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子どもをスマホでかわいく撮りたい! 写真家 鈴木心さんが教える撮影テクニック

子どもをスマホでかわいく撮りたい! 写真のプロ、鈴木心さんが教える撮影テクニック

スマホカメラが年々進化を続け、一眼レフで撮影したようなクオリティの高い写真を残せる時代になりました。お子さんがいるご家庭では、子どもの成長記録がスマホにたくさん残っているのではないでしょうか。ただそんな大切な写真も、表情を捉えるタイミングや光の加減など、納得のいくものが撮れないと困っている方も多いのでは?

今回は、子どもの姿をスマホで素敵に撮影するためのテクニックを、鈴木心写真館の代表・鈴木心さんに教えてもらいました。家族写真や記念写真など多くの親子を撮影してきたプロフェッショナルの技術を学んで、ワンランク上のスマホ写真を残しましょう!

スマホで子どもをフォトジェニックに撮影する方法の目次

鈴木さん

鈴木 心(すずき・しん)さん
元・写真家。企業ブランディングから広告写真や映像作品に携わる傍ら、2011年に鈴木心写真館を開始。自身の作品制作発表、写真のワークショップ、YouTubeから書籍など、鈴木心写真館の活動を継続的に行い、今まで30,000人以上の記念写真を日本中で撮影。写真でできることをすべて実行する。

今回、撮影に協力してくれ上條さん一家。モデルは正太郎(せいたろう)くん

今回、撮影に協力してくれ上條さん一家。モデルは正太郎(せいたろう)くん

子どもの成長記録を上手に残すには? 子どもの「いい表情」を捉える、4つの基本テクニック

子どもが一番安心するのは、やっぱり我が家ですよね。まずは、家の中でご両親が写真を撮影。その写真をチェックしながら、リラックスした表情や面白い動きを捉えるための方法を、鈴木さんにレクチャーしてもらいます。

ソファの上に座る正太郎くん。お母様が、名前を呼んだり「いないないばあ」をしたりしながら、興味を引きつけて……パシャリ!

ソファの上に座る正太郎くん。お母様が、名前を呼んだり「いないないばあ」をしたりしながら、興味を引きつけて……パシャリ!

鈴木さんいわく、子どもの写真を撮るときの基本は「画を作ってから表情を引き出す」こと。そうすることで、きれいな構図かつ、表情のいい写真に仕上がるそうです。

基本テク① 画面内の情報を整理する

見る人に伝わる写真を撮るには、情報を整理することが大切。シャッターを押す前に、被写体との距離とレンズの角度をちょっと意識するだけで、写真の仕上がりが変わってきます。

鈴木さん

「今回撮る写真で伝えたいのは、お子さんの表情ですよね。背景がごちゃごちゃしていると、伝えなくていい情報も盛り込まれてしまいます。例えば、お子さんを床に寝かせて、真上から撮るようにすれば、背景には床しか写りません。撮影する前に数秒だけ考えて、写真で伝えたい情報を厳選していきましょう」

基本テク① 画面内の情報を整理する

基本テク① 画面内の情報を整理する

左:レクチャー前
躍動感のある写真ですが、背景にベランダが映り込み、ごちゃごちゃしているのが気になります。

右:レクチャー後
正太郎くんを床に寝かせて撮ることで、背景がすっきりして、表情に目がいきやすくなりました。

上:レクチャー前
躍動感のある写真ですが、背景にベランダが映り込み、ごちゃごちゃしているのが気になります。

下:レクチャー後
正太郎くんを床に寝かせて撮ることで、背景がすっきりして、表情に目がいきやすくなりました。

基本テク② 撮りたい対象の正面にレンズを持っていく

鈴木さん

「写真を撮るときは、被写体の正面にレンズを持っていきましょう。寝転んでいる子どもを撮るときは、顔の正面でカメラを構えたほうが、いい表情を捉えやすくなります」

基本テク② 撮りたい対象の正面にレンズを持っていく

基本テク② 撮りたい対象の正面にレンズを持っていく

左:レクチャー前
寝転んでいる正太郎くんを真上から撮影。「人は、頭の側面を見ながら話をしないので、これではコミュニケーション不足の写真になってしまいます」と鈴木さんがアドバイス。

右:レクチャー後
お母様も一緒に寝転んで、顔の正面でカメラを構えることで、表情をばっちり捉えられました。「ご両親以外の方は、お子さんとここまで近い距離で接しませんから、見る人にとっても新鮮でしょう。だっこしたり、間近で遊んだりしている気分になる、カメラだからできる距離感です」と鈴木さん。

上:レクチャー前
寝転んでいる正太郎くんを真上から撮影。「人は、頭の側面を見ながら話をしないので、これではコミュニケーション不足の写真になってしまいます」と鈴木さんがアドバイス。

下:レクチャー後
お母様も一緒に寝転んで、顔の正面でカメラを構えることで、表情をばっちり捉えられました。「ご両親以外の方は、お子さんとここまで近い距離で接しませんから、見る人にとっても新鮮でしょう。だっこしたり、間近で遊んだりしている気分になる、カメラだからできる距離感です」と鈴木さん。

基本テク③ 背景の水平・垂直を意識する

スマホで写真を撮るときによくあるNGが、水平・垂直を気にせずシャッターを押してしまうこと。そうすると、背景の線が斜めになり、空間が歪んで不自然な写真になってしまいます。

鈴木さん

「家の中で写真を撮るときは、背景に映り込む家具の線が水平・垂直になっているか意識しましょう。たったそれだけで、情報がぐっと整理されてきれいな画に仕上がりますよ」

基本テク③ 背景の水平・垂直を意識する

基本テク③ 背景の水平・垂直を意識する

左:レクチャー前
床に敷いたマットの線が斜めになっていて、見る人に雑然とした印象を与えてしまいます。

右:レクチャー後
マットの線を水平にすることで、情報が整理され、見やすい写真に仕上がりました。

上:レクチャー前
床に敷いたマットの線が斜めになっていて、見る人に雑然とした印象を与えてしまいます。

下:レクチャー後
マットの線を水平にすることで、情報が整理され、見やすい写真に仕上がりました。

基本テク④ 見せたいところに光を当てる

鈴木さん

「人は、明るいところから暗いところへ順に視線を動かします。お子さんの表情を伝えたいときは、一番明るい光が当たるところに顔がくるようにしましょう。そうすることで、写真を見る人の視線を誘導できます」

基本テク④ 見せたいところに光を当てる

基本テク④ 見せたいところに光を当てる

これも押さえておきたい、ワンランク上の写真にする2種類の撮影カット

教えてもらった4つのテクニックを意識することで、子どもの表情を素敵に残すことができるはずです。鈴木さんは加えて、撮影の際に覚えておくと写真の幅が広がる2つのカットを教えてくれました。

カット① 体のパーツにフォーカスした写真

カット① 体のパーツにフォーカスした写真

カット① 体のパーツにフォーカスした写真

鈴木さん

「子どもの写真を撮るときは、足や手、耳など体のパーツも撮っておくといいですね。子どもの足や手はどんどん大きくなっていくため、「いましか撮れない」写真を残しておくことができます。また、指には表情が宿るので、顔を写したときとは異なる面白い写真が撮れるでしょう」

カット② 物語性を持たせた写真

カット② 物語性を持たせた写真

鈴木さん

「寝ている正太郎くんを真上から撮るときに、お母さんの足を一緒に入れてもらいました。こうすることで、2人の関係性が見えますし、写真に物語性が生まれます。将来、この写真を見返すときに『これはお母さんが撮ってくれた写真なんだな』ってわかりますし、『この日は取材を受けたんだよね』と、話が広がっていくかもしれません」

屋外撮影3つのテクニック。動き回る子どもはどう撮ればいい?

子どもを素敵に撮影するための基本を教わった後、いよいよ屋外撮影へ! 遊んでいるときの子どもは、四六時中キョロキョロ、バタバタ……。動きまわる子どもを上手に撮影するコツを、鈴木さんに指南してもらいます。

屋外撮影テク① 屋内撮影と同じく水平・垂直を意識する

鈴木さん

「屋外で撮影するときは、どうしても背景がごちゃごちゃしがちです。背景の情報を整理するためにも、線が斜めにならないように、水平・垂直を意識しましょう。ビルの壁や窓枠、手すり、柵などとフレームの線を合わせるといいですね」

屋外撮影テク① 屋内撮影と同じく水平・垂直を意識する

屋外撮影テク① 屋内撮影と同じく水平・垂直を意識する

左:レクチャー前
背景の線が斜めになっているため、空間が歪んで不自然な印象を受けます。

右:レクチャー後
ビルや柵に水平・垂直を合わせることで、背景の情報が整理され、自然な印象の写真に仕上がりました。

上:レクチャー前
背景の線が斜めになっているため、空間が歪んで不自然な印象を受けます。

下:レクチャー後
ビルや柵に水平・垂直を合わせることで、背景の情報が整理され、自然な印象の写真に仕上がりました。

屋外撮影テク② 空間を広く入れて子どものサイズ感を見せる

鈴木さん

「カメラを思いきり引いて、空間を広く入れることで、子どもの小ささを見せることができます。大きい建物はもちろん、今回のように、大きな犬など動物と撮影するのもいいでしょう。また、カメラの向きを上下逆さにすることで、ダイナミックで面白い画に仕上がります」

屋外撮影テク② 空間を広く入れて子どものサイズ感を見せる

屋外撮影テク② 空間を広く入れて子どものサイズ感を見せる


空間を広く入れることで、正太郎くんの小ささが伝わります。お散歩中のワンちゃんも一緒に記念撮影。


スマホの向きを逆さにして、カメラのレンズ位置を変えることで、ダイナミックな写真が撮れました。


空間を広く入れることで、正太郎くんの小ささが伝わります。お散歩中のワンちゃんも一緒に記念撮影。


スマホの向きを逆さにして、カメラのレンズ位置を変えることで、ダイナミックな写真が撮れました。

屋外撮影テク③ 組み合わせで見せる

鈴木さん

「遊具で遊ぶ子どもを撮るときに、遊具全体を入れる必要はありません。撮りたいのは子どもの表情なので、楽しんでいる表情や、集中している表情にフォーカスを当ててください。ここで遊んだよ』という情報を伝えたいときは、1枚絵で見せようとせず、顔、パーツ、背景と、分けて撮るといいでしょう。見る人にとっては、組み合わせで見せたほうが、実はわかりやすいんです」

屋外撮影テク③ 組み合わせで見せる

屋外撮影テク③ 組み合わせで見せる

遊具によじ上って遊ぶ正太郎くんを、3枚の組写真で表現。遊具の高さや大きさ、正太郎くんのはしゃぎっぷりが伝わってきます。

遊具によじ上って遊ぶ正太郎くんを、3枚の組写真で表現。遊具の高さや大きさ、正太郎くんのはしゃぎっぷりが伝わってきます。

これまで3万人以上の家族を撮影してきた鈴木心さん。そんな彼にとって「子どもの写真」とは?

これまで3万人以上の家族を撮影してきた鈴木心さん。そんな彼にとって「子どもの写真」とは?

鈴木さんの丁寧なレクチャーによって、スマホで子どもを撮るコツがつかめました。これまで多くの家族写真を撮影してきた鈴木心さんと、鈴木心写真館のみなさん。彼らがどのような想いを持って、写真を撮り続けているのか聞きました。

さまざまなアドバイスをいただきましたが、鈴木さんが思う子どもの「いい写真」って、どんな写真でしょうか?

鈴木さん

「『よい写真』は自分の目線が伝わる写真。写真を見る人が自分と同じ視線、感情を共有できることをゴールに決めておくことを提案したいです。誰のために残す写真かを考えることで、何を撮るべきか、どう撮るべきかが必然的に見えてきますから。うちの写真館では、撮影後にお父さまやお母さまが、よく『私の二重あごが……』とか『子どもの表情はいいんだけど……』とかおっしゃいます。そのときに『誰のために撮った写真なんでしたっけ?』と問いかけると、皆さん『そうだ、子どものために写真を撮りにきたんだよね』って、ハッとされます」

鈴木さんご自身も、日常を写真に残すようにしていますか?

鈴木さん

「うちでは毎朝、子どもがごはんを食べるところを撮っていました。家族で朝ごはんを食べるって、当たり前のようでいて、いずれ失われてしまう日常の風景なんですよね。そういうシーンを残すことで、子どもが後で写真を見返したときに『お母さんが作ったごはんを食べて、自分は大きくなったんだ』って気づけると思います」

撮った写真を見返さない人も多いと思います。写真の整理に関して、何かアドバイスはありますか?

鈴木さん

「何を写すかにもよりますが、いま撮った写真が価値を持つのは、いまではないことが多いんです。10年や20年など、時間の蓄積によって、映し撮られたものが価値を持つこともあります。 データで保存しておくのはもちろんありですが、気に入った写真は、街にある写真屋さんやコンビニで、紙に焼いておくのもいいのかもしれませんね。写真を整理したときに、なにが大切だったか、どの瞬間に感動したか、その写真を見返すことで分かるはずです」

これまで3万人以上の家族を撮影してきた鈴木心さん。そんな彼にとって「子どもの写真」とは?

今回のように、スマホで写真を撮ることに関して、どのような考えをお持ちでしょうか?

鈴木さん

「被写体を緊張させないことが、スマホカメラの最大のメリット。スマホは身近なツールであり、相手に接近しやすい、目に近いカメラともいえますね。また、遠方の家族に共有してレスポンスをもらいやすいという点も、スマホで写真を撮る良さじゃないでしょうか。写真が上達する秘訣の一つは、人に見せること。良い・悪いといったレスポンスをもらうことで、写真が洗練されていきます」

今回、スマホ撮影で鈴木心さんが撮影した写真

今回、スマホ撮影で鈴木心さんが撮影した写真

今回、スマホ撮影で鈴木心さんが撮影した写真

今回、スマホ撮影で鈴木心さんが撮影した写真

今回、スマホで鈴木心さんが撮影した写真

親の自然な寄り添いが子どもの「いい表情」を引き出す

「親が子どもに寄り添って、自然な表情を撮るというのは、新しい発見でした」と、上條さん。なかなか会えない実家の両親に子どもの様子を伝えたい、成長した子どもが後から見たときにクスッと笑える瞬間を残してあげたい……。人は、色々な目的を持って写真を撮ります。

さて、あなたはどんな写真を撮りますか?

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(掲載日:2020年12月2日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト
撮影:山野一真