

カッピングの手順

  1. マグカップ、スプーン、90℃くらいのお湯を準備
  2. マグカップに10gのコーヒーと180mlのお湯を淹れ、4分経ったら3回かき混ぜる
  3. 浮いてきた粉をスプーンですくって捨てる
  4. 上澄み液を味わう

おさえておきたいポイント

おさえておきたいポイント

ズボラに見えて「ツウ」なこのカッピングは、あえてフィルターを介さないことでコーヒーの風味を「ダイレクトに感じる」のに最適。このとき、ヤカンから直接マグカップにお湯を注ぐのはオススメしません。「ドリップポッドを持っていない……」という方は、家にある急須で十分。温度もほどよく冷めるので、一石二鳥ですよ。あるいは、さらに手軽なのが軽量カップ。分量を正確に量れて、お手入れも簡単なので便利です」

ワンポイントアドバイス① ひと手間かけるならフィルター

さらに一歩進んで本格的に楽しみたい、という方はフィルターを用意すると◎。同じ豆とは思えないくらい、味が変わるんだそうですよ。

  • 初心者向け:ペーパーフィルター
    コーヒーのにごりとなる「微粉」を除去してくれる。白色のフィルターを推奨(茶色のものは無漂白なのでニオイが強い)。あとは、使用前にお湯を掛け流す「ペーパーリンス」はマスト。紙のニオイを低減させるとともに、器具を温めることでコーヒーをおいしくする効果も。

ペーパーフィルター

  • 中~上級者向け:ネルフィルター
    「ペーパーがなくなる度に、買いに行くのが面倒くさくなってきた」「コーヒーに混ざる紙のニオイが気になるようになってきた」という中~上級者の方には布でできていて、再利用が可能な「ネルフィルター」がオススメ。「微粉」を除去しながら、おいしさ成分の1つである「油分」を残せるので、とてもうまみの強いコーヒーに。最近は円すい型のものが人気。管理・保存も、保存袋で冷凍庫に入れれば簡単。

ネルフィルター

ワンポイントアドバイス② あるとないとで世界が変わる! ランクアップアイテム

コーヒーグラインダー(ミル)

コーヒーグラインダー(ミル)

コーヒーグラインダー(ミル)
コーヒー豆を粉の状態にする器具。コレを使って抽出する直前に豆を挽くことで、淹れるときの香りの量が段違いに。豆の硬さを感じることができ、香りの特等席にもなるので手動のものがオススメ。

形状は、雰囲気や香りを楽しみたいなら、下に引き出しがついているものがベスト。細長い筒状のものは、挽きやすいうえに持ち運びにも便利。

ちょっとしたひと工夫で、忙しいときの味方「インスタントコーヒー」もワンランク上の味に

ちょっとしたひと工夫で、忙しいときの味方「インスタントコーヒー」もワンランク上の味に

中川さん

「インスタントコーヒー最大の長所は、その手軽さです。一方で、短所なのが『風味』と『香り』。どうしても『雑味』が多く、レギュラーコーヒーにはかなわないんですね。長所は最大限に生かし、短所をカバーできるようなひと工夫をしてあげることが、普段よりおいしく飲むコツです」

① 環境を変えて飲む
「味わい」は、「味覚」だけじゃなく「嗅覚」もセットで感じるもの。新鮮な空気と共に飲むだけで味がガラッと変化。部屋の中ではなく、一歩ベランダに出て飲むだけでおいしく。また、インスタントコーヒーは携帯性にも優れているので、ピクニックの食後や登山の山頂で、外の空気と一緒に楽しむのも◎。

② ホットミルクで溶かす

インスタントコーヒーの「雑味」は、牛乳や砂糖でマスキングすることで和らぎます。お湯で溶かさずにホットミルクで溶かして、濃厚なカフェオレを楽しんでみてください。

② ホットミルクで溶かす

コーヒー好きでも未知の世界! アレンジ方法&マッチする食べ物を紹介

コーヒー好きでも未知の世界! アレンジ方法&マッチする食べ物を紹介

つづいて、「毎日のコーヒーの味にちょっと飽きてきた…」という方に試してみてほしい、アレンジ方法をご紹介。「コーヒーが苦手」という方にもオススメですよ。

① コーヒーの風味を抑えてあっさりめのテイストで

  • 超粗挽き&低温(60℃くらい)でササッと抽出して、紅茶やお茶のような感覚で
  • お湯を足して薄めたり、ミルクを入れたりしてコーヒーの風味を優しく感じる味わいに

② チョイ足しで気分を変えて

  • 甘くしたい場合は、白いお砂糖ではなく、よりミネラルを多く含むはちみつや黒糖、ブラウンシュガーを
  • 意外なマッチ。マーマレードやベリー系のジャムと一緒に
  • 簡単シンプルに。レモンスライス:サッパリして爽やかな味わいに

中川さん

「雑味の少ない、おいしいコーヒーに慣れるとだんだんコーヒーへの許容度が広がり、ブラックでも飲めるようになりますよ!」

定番のお菓子から、意外なアレまで。コーヒーにマッチする食べ物まとめ

基本的に、「ミルク成分」や「脂肪」を含むものはコーヒーにマッチするそう。中川さんに教えてもらった、コーヒーと相性の良い食べ物をまとめました。

  • スタンダード編
  • スタンダード編
  • スタンダード編
  • スタンダード編

中川さん

「まずは、ケーキなどの焼き菓子、パン、チョコレート。他には、ドライフルーツ、ナッツ類、あんこ、どら焼き、チーズ。チーズはカマンベールがオススメです。ちょこっとカマンベールチーズをかじって熱いコーヒーを飲むと、ふわっと香りが広がり甘くないチーズケーキを食べているみたいになりますよ」

  • おまけ編
  • おまけ編
  • おまけ編
  • おまけ編

中川さん

「意外ですが、知ってしまうとハマるおいしさなのが、脂の乗った焼きサバ、ロースのトンカツ、ジューシーな唐揚げ。これらの『食後』ではなく『食中』に飲んでください。上質なコーヒーと合わせると、おいしさが大爆発します!」

  • 絶対定番なのが、チョコレート

絶対定番なのが、チョコレート

コーヒー豆とチョコレートの原料である「カカオ豆」は、生産地域が赤道を中心に北回帰線と南回帰線の内側に位置した標高違いで育つため、地域によっては同じ土・同じ水で育っています。そのため、すごくなじみが良く食べ合わせも良いんです。

粗挽きしたコーヒー豆のザクザクとした食感が楽しめるPepper PARLORのタブレットチョコレート(COFFEE BEANS)と、イチジク、アーモンド、ヘーゼルナッツが入ったタブレットチョコレート(NUTS & FIG)は、コーヒーとの相性抜群ですよ。

色んな食べ物との組み合わせを発見していくのも、コーヒーの楽しみの1つ。合うもの見つけると、びっくりするくらいさまざまな味のハーモにーが口の中で広がり、1杯のコーヒーを飲みながらどんどん変化する味わいを楽しめますよ。

中川さんがこだわり抜いた「Pepper PARLOR Premium Blend」

Pepper PARLOR Premium Blend

世界トップレベルの品質を誇るミカフェート社による贅沢な2種ブレンド。おしゃれなボトルを開けた瞬間にふわっと香るアロマのヒミツは、豆の中に香りを閉じ込める「加圧包装」技術。

爽やかさ:★★★★
苦み:★★
甘み:★★★★★
コク:★★★★

南米・コロンビア「ベジャビスタ農園」のカトゥーラ

アプリコットやオレンジのようなフレッシュかつジューシーな甘みと爽やかさが特長

中米・エルサルバドル「ロス・ノガレス農園」のピンクブルボン

さらに甘みが強く、ナッツ、カカオ、黒ビールのようなコクとボディー感とその余韻が長いのが特長

焙煎度合い

共に「浅煎りに近い中煎り」。「うまみ」や「フルーティーさ」などポテンシャルを最大限に引き出す

(粉の場合)挽き方

スッキリとした甘みや爽やかさが抽出しやすい「中挽き」

印象

立ち上がりはきれいな爽やかさ→徐々にコク

フレーバー

グレープフルーツ / マンダリンオレンジ / プラム / ナッツ / ミルクチョコレート

余韻

ブラウンシュガー / フローラル / ハーブ

中川さん

「ブレンドしている豆はそれぞれ単体でもおいしいのですが、特徴の違う「甘さ」「コク」「爽やかさ」「風味」が絶妙なバランスで重なり合うことで、シングルオリジンでは決して味わうことができない複雑な香味の贅沢なハーモニーが生まれます。温かいうちはもちろん、冷めてからますますクリアな甘さとジューシーさ、そしてきれいな余韻が楽しめるブレンドです」

 

中川さんがこだわり抜いたブレンドコーヒーを楽しめるカフェ、「Pepper PARLOR」の体験レポート記事もぜひご覧ください。

いかがでしたか? コーヒーは、カフェインによって気分をスッキリさせたり、記憶力を向上させたりするだけではなく、脳にα波を発生させてリラックスさせるアロマテラピー効果もあるのだとか。リラックス&覚醒効果により作業効率がアップするので、コーヒーは仕事や勉強の合間の休憩に最適な飲み物なんですよ。ぜひ試してみてくださいね。

(掲載日:2020年5月14日)
文:ソフトバンクニュース編集部