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障がい児の学習・生活支援を行う実践研究「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine~」事例紹介セミナーが開催されました

障がい児の学習・生活支援を行う実践研究「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine~」事例紹介セミナーが開催されました

8月22日、ICT(情報通信技術)を活用して障がい児の学習・生活支援を行う実践研究プロジェクト「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine(メディスン)~」の、本年度第1回目となる事例紹介セミナーがオンラインで開催されました。このセミナーは文部科学省の後援を受け、ソフトバンク株式会社と東京大学先端科学技術研究センターが主催。当日は全国から230人の教育関係者や保護者がオンラインで参加しました。

ニューノーマル時代の特別支援教育を考える

「魔法のプロジェクト」は2009年度から行われている実践研究プロジェクトで、今年度は69の協力団体(特別支援学校、特別支援学級、通常学級および地方自治体)において、障がいのある児童生徒とその先生などを2人1組にした計73組で事例研究が行われています。

最初に、魔法のプロジェクトディレクターでソフトバンク CSR本部所属の佐藤里美から、プロジェクトのこれまでの歩みや概要説明が行われ、次に魔法のプロジェクトプロデューサーで東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍教授による「COVID-19時代の特別新教育」と題した基調講演が行われました。

障がい児の学習・生活支援を行う実践研究「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine~」事例紹介セミナーが開催されました

障がい児の学習・生活支援を行う実践研究「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine~」事例紹介セミナーが開催されました

中邑教授による基調講演

中邑教授は冒頭、「意欲があっても障がいや特性によって学ぶことが難しい子どもたちが、医療的なケアや指導だけでは乗り越えるのが難しい、あるいは時間がかかる困難を解消するために、ICTという手段(Medicine)を活用すれば、即効的にできることがある。障がいのある子どもの機能補助や代替となり、空間・時間や社会の枠を超えることができる」とプロジェクト名称に込めた思いを語りました。

また、「新型コロナウィルスの流行で、ICT機器が学びにとって本当に必要なものだということが見えてきた。オンラインで学べるかどうかで学習格差が生じている。子どもの教育を保証するということを考えなければならない時代に入った」とし、「オンラインとオフラインが日常的に融合するニューノーマル時代の特別支援教育の方向性を考えていく必要がある」と話しました。

セミナーには「魔法のマスターティーチャー」にも認定されている、国立特別支援教育総合研究所研修事業部主任研究員の青木高光先生、松江市立意東小学校の井上賞子先生も登場。もともとICTの利用が進んでいた特別支援学級のほうが、コロナウィルス感染予防のため、突然リモート授業となった通常学級よりも学習が進んだケースがあったといった話題が提供されました。

  • 特別支援教育でのICT活用において豊富な経験と実績を持ち、より質の高い支援を実践できる先生のこと。

障がい児の学習・生活支援を行う実践研究「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine~」事例紹介セミナーが開催されました

ソフトバンクの会議室から参加した発表者の先生たち

ICTを活用したことで学習意欲に変化が現れた事例などが紹介

続いて、今年度の実践研究の協力者で、質の高い学習・生活支援ができる6人の教員が、ICTを活用した実践事例を発表。ASD(自閉症スペクトラム)や肢体不自由などの障害がある子どもに対し、子どもの特性や課題に応じて、タブレットやAIスピーカー、人型ロボット「Pepper」、また「palstep」「ByTalk for School」「DropTalk」といった学習支援ツールやアプリケーションなどを活用したことで、子どもの学習意欲に変化が現れた事例などが紹介されました。

障がい児の学習・生活支援を行う実践研究「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine~」事例紹介セミナーが開催されました

障がい児の学習・生活支援を行う実践研究「魔法のプロジェクト2020 ~魔法のMedicine~」事例紹介セミナーが開催されました

アプリや活用場面などが紹介されました

魔法のMedicine 8月22日セミナー 事例発表

渋谷区立神南小学校 薄洋介 教諭

外国にルーツがある児童へのことばの支援~きこえとことばの教室での実践~ 

千葉県立東金特別支援学校 押塚雄史 教諭

自分を見つめ直す~不登校生徒の実践を通して~

東京都立花畑学園 亀田隼人 教諭

安心して思いを伝える~Cくんのケース~

宮崎県立清武せいりゅう支援学校 三ヶ尻あや 教諭

伝えたいことを伝えることができる Aさん自らの表現力の育成

北九州市立八幡西特別支援学校 城野真妃 教諭

Iさんが心地よく学ぶための環境とは? ~体調変化への対応と学び方を考える~

仙台市立八乙女中学校 伊藤陽子 教諭

僕、問題児ですから ちょっとずつ見えてきた、僕の本当の気持ち

発表内容の詳細は、「魔法のプロジェクト」ウェブサイトの「お知らせ」に掲載している発表資料をご覧ください。また、本セミナーは9月12にも開催を予定しており、今回とは異なる内容の6事例が紹介される予定です。「お知らせ」からお申し込みができます。

「魔法のプロジェクト」の
ウェブサイトをみる

(掲載日:2020年8月28日)
文:ソフトバンクニュース編集部