大掃除や引っ越しなどで出てくるいらなくなったものの処分に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。でもそれ、捨てるにはまだ早いかも。ゴミ箱行きほぼ寸前の雑貨や小物でも、ちょっとした工夫を加えるだけで、便利グッズやおしゃれなインテリアへと変身させることができるんです! ものを長く使うことでゴミの削減にもつながり、地球環境にも配慮できますね。
今回はDIYクリエイターのchikoさんに、大掃除で出てきやすい身近なものを使った簡単リメイク術を3つ教えてもらいました。手軽にできて地球にも優しいリメイクDIYをこの機会にぜひ試してみませんか?
目次
DIYクリエイターchikoさん
自宅をDIYで改装し、オリジナル雑貨や家具、100均アイテムなどのリメイクのレシピをブログやSNSで公開。DIYに関する記事の執筆、WAGON WORKSとして作品や商品の販売、各地でワークショップ、講演、DIY実演など幅広く活躍中。著書に『let's diy! カフェみたいなお家を作ろう』(宝島社)がある。
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DIYリメイク術① DIY初心者にも簡単! ジャムやお酒の空き瓶がオシャレな花瓶に!
まずは初心者の方にもオススメな、空き瓶を使った短時間で手軽にできるリメイクDIYを2種類ご紹介します。例えば、いつもなら捨ててしまいがちな調味料やジャムの瓶、お酒のボトルやお菓子の容器などを変身させましょう!
ナチュラルテイストのお部屋にぴったり! 紙ひもを使って花瓶作り
紙でできたひもと両面テープを使って簡単に作れる、ナチュラルな雰囲気の花瓶。専門的な道具を使わず、お部屋も汚れない、手軽にできるリメイク術です。
必要な材料と道具
- ◎空き瓶
- ◎紙ひも
- ◎両面テープ(できる限り強力なもの)
- ◎接着剤
ひもを使った花瓶の作り方
まずは、空き瓶や容器に両面テープをすき間なく貼ります。
そのあとは紙ひもを巻きつけ、ぐるぐるぐるぐる……。瓶の底の中心から口の部分まで、こちらもすき間ができないように。
接着剤でひもの端を固定したら… あっという間に完成!
ナチュラルテイストのお部屋にピッタリの花瓶の完成です。ドライフラワーなどを飾るといっそう雰囲気が出ますね。ひもを革ひもにアレンジしても楽しめますよ。
まるでアンティーク!? プライマーとアイアン塗料を使った花瓶作り
もう一つ、プライマーと呼ばれる下塗り用の塗料と、塗るだけで表面がザラザラした金属のような質感を作り出せるアイアン塗料を使ったリメイク方法をご紹介します。プライマーとアイアン塗料は、ホームセンターやYahoo!ショッピングでも簡単に購入できますよ。
必要な材料と道具
- ◎空き瓶・容器(今回はガラスの空き瓶を使用)
- ◎塗料
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- ー プライマー(下塗り用塗料)
- ー アイアン塗料
- ◎ビニール手袋
- ◎台所用スポンジ
- ◎刷毛
アンティーク調花瓶の作り方
ひもを使った花瓶作りに比べて、専門的な道具が登場します。DIY難易度はほんの少しアップするので、丁寧に手順を紹介しますね。
① 下塗り
ビニール手袋をしたら、プライマー(下塗り用塗料)を刷毛やスポンジをつかって全体に塗っていきます。瓶全体にプライマーを塗り終えたら、2時間以上置いて乾かします。
ガラスやプラスチック、アルミ、ステンレスなどの素材は、そのまま塗料を塗るとすぐに剥がれてしまうことも。下地にプライマーを塗れば、お好みの容器にさまざまな塗料ペイントができるようになります。水性塗料ですが乾くと耐水性になるので水を入れても安心です。
② 色付け
プライマーが乾いたら、アイアン塗料を塗っていきます。台所用スポンジなどを使って塗料をポンポンと叩くように塗っていくのがコツです。塗料は2〜3回ほど重ね塗りしましょう。
『アイアンブラック』を塗った上に『アイアンブラウン』をまだらに塗ることで、よりアンティーク感を出すことができますよ。
③ 乾くのを待ったら… 完成!
一見、プラスチックやガラスでできているとは思えない、鉄や真鍮のような重厚感のある仕上がりになりました。
こんなアレンジも
塗料の色を変えるだけで雰囲気もがらっとチェンジ。漆喰風の塗料でペイントすれば、ざらっとした手触りで、手作り感のある優しい風合いも楽しめます。
最近はおうち時間が増えてインテリアにこだわりを持つ人も増えているので、自分の好みの花瓶を作ってお部屋に飾ってみるのはいかがでしょうか?
DIYリメイク術② ながらスマホに便利! 使わなくなったブックエンドが超便利なスマホスタンドに
大掃除で本を処分されるご家庭も多いかもしれません。それに伴い、ブックエンド(本立て)を持て余している人も多いのでは? そこでおすすめしたいリメイク術が、使わなくなったブックエンドを使ったスマホスタンド! 家事や通話をしながら写真や動画を見たいときに役に立ちます。
必要な材料と道具
- ◎ブックスタンド(今回はスチール製のものを使用)
- ◎木材
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- A:ブックスタンドの幅の長さ1本
- B:(A-20mm)÷2 の長さ2本
- ◎ビス(15mm)4本
- ◎木工用の接着剤
- ◎水性ニス(木材用の塗料として使用)
- ◎ドライバー
- ◎きり
- ◎ビニール手袋
- ◎台所用スポンジ
- ※
木材やニス、ドライバーなどのブックエンド以外の材料や道具は、基本的に全て100円ショップでそろえることが可能です。
スマホスタンドの作り方
① 木材の塗装
お好みの塗料で木材を塗装します。(今回は100円ショップで購入した水性ニスを使用)。塗装にはキッチン用のスポンジをカットして使うと、使い終わった後にそのまま捨てることができるので便利です。
② 木材を組み立てる
塗装が乾いたら、短い木材2つを長い木材の両端に木工用の接着剤で固定します。短い方の木材の間隔が20mmくらい空くようにするのがポイントです。
③ 木材をブックエンドに取り付ける
接着剤が乾いたら、ブックエンドの下から約20mm上の位置に木材を取り付けます。ブックエンドの裏側からキリで下穴をあけ、ビスをドライバーで回し入れます。同様に合計4カ所、ビスで固定します。下穴をあけることで、木材が割れにくくなります。
④ 完成!
スマホスタンドの角度が、直角から少し斜めになるようにブックエンドを曲げて、調整したら完成です。取り付けた木材のコの字部分から、充電コードを差し込むことで、充電しながら使うこともできますよ。
私はキッチンでお料理や洗い物をしながら、スマホを使いたいときにこのスタンドを使っています! もしかしたら今まで作ったもののなかで、一番使っているかもしれません(笑)
DIYリメイク術③ 着古したTシャツがプラントハンガーに!? いま話題の「Tシャツヤーン」
年末の大掃除シーズンで特に頭を悩ませがちなのが、着なくなった洋服の数々。いらないTシャツを使ってできるひも「Tシャツヤーン」で、プラントハンガー(植木鉢を天井から吊るす道具)を作ってみましょう。ヤーンとは英語で編み糸のことで、いま手芸界で人気のアイテムです。衣類の廃棄問題も話題になっていますが、着なくなった洋服を再活用することはエコにもつながりますよ♪
必要な材料と道具
- ◎着なくなったTシャツ数枚
- ◎はさみ
必要なのはたったの2つだけ! これだけなら買出しに行かずに簡単に取りかかれますね。長さを正確に図りたい人は定規やメジャーがあっても便利です。
Tシャツヤーンの作り方
① Tシャツをカット&引き裂く
Tシャツの裾に約3~4㎝の幅の切込みを入れます。切込み部分を手で引き裂くと、Tシャツの繊維に合わせて布がひも状に切れます。これがTシャツヤーンです。
1枚のTシャツから50cmくらいの長さのTシャツヤーンができました。他のTシャツも同じ方法でひも状にしていきましょう。さまざまな色やデザインのTシャツを使うと、色や柄の組み合わせを楽しめます。
② 8本の束を作ったあと、2本ずつ4つの束に分ける
Tシャツから作ったひもを8本束ねて、先端を余った別のひもで結びます。
8本のひもの先を、2本ずつ4つの束に分け、結び目から15cmくらいの位置でもう一度結びます。4束の結び目の位置がそろうように注意。
③ 両端を残し、それ以外のひもを隣同士で結ぶ
結び目の下のひもを2本に開き、両端は残して、隣のひもと結びます。結び目は、上の結び目から7cmくらいの位置で合わせるとちょうどいいです。
④ 両端のひもを結ぶ
両端の余ったひもを2本を手前で先ほどと同様に結びます。こうすることで、立体的な形になります。
⑤ さらに隣のひも同士を結ぶ
さらに、③の結び目の先のひもを2本に開き、隣のひもと結びます。結び目の位置は、上の結び目から5cmくらいの位置で合わせます。
⑥ 長さに余裕がある場合は、③~⑤を繰り返し、最後は余った部分を結んでカット!
長さに余裕があれば、これまでの工程と同様に、結び目の先のひもを2本に開き、隣のひもと結びます。結び目の位置は、上の結び目から3cmくらいの位置で合わせます。
最後に、一番下の結び目から2cmくらい下に、余っているひもをぐるりと巻いて、しっかりと結びます。上部と下部をハサミでカットして整えます。
植物を入れて吊るせば… 完成!
Tシャツヤーンで作ったプラントハンガーの完成です。玄関で消毒用アルコールを吊るしたり、トイレなどに吊るして芳香剤や消臭剤入れに使うのもおすすめですよ。
高さ約10cm×直径約9cmの植木鉢を入れるとこんな感じに。アルコール消毒などのボトルを入れてもかわいいです。
こんなアレンジもできちゃう
ミニハタキ
30cmくらいのTシャツヤーンを何本か束ねて真ん中で結びます。半分に折ったところに、古くなったお箸などの棒を差し込み、接着剤で固定すれば完成。年末の大掃除に大活躍してくれますよ。
愛犬用のおもちゃ
Tシャツヤーン12本を束ねて、片方の端を結んだら、3束に分けてぐるぐるとねじりながら三つ編みに。もう片端も結び、余分な部分をカットしたら完成。大好きな家族の匂いがついたTシャツでできているので、愛犬のお気に入りになること間違いなし!
大掃除で出てきたいらなくなったものも「捨てずにリメイクDIY」で、環境にもやさしく
年末の大掃除は家の中を一掃しリフレッシュするいいきっかけになりますが、DIYなどで少し工夫を加えてものを長く使うことで、ゴミを減らすことができて、環境にも配慮することができるんです。最近では、いらなくなったものを単に「リユース(再利用)」するのではなく、デザインやアイデアの力で新たな価値を加え、別のものに作り変える(=リメイクする)「アップサイクル」という考え方も注目を集めています。今回ご紹介したDIYのように、皆さんも使わなくなったものの再活用といった身近なことから、サステイナブルな社会について考えてみてはいかがでしょうか。
(掲載日:2021年12月13日)
監修・撮影:DIYクリエイター chiko
編集:エクスライト