Gemini サイドパネルを活用!スプレッドシートでのデータ分類とダミーデータ作成術

2025年5月23日掲載

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皆さん、こんにちは。

Google Workspace 導入/技術支援チームです。
お客さまがGoogle Workspace (GWS)を導入する中で出てきた課題や、要望、お困り事などを解決するためのTIPS等について、私たちSEのGWS 利用方法を踏まえて発信しています。

スプレッドシートのサイドパネルの機能が強化され、シート内のデータの分析ができるようになりました

この記事では、スプレッドシート上のデータの整理と分析、データの作成などどのようなことができるかを検証してみました。

 

目次

この記事では
  • Google Workspace のスプレッドシートの Gemini サイドパネルを使ったデータ分類やデータ作成方法を説明しています
  • エンドユーザー向けの業務効率化手段です

分析対象データ

分析対象のデータは、クレジットカードの利用明細を模したダミーデータになります。

今回はクレジットカード上の利用明細のWebページからコピー&ペーストした請求明細データをという想定でのデータです。カード会社次第ではCSV出力できるので楽なのですが、今回はCSV出力ができなかったので、Webページからコピー&ペーストしたものとなり、整理がされていない状況となっています。

このようなすこし雑なデータをGeminiが分析できるかを見ていきます。

スプレッドシートのサイドパネルで分類する元データ

このシートを用意して、サイドパネルに「このシートって何が書いてあるの?」と聞くと以下のように返ってきます。

サイドパネルによるデータの要約

プロンプトを実行しなくてもファイルを開いたばかりだとサイドパネルの一番最初にファイルのサマリーがすでに表示されています。

Gemini サイドパネルの要約

データを分類して整理する

この整理されていないデータをスプレッドシートのサイドパネルを使用するとカテゴリごとに分類したり整理したりすることが可能になります。

プロンプトは以下になります。

資料の内容はクレジットカードの利用明細です。 記載の内容をカテゴリごとにまとめて表にしてください。 データは以下の順で並んでいます。
・使用場所
・利用日
・金額
カテゴリとは医療費や食費などを指します。
5種類程度に自動でまとめてください。 
また、金額ごとに行を分けてください。
日付は出力しないでください。

サイドパネルに出力されると以下のようになります。

サイドパネルで整理・分類した結果

自動的にシートにも表を差し込む事もできますが、内容を確認した後「Insert」をクリックすることでも表を追加できます。また、カテゴリも自動で適用されていることがわかると思います。
※データをマスクしてしまっているため正しいのか分かりづらい部分もありますが、実際は正しい状態となっていました

整理されていないデータも、規則が決まっていればGeminiが整理と分類をしてくれるので、とても楽になると考えられます。
注意点として量が多すぎると途中で表が切れてしまうことがありますので、整理されたデータの確認は元のデータとの突き合わせを行うようにしてください。
また、分類も「よくあるもの」であれば正確に分類してくれますが、検索サイトで検索してもそれが何なのかわからないようなデータの場合は、分類精度も落ちてしまうので注意してください。たとえば、何かを購入したときに使用場所が実際に利用した施設とは違う「会社名」になっていてそれが何の会社なのかがAIが判断できないとき等は本来とは別の分類になってしまうことがあります。

 データ作成

上記のように分析・分類にサイドパネルを利用できますが、その他にもデータの作成がサイドパネルでできるようになっています。私が特に便利だと思うのはテストのためのダミーデータの作成です。
例えば、アンケートの結果を分析する方法をチェックしたい場合、アンケート結果のダミーデータを作成してもらうことも可能です。

プロンプトは以下です。

Sheet2にダミーデータを作ってください。
データの内容はとあるサービスの利用満足度を調査するようなアンケートです。
ヒアリング項目は5個ぐらいで回答数は500程度のダミーデータを作成してください。

ダミーデータの準備も時間がかかると考えられますので、スプレッドシートのサイドパネルは工数削減に大きく貢献してくれそうですが、上記の注意点としては500レコードは作ってくれなかったところです。5行ぐらいは作ってくれて、その後残りの495行分は簡単に作るための関数を教えてくれたのみとなります。上記のようなアンケートのダミーデータ以外にも個人情報リストなどもダミーデータの作成が可能になりますのでデータ保護のテストなどのためのデータ作成にも利用は可能です。

また、データ分類及びデータ作成ですが、人によっては思うようにいかない場合もありますので、上手くいかない場合は後日またチャレンジしてみていただければと思います。
なぜかというと複数のアカウント(異なるテナント)で同じことをやっても、うまくいくアカウントと、上手く行かないアカウントがあったりします。でも後日やると上手く行ったりっていうのも出てきます。
Gemini だと結構よくありますので参考にしてもらえればと思います。

まとめ

スプレッドシートのサイドパネルを使用すると、整理されていないデータもカテゴリごとに分類して整理することができるようになります。整理されたデータをこの後、グラフ化したりピボットテーブルなどを使ってまとめて分析したりするといったことも可能になりますので、データの整理という大幅な効率化につながるツールになると思っています。

また、何よりも Gemini が良いと思うところは、プロンプトがそこまで細かくなくても意図を汲み取ってくれるところだと思っています。

今まで生成AIで何かを作るときはプロンプト作るのに時間を掛けて、出力された結果をチェックして・・・みたいな工数がかかってましたが、Gemini ではプロンプトを作るのに時間を掛ける必要がないのでこの点も工数削減に繋がっていると考えています。

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