SNSボタン
記事分割(js記載用)

AI革命は始まったばかり。世界中のAIの起業家と共に進み続ける-ソフトバンクグループ株式会社 2022年3月期 第1四半期 決算説明会レポート

2021年8月10日、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)が、2022年3月期 第1四半期決算説明会を開催しました。代表取締役 会長兼社長執行役員 孫 正義が登壇し、第1四半期の業績、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「SVF」)の状況などについて説明しました。

世界の未上場AI企業の資本調達額の1割を提供

世界の未上場AI企業の資本調達額の1割を提供

冒頭、孫は「ソフトバンクグループはAI革命の起業家とビジョンを共有して未来をつくる資本家であり、SVFを開始して4年の間に世界の未上場AI企業の資本調達額の10%を提供した。SBGはこの分野において世界最大の資本家と言えるのではないか」「『AI革命』はこれから10年、20年で必ず大きくなると信じている。世界でいちばんリスクを取りに行っているのが、資本家としてのわれわれの立場だ」と述べ、改めてAI革命の資本家として取り組んでいくことを示しました。

ファンド事業の投資損益は増加

業績の概要について、当期純利益は減益となったが、前年同期はスプリント関連の一時益が含まれ利益を押し上げた反動があったとし、今期も同じような物差しでスプリント関連を差し引けばそれなりの成績であったと説明。

ビジョンファンド事業 投資損益

SVFの累計投資利益は6兆7,276億円となり順調に推移。SBGにとって最も重要な指標であるNAV(時価純資産)は26.5兆円となり、デコボコはあるが、概ね右肩上がりであると述べるとともに、内訳を見ると、SVF関連のNAVの割合が徐々に増えてきたことを説明しました。

時価純資産(NAV)

また、NAVの上場株と非上場株での割合も示し、90%近くが上場株式であり「客観的な物差しによる価値である」と強調しました。

時価純資産(NAV)

SVF、LatAm FundとSPACを含む9.8兆円の時価は、未上場株が上場株に変化して保有しているものの価値であるとし、実際には既に2兆円ほど売却して現金化したものを再投資に使っている。また、2021年度第1四半期において、SVF1と2の投資資金1兆6,587億円のうち、半分近くの7,259億円はSVF1と2の分配金などが使われている内訳を表し、「着実に現金化をし、再投資に循環させていくエコシステムができつつある」と述べました。

SVF1+2+LatAm等 上場株+SPAC合併発表済投資先 時価

LTV(純負債/保有株式)については、通常は25%未満で運用するという財務方針の下、現在は16%と安定推移していると説明しました。

Vision Fund 1,2 + LatAm Fund 301社

SVF1、SVF2、LatAm Fundの投資先はパイプラインを含めて301社となり、国や地域、セクターについてもバランスよく分散できていると直近の状況を示し、「ただ一つだけリスクを取っているのはAI革命。信念としてリスクを取っている」と述べました。

SVF1+2+LatAm等投資先 時価 幅広い地域へ資本を提供

中国以外のアジアやヨーロッパが増加。

SVF1+2+LatAm等投資先 時価 幅広い分野へ資本を提供

孫は、インターネット革命によって置き換えられたのは世界のGDPの1%の広告と、10%の小売りのうち、そのまた10%、すなわち1%のイーコマースで、残りの98%の産業を全て置き換えていくのがAI革命だと考えていると語り、コロナ禍でも急成長しているAI企業として、旅行プラットフォームの「yanolja」、フィンテックの「Klana」、倉庫内ロボットシステムの「AutoStore」、フードデリバリーの「Swiggy」の4社を紹介し、「成長を楽しみにしている」と話しました。

この日、孫は「SVF2共同出資プログラム」の導入について発表。SBGの経営陣が17%をSBGと共同出資し、孫自身が一旦全額リスクを取った上で、経営陣は利害を共有し当事者意識を持ってリスクを取ってリターンを得るプログラムだと説明し、「いろいろな経験値で学びながら、このような仕組みをソフトバンクグループの経営の文化として残していきたい」と語り、プレゼンテーションを締めくくりました。

  • 孫 正義以外の経営陣の参加は2021年8月10日現在未決定だが、将来的に参加を予定。

資料

プレゼンテーション資料(PDF形式:24.4MB/71ぺージ)

(掲載日:2021年8月10日、更新日:2021年8月11日)
文:ソフトバンクニュース編集部