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Google Workspaceには、Gemini for Google Workspace という生成AIの機能があり、この機能の一部に「Gemini アプリ」というチャット形式のアプリがあります。
今回はこのGemini アプリに追加された「Gems」という専門的な事柄のやり取りをするためのBot機能がリリースされたので紹介します!
Gemini アプリとは前述した通りChat のアプリですが、AIとやり取りするためのChat アプリでGoogle Chatとは別物になります。
Gemini for Google Workspace の中で現在日本語対応しているのがこのGemini アプリのみになります。(2024/08末現在)
※2023年に話題になったChatGPT と同様のChatアプリになります。
この Chat 形式のアプリですがその他の生成AIと同様に「ハルシネーション」という、簡単に言うと「嘘」の回答をすることがあります。
Gems はそのハルシネーションを可能な限り抑えたChatボット(以降、Gem と表記)を作成するための機能になります。
Gems の利用方法(Gem の作成方法)を紹介します。
現状、本作業ができるのはGemini Enterprise / Gemini Business ライセンスが付与されているユーザー限定です。
※ライセンスが付与されていない方はこの後出てくる「Gem の作成」ボタンがクリックできません。
まず、Gems と Gem ですが、それぞれ以下のような違いです。
Gems :個別のチャットボットを作るための機能名
Gem :Gems の機能を使って作られた個別のチャットボット
まずGemini (gemini.google.com)を開きます。
画面左側で「Gem マネージャー」をクリックし、開いた画面の右側にある「Gem を作成」ボタンをクリックします。
次にGem が回答するために利用する情報を入力します。
今回は以下の公開されている Google Workspace のセキュリティホワイトペーパーのPDFの中身を全てコピペして貼り付けました。
この「カスタム指示」が重要で、どのようなことを回答するか、回答するGem の役割など可能な限り詳細に記載してあげるとよいかと思います。
カスタム指示を入力した後、必要に応じて右側でテストしてみて問題なければ「保存」で閉じます。
保存を押すと以下のポップアップが出てきますので閉じれば完了です。
これだけで専門性の高いGem を作ることができました。
作成が完了すると画面左側に作成したGem が出来上がっているので、それをクリックするとGem に質問ができるようになります。
試しに「RTOとRPOの目標値は?」と質問してみます。
※RTO/RPOの説明については外部サイトを参照してください (リンク先:Google 検索)
返ってきた回答は以下の通りです。
どちらも「ゼロ」が目標値になっていると回答されました。
実際にPDFを開いて中身を見てみると正しく回答が返ってきてることがわかります。
他にも「取得している認証を教えて」と聞いてみます。
これも正しい回答が返ってきました。
以下がPDF上の記載です。
作成したGem の編集も可能です。
Gem の右側にある3点ボタンから編集メニューを開くことが可能です。
ここで少しカスタム指示で遊んでみようと思います。
前述した通りカスタム指示にはGem の「役割」などを記載したほうが良くなります。
編集画面でその役割を与えてみます。
試しにGem を熱血漢にし、回答も熱く回答するようにして質問をしてみたところこうなりました。
熱く回答してくれました。
この程度の指示でこれぐらいのことをやってくれるようになるのは楽ですね!
Gem に各地域の言葉で回答させることも可能です。
今回は「RTOとRPOの目標値を教えて」とだけ入力しました。
本来、生成AI を使用したチャットを使う場合、本来は「役割、目標、対象、制限、フォーマット」などを指定することが望ましいと言われています。
例えば「あなたはGoogle Workspace のスペシャリストです。Google Workspace のセキュリティチェックをするために情報を集める必要があります。Google WorkspaceのRPO/RTOについての情報を教えてください。回答は箇条書きで〜」
といったイメージですが、これを「プロンプトエンジニアリング」と言います。
ただ、そうは言ってもそんなプロンプトを考えていたら時間がもったいないとか、そもそも書けないといった方が出てきてしまいます。
Gems を使用するとそういったプロンプトの「役割、目標、対象、制限、フォーマット」などを最初から入力済みにしておき、省略できるようになります。
業務の内容に応じてGem を複数作成することをお勧めします。
最初にハルシネーションの話をしました。
今回の質問をGems を使用していない通常のGemini アプリに回答させると以下のように誤った回答が出てきます。
※正しい回答が出てくることもあります
しかし、セキュリティホワイトペーパーを読み込ませたGem は正しく回答してくれました。
このように回答のもととなる資料を与え、回答精度を向上させることをRAGと言います。
Gems はこのRAG環境を簡単に提供するための機能にもなっています。
Gem を作成し終わったときに以下のポップアップが出てきます。
赤枠で囲った部分を読むと、AIの学習に使われてしまうと記載があります。
入力した内容をAIが学習で使うと社外の人がAIを利用したときに情報が漏れてしまうリスクが発生してしまいます。
※Gemini に限らずその他の生成AIでも発生してしまうリスクです
Gemini for Google Workspace の場合ですがですが、管理コンソールの以下の設定を変更することで、AIの学習に使われることを防げます。
管理コンソール > 生成AI > Gemini > ユーザーアクセス の画面です。
この設定で赤枠の方の設定にしておけば、ポップアップに学習で使われると書いてあっても気にする必要はないとGoogle サポートから回答をもらっていますので安心して利用してもらえればと思います。(2024年8月末時点)
※Gems 以外のGemini for Google Workspace の機能を使う場合も上記赤枠の設定にすることを推奨します
Gems は上記のように「プロンプトエンジニアリング」の手助け、「簡易的なRAG環境」の構築に使える機能になります。
今はカスタム指示にテキストを貼り付けることしか出来ませんが、今後仕様変更が入って、もっと便利になると思います。
今のうちにテストしてどのようなことができるかを検討しておくと良さそうです!
個人的にはお客様からよく依頼されるSaaS製品のセキュリティチェックシートの回答に使えないかな?などと考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回も乞うご期待!
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