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「女性活躍推進に特効薬はない」ソフトバンクの本部長が語る女性活躍の現状とこれから

「女性活躍推進に特効薬はない」ソフトバンクの本部長が語る女性活躍の現状とこれから

近年、企業の成長や変化を促進する取り組み「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」に取り組む企業が増えています。ソフトバンク株式会社もD&Iを重要な経営課題の一つと位置づけ推進体制を強化しており、「Leadership for DE&I〜 女性活躍推進と、その先へ〜」と題するオンラインセミナーが開催されました。

女性管理職比率20%を目標に、D&Iの取り組みを加速

女性管理職比率20%を目標に、D&Iの取り組みを加速

多様な人材の活躍がさらなる事業成長の原動力になると考えるソフトバンクは、2035年までに女性管理職比率20%を目指し、女性活躍の推進に取り組んでいます。

今回開催したセミナーでは、女性リーダー育成を得意とするメンター育成・マッチング事業を行っている 株式会社Mentor For パートナーの廣﨑淳一さんをモデレーターとして、コンシューマ事業統括 第一営業本部 執行役員本部長の山崎淳司、同・東日本エリア営業本部 本部長の宮園香代子、人事本部 本部長の源田泰之が社内の取り組みを、Mentor For 顧問・チーフメンターの安藤知子さんが、D&Iの潮流について講演しました。内容を一部ご紹介します。

女性活躍推進は、D&I の一丁目一番地

源田泰之さん

コーポレート統括 人事本部 本部長 源田泰之(げんだ・やすゆき)

人事領域を担当。SBイノベンチャー株式会社取締役、公益財団法人 孫正義育英財団の事務局長も務める。日本の人事部「HR アワード 2019」企業人事部門 個人の部 最優秀賞 受賞。

「女性活躍推進の取り組みは、グローバルに成長して次々とイノベーションを起こせるような企業となるための第一歩」とする源田は、ソフトバンクの現状と、これまでの取り組みを解説。社内データの分析から明らかになってきた課題を挙げ、今後さらに女性活躍を推進するために、女性社員数の拡大、意識改革、職場風土の整備、キャリア支援が必要であるとして意気込みを語りました。

「女性活躍推進に特効薬はありません。多面的にさまざまなアプローチを続けることによって、真の意味でのD&Iを目指し、グローバルに成長して次々とイノベーションを起こせるような会社となるための一丁目一番地として、女性活躍推進にしっかりコミットしてやっていきたいと思います」

3つの「思い込み」を外して、女性活躍推進を一歩前に

コンシューマ事業統括 東日本エリア営業本部 本部長 宮園香代子(みやぞの・かよこ)

北海道から関東甲信越まで東日本エリアの家電量販店を担当する営業組織を担当。

宮園香代子さん

社内で女性リーダー育成のメンターも務める宮園は、女性活躍を推進する上で、「女性は管理職になりたがらない」「アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は自分にはない」「管理職には強いリーダーシップが必要」という3つの思い込みを外すことが必要だと、自身の経験を振り返りながら話しました。

「仕事は楽しいけれど管理職はムリと考えていた自分がいまこの立場にいるのは、当時の上司が私の強みを理解し、同時に成長できる環境を用意してくれたことで、だんだん自分でも自信がついてきて、やれるかもしれない、やってみようと気持ちが変化していったからだと思います。私自身も男性社会の枠に自分をあてはめて行動していた時代があり、男性と同じように振る舞わなければと意識していましたが、これからの女性管理職はこのような思い込みを外して、多様性を取り入れた働き方を実践していってほしいと思います。ソフトバンクは、やろうとなったらやる会社。多様性を受容していく組織になることを意識して、みんなで一歩ずつ前に進んでいければと思っています」

組織に必要な2つのギア「女性活躍推進」と「アサーティブネス」

山崎淳司さん

コンシューマ事業統括 営業第一本部 執行役員本部長 山崎淳司(やまさき・じゅんし)

北海道から東海・北陸まで東日本エリアのショップチャネルとインターネットサービスのチャネルなどの営業・運営を統括する組織を担当。女性営業職が働きやすい風土づくり、組織の活性化に取り組んでいる。

山崎が統括する営業第一本部は、コンシューマ事業統括の中で最も女性管理職比率が高い本部。これまで女性営業が営業として働き続けるためのキャリアの棚卸や課題を発掘する「営業職女性のワークショップ」をはじめ、他部署交流会やグループメンタリングを、女性社員自らが主体的に実施してきたそうです。

「男性社員も含めた本部全体としては、コミュニケーションの課題を認識し、相手を尊重しながらも自己主張をする『アサーティブネス(Assertiveness)』をスローガンに、全員が、誠実・対等・素直に、自分の意見に責任を持って活発に発言していくことで本部の風土改革を図ることに行き着いた。女性リーダーの育成については、メリハリをつけた働き方を前提に、制度と風土の改革を行っていく。そして、女性活躍推進とアサーティブネスを2つのギアとして、女性も男性も活躍できる組織を目指す。ソフトバンクの一番の魅力は、チャンスは誰にでもあることをオープンにしてくれることだと思います。全員が、変化、進化、発言を行っていけば絶対に変わると思うので、みんなで頑張っていきましょう」

世界はD&IからDE&Iへ。目指すのはさらにその先へ

株式会社Mentor For 顧問・チーフメンター 
安藤知子さん

世界はD&IからDE&Iへ。目指すのはさらにその先へ

Mentor For 顧問・チーフメンターの安藤知子さんは、D&Iは世界の大きな変革期において持続的に進化をしていくために不可欠な要素で、もはやそれがなければ生き残れないようなものになってきているとD&Iの重要性を説きました。

さらに、D&Iは、DE&I(Diversity, Equity and Inclusion)と呼ばれるようになっていると世界の潮流を紹介し、エクイティ(公正性)がD&Iを実現するために不可欠なプロセスであることをリンゴの木に例えて解説。

「幹が傾いていれば枝の高さが異なります。高い枝の下という不平等なスタート地点に置かれた子どもにもリンゴの実に手が届くよう、『台』に工夫をする状況がエクイティ。これも大切ですが、私たちが目指すのはさらにその先の世界。傾いている木をみんなの力で真っすぐにすれば、木はより太くなり、より豊かに実を実らせ、それをみんなで共有することができる。D&Iの向こう側にある、創造性や新しい価値観が生み出される豊かな世界。これはソフトバンクの経営理念にも通じるのではないでしょうか」

 

(掲載日:2021年9月10日)
文:ソフトバンクニュース編集部