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探しものも家事も時短に。ミニマルライフに学ぶ「持つモノ」「手放すモノ」の見極め方

探しものがなくなる。家事も時短に。誰でもできる“持たない”暮らし方をミニマリストが伝授

洋服、家電、生活雑貨やPC周辺機器など、日々の生活を充実させるため、さまざまなモノが欲しくなりますよね。その一方、物欲の赴くままに購入したモノが部屋に散在している人も多いのではないでしょうか。

そういったモノに囲まれた生活、実は時間と場所を取られる一因にもなっているのです。そこで今回は、自由な時間や心の充実へのヒントを知るために「持たない生活=ミニマルライフ」の専門家であるあやじまさんにお話を伺いました。

話を聞いた人

あやじまさん

あやじまさん

ミニマリスト・整理収納アドバイザー。アメリカでの半年間の暮らしがきっかけで、ミニマルライフに目覚める。整理収納や時短家事、家計管理のアイデアや工夫をInstagramにつづり、大人気に。ものを持たないのはもちろん、お金の流れやサービスまでを整えて、キャッシュレス&アプリ活用時代の新しいミニマリストとして活躍中。

目次

ミニマルライフのメリットは? “持たない暮らし” の心地よさ

ミニマルライフのメリットは? “持たない暮らし”の心地よさ

あやじまさんは、ミニマルライフを続けるにあたり心がけていることはありますか?

最近では、車や家電を所有せず、サブスクリプションやシェアリングなどのサービスも数多く登場していますよね。そういったサービスを有効活用していくことは心がけています。

ただ、ミニマルライフは「モノが少ないほどいい」と捉えられがちですが、それはミニマムライフと呼ばれる考え方ですね。2つの言葉は混同されがちですが、私の場合は、必要なモノに囲まれて心地よく暮らすミニマルライフを重視しています。なぜなら、モノを減らすことだけを目的にすると、心がすり減ってしまうから。モノが減った分、暮らしの楽しみも減ってしまった……という人をたくさん見てきました。

ミニマルライフとミニマムライフの違いとは?

ミニマムライフは、生きることができる最低限のモノだけで暮らすというストイックな考え。一方、ミニマルライフは、自分の価値観において必要最低限のモノを取捨選択して暮らす、という考え方です。自身のライフスタイルを尊重し、無理のない範囲で行う、という意味ではミニマルライフは、ソフトな考え方と言えます。

ミニマルライフには、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリットはたくさんありますが、今回は5つピックアップしてご紹介しますね。

ミニマルライフの5つのメリット

  1. 家事を減らせる

    モノが散らかっている部屋や棚は掃除しづらく、まずその片づけがおっくうですよね。部屋をすっきりさせることで掃除の手間や片づけるモノがなくなると、家族とのコミュニケーションが変わります。「誰が片づけるの?」「掃除ができない!」といった無駄なケンカがなくなりますし、心に余裕ができることで、家族に優しくできるようになります。

  2. 探しものがなくなる

    人は、年間150時間、探しものをしていると言われています。片づけの時間を合わせると、多くの時間をモノの捜索や移動に費やしていることになりますね。部屋の中にモノが少ないと、そういった時間が必要なくなるため、その自由時間をまるっと自分や家族のために使えるようになりました。

  3. 持ち物に愛着が湧く

    テーブルやイスなどのインテリアをはじめ、花瓶やクッションなど雑貨の一つひとつも吟味して選ぶため、モノに愛着が湧くようになります。長く使うために、定期的にお手入れをする時間も楽しい!

  4. スマホの中やキャッシュフローが整頓される

    ミニマルライフを実践すると、ごちゃごちゃしている状態に居心地が悪いと感じるようになります。私は、部屋の中だけでなく、スマホの中やお金の使い方を整頓するようになりました。その買い物が浪費なのか消費なのか判別できるようになると、お金も貯まりやすくなります。

  5. 行動の選択肢が増える

    持ち物の量を減らすことは、生きる自信につながります。「これだけあれば大丈夫」と身軽でいると、いろいろな選択ができるようになりますね。例えばいまは、子連れワーケーションできる北海道の施設に、子どもと2人で行こうと計画中。心も体も身軽にしておくと、面白いと思ったモノにパッと飛びつける行動力がつきます。

『スマホひとつで暮らしたい』という本を出版されていますが、あやじまさんはミニマルライフの中でどれくらいスマホを活用していますか?

生活のあらゆることでスマホに頼っています。仕事もほとんどスマホで行っていますし、持たない暮らしをかなえるために欠かせないツールだと感じますね。ここでは、普段活用しているアプリやサービスをいくつかご紹介します。

あやじまさんの著書

あなたのミニマルライフをサポート! おススメのスマホアプリやサービス

あなたのミニマルライフをサポート! おすすめのスマホアプリやサービス

リモコンアプリ 照明やテレビ、エアコン、加湿器などは、全てスマホや音声で操作。リモコンが見つからなくてイライラしたり、子どもが壊してしまったりする心配もなし。
パスワード管理アプリ さまざまなサイトに登録しているIDとパスワードを、アプリでひとまとめに管理。ログインするときは、顔認証によってクラウドからIDとパスワードの情報がおりてくるため、入力の手間がかからない。
家計簿アプリ 家庭のキャッシュフローもアプリで管理。レシートを取っておいたり、帳簿をつけたりする手間を省ける。
写真の管理アプリ 本棚に眠っている昔の写真アルバムもアプリに取り込んでデータ化。劣化の心配もないので、思い出をスマートに保管できる。オンラインストレージに対応しているか、などサポート体制が充実しているものがオススメ。
エンターテインメント系のサブスクリプションサービス 映像や音楽などの配信サービスのほか、音声プラットフォームのプレミアムリスナーに登録して、気になるトークを聞いています。モノを増やさないため、紙の本は買わず電子書籍を購入。
ソフトバンクプレミアム
SBプレミアム

DVDや本などを“持たない暮らし”に欠かせない、サブスクリプションサービス。「ソフトバンクプレミアム」では、NetflixやHuluなど人気のエンターテインメント系サブスクで、最大20%相当のPayPayボーナス還元が受けられるなど、豊富な特典が盛りだくさん。あなたのミニマルライフを後押ししてくれます。

ソフトバンク
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チェック

これまで、さまざまな個人や企業の片づけに寄り添ってきたと思いますが、ミニマルライフに適した人・適していない人はいると思いますか。

ミニマルライフに適していない人はいないと思います。片づけられない人は、手放す習慣がないだけなんですよね。片づけには正しい手順があり、どういうエリアやモノから手をつければいいか教えてもらうことで、次第に理想に近づいていくはずです。すぐに結果を出そうとするのではなく、2〜3年かかることを念頭に、じっくり進めていきましょう。

焦る必要はなく、自分のできる範囲から“持たない暮らし”を実現させることが大切なんですね。それでは実際にあやじまさんのクローゼットの変化をのぞいて、不要なモノの見分け方を学んでいきましょう!

自分にとって必要なモノを見極めるには? ミニマルライフの始め方

自分にとって必要な物を見極めるには? ミニマルライフのはじめかた

あやじまさんのクローゼットの変化。約200着の服を数年かけてわずか25着に整理。クローゼット自体もコンパクトに

ここからは、ミニマルライフの始め方について、より具体的に伺っていきます。まずは、「不要なモノ」の見極め方について教えてください。

見極め方のコツもいくつかあります。そのポイントをご紹介しますね。

「不要なモノ」を見極め、整理するためのコツ

  1. 収納棚やクローゼットなどを1週間ごとにチェック

    明らかに経年劣化していたり、使用期限が切れていたりするなど、捨てていいモノが1つは出てくると思います。

  2. 一度に片づけ切ろうとしないこと

    一気に片づけようと意気込んでも、長続きせず失敗します。同じエリアを繰り返しチェックすることで、最初は捨てられなかったモノも手放せるように。

  3. 「手放す感度」を徐々にアップ

    洋服や食器など思い入れの深いアイテムは難易度が高いため、まずは思い入れのない日用品や食品などをとにかく捨てます。そうすることで手放すモノを見極める目が養われ、「手放す感度」が上がると思います。

不用品は、フリマアプリなどを利用してお金に替えるのもありでしょうか?

フリマアプリはモノを一気に減らせないので、不要になった衣類を一度に回収してくれるサービスがおススメです。中には、途上国の子どもたちへワクチンを届けられる仕組みを築いているサービスもあるので、社会貢献という観点でもポジティブに利用できます。フリマアプリもモノを循環させるといった理念はすてきですので、不用品の見極めに慣れてきた人は、ぜひ活用するべきだと思いますね。

まだ使えそうなモノは、PayPayフリマへ
PayPayフリマ

PayPayフリマでは、アプリで簡単に出品でき、PayPayで支払いや売上金の受け取りも簡単にできます。この機会に試してみてはいかがでしょうか?

フリマアプリの始め方はこちらの記事で紹介しています。

アプリダウンロードはこちら

App Store

Google Play

あやじまさんは約200着あった洋服を、25着まで減らしたそうですね。自分にとって本当に必要なモノは、どのように見極めればいいでしょうか?

すぐにできるのは、クローゼット管理アプリを利用するやり方ですね。持っている服を全てスマホで撮影し、毎日着たものを選択することで、服の使用頻度をデータ化してくれます。新しく服を買うとき、手持ちの服と合うか判断するのにも使えますよ。
「自分の好きなモノがいまいちわからない……」という人は、パーソナルスタイリストやインテリアコーディネーターなど、プロに相談するのも手です。自分に合う服や、好きなインテリアの傾向がつかめると、必要なモノを見極めやすくなり、新しく買うときもこだわりを持って選べるようになります。

クローゼットの工夫

手持ちの靴の写真とコーディネートをクローゼットの扉に貼り、準備時間もスリムに

家具や家電を新たに購入するときに、なにか気をつけていることはありますか?

ドライヤーやスチーマーなどの家電は、家電のレンタルサービスを利用して比較検討してから購入するようにしていします。コロナ禍が始まった頃は、家具のレンタルサービスを利用してデスクをレンタルしていましたよ。そうすることで、買い物の失敗を避けたり、一時的に必要なモノであれば、数カ月で不要品になることを防げます。

一度片づけてすっきりしたのに、またモノを増やしてリバウンドのような状態になってしまう人もいると思います。ミニマルライフを継続するコツを教えてください。

洋服を1枚買ったら1枚手放す、人からモノをもらう流れをつくらないなど、自分なりのルールを決めることが大事ですね。私は、子どもが生まれたときに「お下がりはもらわない」といったルールを徹底して貫きました。誕生日プレゼントも「要らないからね」と言い続けて、5年たってようやく定着。そういうふうに周りに宣言することも、継続のコツかもしれません。

あやじまさんメッセージ

ありがとうございます。最後に、これからミニマルライフを始めてみようという方へ向けて、メッセージをお願いします。

SNSの中の風景を「正しい」と思って進めると、おそらく行き止まったり、消耗して終わったりしてしまうと思います。ミニマリストになることを目的とせず、どういう暮らしをしたいかまず考えてみてください。あまり思い詰めることなく、緩やかに進めながら、自分にとってどの程度の物量が「心地いい」か、見極めていくといいと思います。


ミニマルライフは、モノとの向き合い方を考えるひとつの手段。モノが少なければ少ないほどいいわけではありません。暮らしを豊かにするために、あなたの身の回りのモノやコトを見直すことも選択肢のひとつ、というあやじまさんの考え方から学べることも多いはずです。

(掲載日:2022年10月4日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト