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一度つけたら手放せない…! スマートウォッチ選びの4つのポイント

今からでも遅くない! スマートウォッチデビューのススメ

街中でも会社でもつけている人をよく見かけるようになり、かなり一般的になったスマートウォッチ。なんとなく興味はあるけれど、具体的にどんな機能があって、どういったシーンで活用できるのかをよく知らない人も多いのでは? そんな人が安心して「スマートウォッチデビュー」できるよう、デジタル&家電ライターのコヤマタカヒロさんに、スマートウォッチの基本的な機能や活用法、選ぶときのポイントなどを伺いました。

コヤマタカヒロさん

お話を聞いた人

デジタル&家電ライター

コヤマタカヒロさん

1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やウェブなどさまざまな媒体で執筆するデジタル&家電ライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有し、家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を運営。

購入前に知っておきたいスマートウォッチの基礎知識

購入前に知っておきたいスマートウォッチの基礎知識

そもそも、スマートウォッチとは一体どのようなものなのでしょうか? 基本的な知識をコヤマさんに教えていただきました。

コヤマさん

「スマートウォッチとは、腕時計型のウェアラブル端末のことをいいます。スマートフォンと連携して着信や各種アプリの通知を確認する、血圧や心拍数、消費カロリーを計測して健康管理に役立てる、などの使い方が可能です。さまざまなメーカーから販売されており、製品によって搭載されている機能が異なります。

こう聞くとなんだか難しく感じてしまうかもしれませんが、簡単に言えば『スマートフォンの一部の機能を身につけられる腕時計』です。スマートウォッチにしかない機能もありますが、どちらかといえば『スマートフォンでできることをより手軽に行える端末』といった感じ。スマホを出せない場面でも手軽に操作できるのがメリットですね」

スマートウォッチにはいくつか種類があるようなのですが、タイプ分けはできるのでしょうか。

コヤマさん

「スマートウォッチが出始めたばかりの頃は、いかにもデジタルガジェットな見た目なのでスーツには合わないという声もありましたが、最近ではスーツ姿でも着用している人が多く、ビジネスシーンでも普通に受け入れられています。アナログ腕時計のようなデザインになっているタイプも出てきていますよ。スリムな形状で必要な情報だけを表示できるバンドタイプはスポーツをする際でも邪魔になりません」

スマートウォッチで何ができる? まずは基本機能をチェック!

では、スマートウォッチで具体的にどのようなことができるのでしょうか。コヤマさんいわく、スマートウォッチの機能は「スマホと連携するとより便利になるもの」と「スマートウォッチならではのもの」に分けられるそうです。

スマホと連携すると、もっと便利になる機能

コヤマさん

「メールやLINEなどの新着通知は、スマホで確認できるので特に必要ないと思ってしまいがちですが、会議中など、仕事中にスマホを取り出して見るのがはばかられるような場面はけっこう多いんです。そんなときでも、スマートウォッチならさりげなく確認できるので、必要な通知を見逃すことがありません。

マイクとスピーカーが搭載されているモデルなら通話もできますし、時計ですのでもちろんタイマーやアラームといった機能も万全。AIアシスタントに話しかけてスマホを操作する、音楽アプリを操作することなどもできます。

スマホと連携できる機能例

  • メールやLINEなどの新着通知の確認
  • 通話機能
  • タイマーやアラームなどといった時間管理
  • NFC決済やQRコード決済の利用
  • AIアシスタント
  • 音楽アプリやイヤホンの操作
  • 睡眠の質のスコアリング
  • 歩行距離の計測

NFC決済やQRコード決済も、スマートウォッチならいちいちスマホを取り出さなくてもいいのでとてもスムーズ。改札にスマートウォッチをかざして通っている人を通勤時によく見かけますよね。

また、健康管理に役立てることもできます。ジョギングやウォーキングの際、距離や時間を計測してスマホとデータ連携を転送すれば、運動習慣づくりやモチベーション向上にもつながるでしょう。装着したまま寝ることで睡眠の質がスコアリングされるので、自分がよく眠れているのかどうかを知ることもできます」

スマホと連携すると、より便利に使える機能

スマートウォッチならではの便利な機能

コヤマさん

「一方、スマートウォッチでないとできないこともあります。例えば、サイクリングや水泳などワークアウトの記録。ウォーキングやランニングの計測も、常に身につけているスマートウォッチの方が正確に記録できます。

他にも、心拍数やストレスレベルの計測、血中酸素レベルの計測などは便利です。スマートウォッチは不整脈なども検知でき、『スマートウォッチで異常に気付いて病院に行ったら病気だった』という人も少なくありません。もちろん、医療器具ではないので全ての病気が分かるわけではありませんが、病院に行くきっかけになったり、スマートウォッチで記録したデータが医療行為に役立ったりすることもあります」

スマートウォッチでしかできないこと

もっと詳しく知りたいスマートウォッチの活用テクニック 7選

では、スマートウォッチ愛用者たちは実際どのように活用しているのでしょうか? よくある使い方からちょっと変わった使い方まで、コヤマさんに教えていただきました。

① 転倒検知機能による非常時の緊急通報

① 転倒検知機能による非常時の緊急通報

「つけている人が転倒したとき、あらかじめ登録しておいた連絡先に通知されたり、緊急通報ができたりするモデルもあり、高齢者の方の見守りなどに適しています。健康リスクが発生したときに対応する機能は今後どんどん増えていくでしょう」

② 歩数計測による運動管理

② 歩数計測による運動管理

「私は毎日夕飯の前にスマートウォッチを見て、例えば『今日150歩しか歩いてない』と思ったときは、夕飯までウォーキングするようにしています。自宅で仕事をしているとどうしても運動不足になりがちなので、なるべく歩数を意識していますね」

③ ジョギング時の走行記録

③ ジョギングの際の走行記録計測

「意外と知られていないのですが、GPSだけだと、都市部のビル街を走るときにうまく計測できないことがあります。その点、GPS以外の複数の衛星測位システムに対応しているモデルなら、都市部でも走行ルートが正確に取れます」

④ 登山のルートナビゲーション

④ 登山のルートナビゲーション

「登山をする方はスマートウォッチを使いこなしていることが多いです。事前にルートを設定することで、手元で簡単にルートや現在地、目的地への到着予測時間などを確認できます。また、ルートを外れたら通知が来る機能も。登山中に充電がなくならないよう気を付ける必要があります」

⑤ 気付きが欲しいタイミングのアラーム設定

⑤ 気付きが欲しいタイミングのアラーム設定

「お店でお酒を飲むとき、うっかり終電を逃さないよう、『終電まであと〇分』とアラームを設定しています。スマホだと外出先ではマナーモードなのでアラームに気付かないことが多いのですが、スマートウォッチなら腕に直接振動が伝わるので、どんな場所でもほとんどの場合気付くことができますよ」

⑥ 仕事のリズム作りや時間管理

⑥ 仕事のリズム作りや時間管理

「在宅勤務をしていると、ついつい同じ作業を長時間続けてしまったりすることはありませんか。

そんな人におススメなのが、仕事中にアラームを30分とか1時間ごとに設定し、鳴ったら別の作業に切り替えるようにすること。ストレッチなどの小休止を挟む合図にしてもいいですね。長時間同じ作業をするよりも集中力が持続できて、仕事の効率が上がりますし、毎日の仕事のリズム作りにもつながります。仕事の時間配分がうまくいかない… という方は試してみるといいかもしれません」

⑦ 健康状態のログやチェック

⑦ 健康状態のログやチェック

「スマートウォッチは医療器具ではないので睡眠時間などのデータを医療行為に使うことはできません。しかし、定期的に記録しておくことで『ここ2週間くらい、睡眠時間が毎日3時間くらいと短すぎる』などの自分の健康状態の異変を察知するきっかけになります。病院で医師に相談する際も具体的なデータを見せれば原因が判明しやすくなるということもあるかと思います。

スマートウォッチは腕に密着する部分にセンサーがあるため、ついついキツめにつけてしまいがちですが、ゆるめに巻いてもデータはしっかり取れますよ」

生活のさまざまな場面で活躍するスマートウォッチ。でも、一日中身につけていると一体いつ充電すればいいのでしょうか…?

コヤマさん

「スマートウォッチは基本的に睡眠の記録を取るために寝るときもつけているので、充電のタイミングが難しいですよね。おススメはお風呂に入るときです。防水のモデルでもつけたままお風呂に入る人は少ないと思いますので、入浴している間に充電しておくとちょうどいいですよ」

スマートウォッチ選びの4つのポイント

スマートウォッチを選ぶポイント

ここまでスマートウォッチの基本機能や活用法などを紹介してきましたが、実際にスマートウォッチを購入する際はどんなポイントを意識すればよいのでしょうか。コヤマさんによると、4つのポイントがあるそうです。

ポイント① 使っているスマホに対応しているか

コヤマさん

「まずは大前提として、自分のスマホのOSに対応しているスマートウォッチを選ぶようにしましょう。

iPhone を使っている方であれば、『WatchOS』のスマートウォッチ。iPhone への着信やメッセージの確認、Siriの音声アシスタントなども使えます。

Androidを使っている方であれば、『wearOS by Google』のスマートウォッチ。Gmailや Google アシスタント、Google マップ、YouTube Music、Google 翻訳といった、さまざまな機能が搭載されています」

ポイント② 使いたい機能が搭載されているか

コヤマさん

「忘れてはいけないのが、そもそもスマートウォッチで何をしたいのかという点。ビジネスシーンやプライベートで普段使いする場合は、通知機能が充実したモデルが便利です。スポーツや登山で使いたい場合は、GPS内蔵タイプがおススメ。健康管理が目的なら、ユーザー数が多いOSを搭載したスマートウォッチのほうが高精度です。

なぜかというと、睡眠やストレスレベルはメーカーごとに独自のアルゴリズムで算出されるため、ユーザー数が多いOSのほうが高精度になります。ただ、そこまで高精度のモデルを選ばなくても、基本的な健康管理は行えますよ。とにかく、自分の使いたい機能が搭載されているかどうかは購入前に必ずチェックしておきましょう」

ポイント③ 自分の好みに合うデザインか

コヤマさん

「身につけるものなので、機能だけでなく見た目も大事。スマートウォッチの大まかなタイプのところでも少し触れましたが、最近では一見するとアナログ腕時計のようなデザインのモデルも増えています。職種によっては、フォーマルな場でも浮かないデザインのものを選ぶといいでしょう。ジョギングやサイクリングなどのスポーツシーンで使いたいなら、スマートなバンドタイプのものがおススメ。また、本格的なアウトドア機能を備えたモデルはデザインもゴツめ。そこがかっこいいので、アウトドアをする人には人気ですね」

ポイント④ 予算に見合うか

コヤマさん

「最終的な判断は金額になってくるかと思います。1万円程度から5万円前後まで、いろいろな価格帯があるので、スマートウォッチデビューをしたいなら、まずは手頃な価格のものを買って試してみるのも一つの手です。

と言うのも、せっかく高機能なスマートウォッチを買ったけどアラームしか使ってないという人は意外と多いんです。自分にはどんな機能が必要か見極めるためにも、まず安いものを買ってスマートウォッチデビューしてみるといいでしょう。より多機能なものが欲しくなれば、また買い替えていくこともできますしね」

スマートウォッチはバンド交換でさらに楽しく!

スマートウォッチはバンド交換でさらに楽しく!

スマートウォッチは自分でバンドを交換できることも特長の1つ。きれいめとカジュアルめ、シックとカラフル、オフィスとアウトドアなど、バンドを付け替えることでその日の気分やTPOに合わせたコーディネートができるんです。もしもデザインに飽きたり、身近な人とかぶってしまったりしても、バンドを替えれば全く違った印象に。複数のバンドでスマートウォッチコーデを楽しみましょう!

さまざまな機能があって便利なスマートウォッチ。使いこなすことで、運動習慣が身についたり、健康意識が高まったり、仕事の効率が上がったりするかもしれません。迷っている方は、ぜひこれをきっかけにスマートウォッチデビューしてみては?

毎日の生活をサポートするスマートウォッチを選ぼう

毎日の生活をサポートするスマートウォッチを選ぼう

基本機能や選ぶポイントが分かったら、自分のライフスタイルに合ったスマートウォッチを選んでみませんか。

  • 記事内で撮影に使用した製品は、Google Pixel Watch 2(Google)、 ScanWatch Rose Gold Blue(Withings)、その他はコヤマさん、編集部スタッフの私物です。

(掲載日:2024年3月28日)
文:吉玉サキ
写真:山野一真
編集:エクスライト