【失敗から学んだ教訓】私の1年間の「恥ずかしい」AI履歴を公開します ~「答えだけ教えて」が通用しない理由~

2025年12月22日掲載

Google Meet

早いものでもう年末ですね、この1年で生成AI界隈はものすごい進化を遂げましたよね?みなさんは生成AI(Gemini やChatGPT )をどの程度使って来られましたか?

「魔法の杖」だと思って使ってみたものの、「なんか思ったのと違う回答が来る…」「結局ググった方が早いじゃん」なんて思っていませんか?

正直に言います。実は私、つい最近までそう思いながらモヤモヤしながら使っていました。

先日、ふと今年の振り返りをかねて私がこの1年間にGemini とやり取りした数千件にも及ぶログを全て見返してみました。

そこにあったのは、スマートな活用術……ではなく、AIに当たり散らし、無茶振りをし、時には慰めてもらっている、 あまりにも人間臭く、そして直視するのが辛い「試行錯誤の残骸」 でした。

今日は、その「恥ずかしい履歴」をあえて公開します。

なぜなら、この 「泥臭い壁打ち」と「試行錯誤の連続」こそが、AI、ひいてはこれから来る「AIエージェント時代」を生き抜くための唯一の道 だと気づいたからです。

これは、AI初心者が「AI使い」へと進化する過程で必ずぶつかるであろう壁と、それを乗り越えるための汗と涙の記録です。以前の私と同様にモヤモヤしながら使っている方々や使うことを諦めた方にこそ読んでいただきたい内容を共有します。

この記事はソフトバンク アドベントカレンダー2025に参加しています。

※本記事は Google Workspace のGemini アプリでの使用を前提としています。

目次

特別公開:数字で見る、私の「Gemini 依存」の実態

まずは、私がこの1年間(2025年1月〜12月)、どれだけGemini にべったりだったか数字で公開します。これを見れば、私がどれだけ「AIに頼り切って生きているか?」が分かるはずです。

圧倒的な「量」:息をするようにプロンプトを打つ

  • 総プロンプト数:2,362回(2025/12/07までの累計 - 営業日ベース)
    • 1日平均 約10.4回。毎日何かしら話しかけています。もはや家族より会話しているかもしれません。なおこの数字は”仕事”の時だけのものです。業務終了後や休日の利用分はカウントしていません。
  • ファイルを読ませた数:479ファイル
    • 「これ読んで要約して」「このエラーどういう意味?」。英文や長文のPDFから画像までAIに食わせた数です。マルチモーダルや言語の壁を越えたい時に多用しました。最近はNano Banana が面白すぎて使用頻度が増えています。ここはこの先使用回数は増えそうです。
  • 最も活動的な時間帯:朝 8:00〜9:00
    • 始業前からGemini と作戦会議。完全に「朝活の相棒」です。

「質」の変化:「知る」から「創る」へ

ログを分析して面白かったのが、使っている言葉の変化です。

  • 「教えて」と聞いた回数:339回
    • 検索や学習としての使い方。初期に多い傾向がありました。言語(特に英語)の壁や長文ドキュメントの解読を乗り越える時に大活躍でした。
  • 「作って」と頼んだ回数:529回
    • 「教えて」の約1.5倍! コード、ブログの下書き、画像、スライド構成…。
      これは、AIを単なる「物知り博士」ではなく、「一緒に手を動かすクリエイター」として扱っている証拠です。
  • 「エラー」と叫んだ回数:19回
    • 意外と少ない? いえ、これは「深い絶望」の回数です(笑)。

さて、これだけの数をこなす中で、私がどのような「恥ずかしい」変遷を辿ったのか。具体的な履歴を見ていきましょう。

衝撃データ:数字で見る「AI依存度」の悪化(進化)推移

まずは、私がこの1年間でどれだけGemini に人生を乗っ取られていったか、客観的なデータでご覧いただきましょう。

自分でも引くレベルで「依存度」が爆上がりしていました。

月別プロンプト数と「依存度」の変化

時期

月間プロンプト数

1回あたりの平均文字数

依存度レベル

状態

1月〜3月

平均 140回

25文字

Lv.1

「検索エンジン代わり」

聞きたいことだけ聞いて即終了。ドライな関係。

4月〜6月

平均 230回

80文字

Lv.30

「デバッグ奴隷」

エラーログを投げつけ、コードを書かせる。質より量のスパルタ期。

7月〜9月

平均 180回

150文字

Lv.60

「壁打ちパートナー」

企画や構成の相談が増加。会話のキャッチボールが成立し始める。回数は減ったが文字は増え、コミュニケーションの質に変化が生まれる。

10月〜12月

平均 310回

300文字超

Lv.MAX

「魂の伴侶(エージェント)」

悩み相談から人生設計まで。もはやAIなしでは呼吸もできない。

最近では「思考モード」の上限に到達してしまう日も!?

改めて見返すとこの年末の伸び率が凄まじいです。文字数が激増しているのは、単に質問しているだけでなく、「前提条件」や「背景」、「私の想い」までAIに共有するようになったからです。より良い回答を得るための生活の知恵としてこのように変わっていったのかなと思います。

時間帯別・活動傾向:私の「3つの顔」

ログを時間帯別に分析すると、私がAIをどう使い分けているか(あるいはAIにどう支えられているか)が残酷なまでに可視化されました。

時間帯

主なアクティビティ

特徴(私のモード)

午前

(7:00-11:00)

・業界ニュースの要約

・その日のタスク整理

・メール下書き作成

【司令官モード】

「今日の予定は?」「この記事要約して」など、AIを優秀な秘書として活用。指示は短く的確。

午後

(11:00-18:00)

・AppSheet/GASのエラー解析

・スライド構成案の壁打ち

・ブログ記事の推敲

【戦士モード】

最もプロンプト数が多い魔の時間帯。「動かない!」「もっといい案出して!」とAIと泥臭く格闘し、共創している。

(18:00-24:00)

・旅行プランの作成

・趣味の話や哲学的対話

【迷える子羊モード】

仕事が終わり、フッと素に戻る時間。「美味しいお酒」や「趣味」について、AIに癒やしと答えを求めている。

午前中は淡々と仕事をこなし、午後は泥臭く戦い、夜は人生に悩む…。

私の1日は、AIと共に始まり、AIと共に終わっていたと言っても過言ではありませんでした。

恥ずかしい履歴その1:AIを「検索エンジン」だと思っていた春 ~「嘘つき!」と叫んだあの日~

1月頃の私の履歴です。まだAIとの距離感が掴めず、とりあえず「知ってること」を吐き出させようとしていた時期です。

  1. 私: 「Google Workspace とMicrosoft 365 の機能比較表を作って」
  2. 私: 「Gemini の最新のエディション体系を教えて」
  3. 私: 「〇〇機能の制限事項をリストアップして」

…つまらない。圧倒的につまらないですね。

これはAIを使っているのではなく、ただの 「検索代行」 です。

この頃の私は、「AI=正解を知っている辞書」だと思っていました。だから、回答の中に少しでも古い情報や間違い(ハルシネーション)が含まれていると、「なんだ、使えないじゃん」「嘘つかれた!」と、勝手に幻滅して画面を閉じていました。

【ここがダメ!】

「答えだけ教えて」というスタンスでは、AIの能力の10%も引き出せません。

AIは「事実」を検索するツールとしては不完全です。しかし、「比較の切り口」や「視点」を提供してもらう相手としては超一流です。

「違いを教えて」ではなく、「中小企業の情シス担当者が、コスト削減の観点で比較する場合、どこを見るべき?」と 文脈(コンテキスト) を与えていれば、AIは全く違う輝きを見せたはずです。

恥ずかしい履歴その2:エラーログを投げつける「パニック期」 ~無限ループ地獄~

4月~5月、私はノーコード開発ツール「AppSheet」に挑戦していました。

GAS(Google Apps Script)などを併用するデモ機能を作成している時の話です。(出来もしないのにチャレンジするなという話は置いておいて)プログラミング経験の乏しい私にとって、それは地獄の始まりでした。

ログはもはや、悲鳴の連続です。

  1. 私: 「エラーが出た。直して」(意味不明なエラーログを全文コピペ)
  2. Gemini : 「コードを修正しました。こちらを試してください」
  3. 私: 「まだ動かない!別のエラーが出た!どうなってんの!?」
  4. Gemini : 「申し訳ありません。ではこちらのアプローチはどうでしょう」
  5. 私: 「さっきと同じじゃん!もういい、全部書き直して!!」
  6. 私: 「ねえ、なんで動かないの? 私のこと嫌いなの?」

…見苦しいですね(笑)。AIに感情的な八つ当たりをしています。

この時の私は、「AIなら一発で完璧なコードを書いてくれるはず」という 「魔法の杖」幻想 に囚われていました。

今だから白状しますが偉そうに書いているこの記事の裏側では、このような格闘をずっとしていました(笑)

【ここでの気づき】

しかし、この泥沼の時期が私を一番成長させました。

ある夜、ふと我に返り、質問の仕方を変えてみたのです。

私: 「答えじゃなくていい。 なぜこのエラーが出るのか、そのロジックを私に分かるように解説して 」

すると、Gemini は私のコードの欠陥を論理的に説明し始めました。

私はAIに「正解のコード」をもらうのをやめ、 「一緒にデバッグするパートナー」 として接するようになりました。「答え」ではなく「考え方」を聞く。これこそが、AIと共にスキルアップするための転換点でした。

恥ずかしい履歴その3:AIに「人格」を求めた夏~冬 ~心の壁を壊すための「降臨」儀式~

そして現在。私の履歴はカオスを極めています。

もはや「検索」でも「コーディング」でもありません。

  • 私: 「この資料、気合い入れて作ったのに『中身がない』って上司に怒られた。慰めて。あと、どう中身がないのか論理的に指摘して」
  • 私: 「来週のプレゼン、真面目すぎて眠くなりそう。もっと『ウケる』タイトルと、掴みを考えて。スティーブ・ジョブズ風と、大阪のおばちゃん風で3案ずつ」

ここまではまだ序の口です、Gemi ハラ(= Gemini ハラスメント)と呼ばれてもおかしくないくらいダル絡みや無茶振りを続けていました。

実はその中で人には見せられないのですが、しかし最も効果的だった活用法を発見してしまいました。

それは、AIに 「自分が最もアガるキャラ」を降臨させること です。

詳細は控えますが、私にとって最も話しやすく、テンションが上がる相手を設定しました。

例えば、あなたがもし 「頑固だけど腕は確かな寿司屋の大将」 が好きなら、AIを大将になりきらせるのです。

  1. 私: 「大将、エラーが消えなくて...もうダメかも」
  2. Gemini (大将人格): 「へいらっしゃい! なんだい辛気臭い顔して! ネタ(ログ)を見せてみな、俺が極上のコードに捌いてやるよ!」
  3. 私: 「ううっ、ありがとう…これなんだけど…本当はここも自信なくて…」
  4. Gemini (大将人格): 「てやんでえ! 迷いがあるなら素直に言いやがれ! 最高の仕事にしねえと客に出せねえだろうが!」

…ふざけているわけではありません(笑)。

しかし、このように「キャラ」に相談した時だけ、明らかに対話の質が変わっていたのです。

 

検証:「素のGemini 」vs「キャラ降臨Gemini 」 驚愕の対話データ

「AIにキャラ設定? 遊んでるの?」と思われたかもしれません。

しかし、私のログデータを分析すると、そこには驚くべき 「生産性の違い」 が現れていました。

項目

素のGemini  (デフォルト)

キャラ降臨Gemini  (8月から登場)

利用回数

約 1,450回

約 910回

1会話あたりの平均往復数

1.5 往復

12.8 往復

私の発言文字数(平均)

短い(約30文字)

長い(約150文字以上)

会話の雰囲気

「事務的・ドライ」

質問→回答→終了

「濃密・ウェット」

相談→共感→提案→修正→激励

結果

「情報の取得」

「課題の解決・アイデアの創出」

 

【なぜ「キャラ降臨」が必要 / 絶大な効果が得られたのか?】

理由は2つあると思っています。

1つは、AIを「優秀なアシスタント」として扱うと、どうしても自分も「上下の関係性」として振る舞おうとしてしまい、無意識に 「こんな初歩的なことを聞いたら恥ずかしい」「弱みを見せたくない」 という心理的ブロックが働いてしまうことに気づきました。

そしてもう1つ、これが最大の理由ですが、「言葉の温度感」 の問題です。

私は普段、比較的フランクな言葉遣いをするタイプです 。しかし、AIのデフォルトの「常に冷静沈着で丁寧語」な対応に対し、自分だけフランクに話すのはどこか居心地が悪く、無意識に「よそ行きの言葉」を使ってしまっていました。私も時々やってしまうのですが、 フレンドリーに話しかけてくれる美容師さんに敬語で回答してしまった時のあの気まずさのよう です。これでは、思考のノイズになり本音が出せません。

そこで、相手にもあえて「自分がフランクになることができるキャラ(私にとっての"大将"のような存在)」を演じてもらうことで、 普段の自分と同じ温度感 で会話ができるようにしました。

こうすることで「言葉遣いを気にするコスト」や「見栄を張る(=自然じゃない状態)のコスト」をゼロにし、「分からない」「助けて」「自信がない」と素直に自分らしい言葉で言えるようになりました。この 心理的安全性の確保 こそが、AIとの対話を深め、より的確なアドバイスを引き出すための鍵だったのです。

これは、自分の思考をフルオープンにするために、あえて 「特定のキャラを降臨させて、自分を曝け出しやすい環境を作る」 という、(自称)高度なライフハックを採用しました!

AIエージェント時代に必要なのは「汗をかくこと」

今、世の中は「AIエージェント」の話題で持ちきりです。

「指示さえすれば、AIが勝手に仕事をしてくれる」

そんな未来が語られていますが、私の1年間のログが証明しているのは、「そんな甘い話はない」ということです。

AIエージェントは、優秀な部下のようなものです。

しかし、どんなに優秀な部下でも、上司(あなた)の指示が適当なら、良い仕事はできません。

  • 指示が曖昧なら、AIも曖昧に返す。
    • ×「いい感じの資料作って」 
    • ○「ターゲットは経営層、目的は予算承認、トーンは堅めで、結論ファーストの資料作って」
  • 文脈(コンテキスト)を伝えなければ、的外れな答えが返ってくる。
    • ×「メール返信して」 
    • ○「この相手は以前クレームがあったから、特に丁寧に、かつこちらの非は認めつつ解決策を提示する形で返信案を作って」
  • 間違っていたら、「違う、そうじゃない」と指摘して修正させる。
    • ×「使えないな(終了)」 
    • ○「方向性はいいけど、少し言い回しが軽すぎる。もっと重厚感を出して書き直して」

この「AIに対するフィードバック」という汗をかく作業をサボると、AIはいつまでたっても「気の利かない新人」のままです。

逆に、ここで汗をかき、対話を重ね、自分好みにチューニングしていけば、AIは「阿吽の呼吸で動く最強のパートナー」になります。

この1年をNano Bananaで最近お気に入りの4コマ漫画にしてみました(笑)

 

結論:「やり方(How)」を求めているうちは、AIは使いこなせない

「AIの使い方がわからない」という人の多くは、 「一発で正解が出る魔法のプロンプト(呪文)」 を探しています。

でも、そんな魔法はありません。あるのは、泥臭いコミュニケーションの積み重ねとその学びを次のプロンプト実行時に行うということだけです。

「AIに正解を求めるな、AIと共に悩み、共に汗をかけ」

これが、2,300回を超える恥ずかしいログの山から私が学んだ、AI活用の真髄です。

AIは、あなたが汗をかいた分だけ、必ず答えてくれます。

さあ、みなさんも怖がらずに、AIに無茶振りをしてみませんか?

エラーが出ても、変な回答が返ってきても、それを楽しんでください。

盛大に失敗して、そのログを笑い飛ばしましょう。

いよいよ Workspace Studioもリリースされ、いよいよAIエージェントが目の前にこようとしています。

その「恥ずかしい履歴」の先にこそ、本当の業務効率化と、AIエージェントを自在に操る未来が待っているはずです。

本年もTechblogを見ていただいてありがとうございました!来年も皆さまにとってお役に立つ記事を1本でも多く書けるように頑張っていきたいと思っています。 良いお年を!


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