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メタバースの魅力を『異世界おじさん』の世界で考察。さらにソフトバンクとの不思議な縁も発見!?

メタバースの魅力を『異世界おじさん』の世界で考察。さらにソフトバンクとの不思議な縁も発見?

ホットな話題であるメタバース。多くのメディアでいろいろな切り口から取り上げられています。今回は、異世界ジャンルを通してメタバースに注目。7月6日からTVアニメの放送が始まった『異世界おじさん』を題材に考察します。さらに『異世界おじさん』とソフトバンクの間には不思議な縁があることが判明。出版元のKADOKAWAに問い合わせたところ、主人公自らが取材に応じるという展開に!? 仮想か現実か? 異次元のインタビューもぜひお楽しみください!

目次

『異世界おじさん』の設定はメタバースに近い表現

『異世界おじさん』の設定はメタバースに近い表現

最新のメタバースの記事では、ARやVRに見る技術的なものや、視覚的な新しい見え方で提供するサービスなどへのアプローチが増えています。ですが仮想空間の中で、さまざまな世界を構築できることも、メタバースの醍醐味の一つです。

世界を構築するという点では、現実には存在しえない世界をイチから作り出せることも特徴です。とりわけ「異世界もの」と呼ばれるジャンルは定番で、特にファンタジー的な世界観では、マンガ・アニメ・ゲームで繰り返しモチーフにされています。仮想現実の世界で自分の分身となるアバターが剣や魔法で魔物を倒す設定などは、まさにメタバースそのものと言えます。

さて、7月6日からAT-X、BS11、TOKYO MXほかにてTVアニメが放送スタートし、Netflixほかでの地上波同時配信も始まった『異世界おじさん』もメタバースを体現する作品の一つです。

『異世界おじさん』とは

『異世界おじさん』とは

今回題材とした『異世界おじさん』(KADOKAWA/著者・殆ど死んでいる)は、「WebComicアパンダ」で連載中の人気コミック。単行本7巻までの累計が200万部を超え、7月からはTVアニメの放送が開始しています。

『異世界おじさん』の物語は、高校生のときに事故に遭った主人公“おじさん”が、17年ぶりに意識を取り戻すところから始まります。諸事情で、ほぼ面識のない甥のたかふみが身柄を引き受けたことから、2人は不思議な同居生活を送ることに。昏睡していた間、異世界に行っていたと主張する“おじさん”は、「頭の中を見せた方が早い」との理由から異世界で習得した“魔法”で、何もない空間に自分の記憶を映し出し、体験した出来事を語っていきます。

『異世界おじさん』の設定はメタバースに近い表現

“おじさん”の意識が17年も迷い込んでしまった異世界は、まさに仮想現実的な世界。さらにポイントは、頭の中のイメージを映像化して第三者に見せること。これはメタバースが進化した未来の姿を連想させます。こうした研究はすでに始まっていて、例えば脳内の血流動態反応などを人工知能が検知し、シンプルな図形であれば視覚化できるところまできているそうです。

マンガ・アニメ・ゲームをこうした視点で見ていくと、作品がまた違った見え方をしてきますよね。現在放送中の『異世界おじさん』も、また異世界系の他の作品でもどんなメタバース的な世界があるか、探してみると面白いかもしれません。

『異世界おじさん』はソフトバンクに関係が?

『異世界おじさん』はソフトバンクに関係が?

ところで、メタバースの特徴を持つ作品例として取り上げた『異世界おじさん』ですが、実は他にも、ソフトバンクから見て気になる点があります。以下のシーンをご覧ください。こちらはコミックス第1巻の62~63ページ、アニメ版では第2話に当たります。

『異世界おじさん』はソフトバンクに関係が?

17年間昏睡していた“おじさん”の意識は異世界にありましたが、彼は「これを見るまでは死ねない」という強い気持ちを持って生き抜いていました。この生還へのモチベーションに、どうやらソフトバンクのとある歴史が関わっていることが示唆されているのです。

せっかくなので、このナゾにも迫ってみます。

SEGAの伝説のゲーム機たちとソフトバンクの雑誌

セガの伝説のゲーム機たちとソフトバンクの雑誌

『異世界おじさん』の主人公である“おじさん”は、控えめに言っても濃いキャラクターですが、その一因は、SEGAという会社の家庭用ゲームをこよなく愛していることによります。

SEGAは、ゲームセンター向けのゲーム開発を主戦場としていた経緯から、自社の歴代の家庭用ゲーム機向けに、家でゲームセンターのゲームが遊べる移植版を多数制作。家庭向けオリジナル作品も、高い技術と独特の発想で、一時は業界トップを狙えるポジションになるなど、ユーザーの支持を得ていました。

しかし、SEGAのゲームはとにかく“クセ”が強いことが特徴で、高い技術力や独特の世界観は強みでもありましたが、良くも悪くもユーザーを選びました。やがて自社ゲーム機の開発を断念したSEGAは、他社のゲーム機にソフトを供給するいちメーカーとして再出発することになったのでした。

1993年に発売された『セガサターン』

1994年に発売された『セガサターン』

『異世界おじさん』に話を戻します。昏睡する前の“おじさん”は熱心なSEGA信者。“おじさん”が眠りから目覚めたときSEGAは家庭用ゲーム機開発から撤退していましたが、その愛情はタイムカプセルに保管される恰好になります。そんな“おじさん”をして「これを見るまでは死ねない」というほど続きが読みたかったのが『セガサターンマガジン』。そしてその雑誌を発行していた会社こそ、当時のソフトバンクだったのです。

“おじさん”が生還したとき、『セガサターンマガジン』(とその後継雑誌群)はすでに休刊。しかし、“おじさん”が欲していたものが、実は1年前(2021年7月)にソフトバンクのグループ会社のSBクリエイティブ社から『セガハードヒストリア』という書籍となって、復刊していたのでした!

つまり失われた17年分の記録がここにあったのです!

セガの伝説のゲーム機たちとソフトバンクの雑誌

『セガハードヒストリア』の詳細はこちらから

これらのことを『異世界おじさん』出版元のKADOKAWAにお伝えしたところ、“おじさん”が実際に手に取ってみたいということでインタビューが実現してしまいました。作品から飛び出してきた“おじさん”は、いったい何を語ってくれるでしょうか?

セガの伝説のゲーム機たちとソフトバンクの雑誌

“おじさん”スペシャルインタビュー! 『セガハードヒストリア』を手に17年分のSEGA愛を語る!

“おじさん”スペシャルインタビュー! 『セガハードヒストリア』を手に17年ぶんのSEGA愛を語る!

好調な滑り出しとなったTVアニメ『異世界おじさん』の主人公“おじさん”が、ソフトバンクニュースのインタビューに応えてくれました。SBクリエイティブから刊行中の『セガハードヒストリア』を眺めながら、現在の心境をぞんぶんに語っていただきます!

おじさん プロフィール

異世界おじさん

『異世界おじさん』の主人公。高校生の時にトラックにひかれ昏睡状態となったが、17年の歳月を遂げ生還する。その間意識が異世界に飛ばされていた。異世界時代に魔法を習得し、記憶を映像として投影するなどの能力を持つ。SEGAのゲームを愛しすぎるあまり、そのことがあらゆる言動や価値観のベースとなってしまっている。事故前はソフトバンクのゲーム誌の読者だった。

ゲーム雑誌の会社だと思っていたソフトバンクが携帯電話をやっている

17年ぶりに意識を取り戻したそうですが、世の中はどんなふうに変わっていましたか?

異世界おじさん

見た目には思ったほど変わっている様子はないですね。ただ、インターネットがかなり発達していて、これが非常に便利。何よりYouTubeのおかげでそこそこ収入があるので、異世界に行っている間のゲームを買いあさることができて助かります。

スマホというのもいろいろ便利みたいだけど、携帯電話のほうがボタンがいっぱい付いていて、未来的で気に入っています。あとはSNSを最近覚えました。『異世界おじさん』の公式Twitter(@Isekai_Ojisan)に時々登場するので、よかったら見てください。

「おじさん」が行っていた異世界は、私たちが考察を進めているメタバースに非常に近いものを感じています。

異世界おじさん

メ…メタ…? 異世界「グランバハマル」のことを、そう呼んでいるのでしょうか? それでしたら、あそこは弱肉強食の厳しい世界なので、もし選べるなら武器や職業は慎重に考えたいですね。私は見た目がオーク(編注:ファンタジー世界に登場する魔物)に似ていたせいで散々な目にあってしまいました。魔物に襲われていたエルフの女がいまして、せっかく助けてあげたのに、お礼どころか毎日つきまとってきては罵倒してきて……あの世界は容姿も大事だと思います。

ゲーム雑誌の会社だと思っていたソフトバンクが携帯電話をやっている

そもそもSEGAのゲームに興味を持ったきっかけは?

異世界おじさん

「個人経営のおもちゃ屋の片隅で、長方形ガラス張りのショーケースの最上段に鎮座して異彩を放つ黒いゲームハード」というのが、『メガドライブ』とのファーストコンタクトだったと記憶しています。

当時小学生だった私は、黒字に金のカラー、曲線を多用したデザイン、ゲームソフトの固くて大きなパッケージなどに、他のゲーム機とは違う独自性やアンダーグラウンドさを感じていました。

その後、別のおもちゃ屋の店頭デモで見た『ソニック2』のソニックとテイルスに胸を撃ち抜かれ購入を決意し、今に至ります。

その流れで『セガサターンマガジン』を?

異世界おじさん

小学校のときから『メガドライブ』で遊んでいました。SEGAを扱う専門誌は2つあって、気になる記事があるときに、両誌を気の向くままに買っていました。金銭的に毎号は無理でした…すみません。

それから、前述の個人経営のおもちゃ屋が、ゲーム雑誌の古めのバックナンバーを店内で読めるようにざっくばらんに置いてくれていたので、それを読んだりもしていました。『BEEP!メガドライブ』はとにかく文字の多い雑誌でしたが、隅々まで読んでいましたね。

クラスの人たちは『ファ●通』だったけど、SEGA系の雑誌はハードの雰囲気を反映してか、雑誌もクセが強くてそれがよかったんですよね。その流れで『セガサターンマガジン』(通称:『サタマガ』)も買っていました。

そういえば目覚めてからすぐに携帯電話を買いましたが、“ソフトバンク”というブランドがあることを知って、どこかで聞き覚えがあるなと思っていたら、そうそう、『サタマガ』を出していた出版社じゃないですか。なんでゲーム雑誌を出している会社が、携帯電話会社になっているのか? 詳しく教えてください。

編集部のSEGAへの愛? 怨念? が形になった『セガハードヒストリア』

編集部のSEGAへの愛? 怨念? が形になった『セガハードヒストリア』

ところで『セガハードヒストリア』を手に取った感想は?

異世界おじさん

異世界に行っている間、ずっとSEGAのことだけを考えて生きてきたので、こういう本が出ていることはとてもありがたいです。

事故にあった時期は『サタマガ』を読んでいましたが、SEGAのゲーム情報を週刊で出すなんてすごいエネルギーですね。毎週ネタを捻出する編集部の苦悩、お察しします。

この『セガハードヒストリア』も、そんな当時の人々、SEGA自身や出版社、SEGAファンの執念が形になったみたいですね。なかなかの価格設定(編注:16,500円(税込))だけど、SEGAファンなら持っていて当然ですね。

ですが…私は2000年頃以降の内容を読もうとすると、警告の鼻血が出てしまうんです。SEGAに関する重要な何かを忘れてしまっているのだろうか……。

付録のミニチュアは毎日眺めています。『メガドラタワー』の完成度が無駄に高くて、やはりサタマガ編集部はSEGAからのメッセージを感度高く受け取っているな、と。

編集部のSEGAへの愛? 怨念? が形になった『セガハードヒストリア』

最後に、アニメ化の感想をお願いします。

異世界おじさん

私の半生をアニメにしていただけるなんて、スタッフの皆さまには頭が上がりません。

私自身、毎週新鮮な気持ちで楽しんでいますので、視聴者の皆様にも引き続き楽しんでいただけると幸せです。

TVアニメ好評放送中!

TVアニメ『異世界おじさん』は、7月6日よりAT-X、BS11、TOKYO MX ほかにて放送中。Netflixほか、各種配信サイトにて地上波同時配信中です。詳しくは公式サイトをご覧ください。


©殆ど死んでいる・KADOKAWA刊/異世界おじさん製作委員会

©SEGA

テレビアニメ好評放送中!

『セガハードヒストリア』はまだ購入可能です!(※2022年7月現在)

1989年に創刊し、約300号、約5万ページにおよぶソフトバンクが刊行した歴代セガハードの専門誌を再編集。当時の編集部の中核スタッフや、SEGA側のキーマンへのインタビューを新たに行い、歴史資料価値を持つものを目指し制作されました。付録にはWindowsで遊べるゲームソフト10本やメガドライブのミニチュアなど付録も充実。SEGAファンにもゲーム好きにも必携の1冊。そろそろ在庫が尽きそうですが、記事掲載時点ではまだ購入可能。急げ!

発売日:2021年7月22日
ページ数:408
定価:16,500円(税込み)
購入はこちらから

『セガハードヒストリア』はまだ購入可能です!(※2022年7月現在)

ソフトバンクグループの出版事業についてはこちらの記事で紹介しています

(掲載日:2022年7月26日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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