ソフトバンクグループでは、公益財団法人 東日本大震災復興支援財団の「『あの日』を忘れない宣言」の趣旨に賛同し、皆さまと共に「チャリティホワイト」など、さまざまな支援を行ってきました。
「被災地の今」では、支援先である非営利団体からの活動レポートや被災地の現状を紹介しています。
3年目を迎えた、被災地の放課後学校「大槌臨学舎」
あの日から2年9か月。
日々冷たくなる風は、被災地に冬の到来を感じさせます。
冬は、進学や進級を控えた子どもたちにとって大事な時期。岩手県沿岸部の中学生・高校生たちもますます勉強に力を入れています。
しかし、彼らの学習環境は未だ十分であるとは言えません。狭い仮設住宅には学習机を置くこともままならず、また学習塾へ通うにも、もともと交通手段が少ないため、通塾手段の確保が難しい状況にあります。
「震災があったから夢をあきらめた」「教育の機会に恵まれず、未来を思い描けなかった」・・・・。
子どもたちにそんな悔しさを味わってほしくないという大人たちの想いが、2011年12月、大槌町で形になりました。被災地の放課後学校「大槌臨学舎」の誕生です。
「大槌臨学舎」は、特定非営利活動法人NPO カタリバによって運営されており、現在は、大槌中学校や大槌高校などに通う約170名の生徒が在籍。中学2・3年生を対象とした授業(英語と数学)や、高校生などを対象とした自習室の運営などに取り組んでいます。
この日も、英語と数学の授業が行われており、中学2年生の生徒たちが、仲間と共に切磋琢磨して勉強をする姿を見ることができました。授業で使われている教材は、大槌臨学舎スタッフの手作り。生徒それぞれのレベルに合わせた指導を行うには、市販の教材よりも手作り教材の方が適しているのだとか。
そして、ここでは「高校生My Project」というユニークな取り組みも行われています。
これは、「町の復興のために、私たちも何かしたい!」「支援されるだけの立場を卒業して、大槌町をつくる人になりたい」という想いで立ち上がった高校生たちが中心となり、町の課題を解決するためのプロジェクトを行うというもの。この取り組みも、大槌臨学舎スタッフがメンターとして高校生たちを支えています。
これまでに行われた、「津波で流された笑顔を取り戻す!~100人Photosプロジェクト~」や「暗くなった町を明るくしたい!~Starry Night In 大槌プロジェクト~」などは、町内外の方の注目を集めてきました。
メンターのひとりである川井綾さんは、「自ら目標を設定し、それを乗り越えられるよう助言しています。」と語り、自ら復興の担い手になろうとする高校生たちを温かく見守っています。
今月で開設から3年目に入った大槌臨学舎。
被災地の子どもたちが、明るい未来をつかむことができるよう、大人たちによる息の長い支援活動が今日も続けられています。
撮影場所:岩手県上閉伊郡大槌町
撮影日:2013年11月
カナダと福島県新地町立駒ケ嶺小学校をつなぐ
Skype交流授業
「これからの社会を担っていく子どもたちの、学びの気持ちやチャレンジ精神を応援しよう。もっといろんなことが知りたい、学びたいと思えるような授業を世界から届けよう。」とはじめた、世界と福島県新地町立駒ケ嶺小学校をつなぐSkype交流授業。震災当時、ボランティアセンターのスタッフとしてこの町で活動し、その後、海外から福島県相馬郡新地町の子どもたちを支援しようと開始したSkype交流授業も2年目に突入。今では授業の内容の企画や司会も子どもたちが自ら担当するようになりました。
今回の私のチャレンジは北米大陸自転車縦断。
2013年9月にアラスカをスタートし、2014年2月アメリカ・ロサンゼルスへ到着を目指しながら各地でSkype交流授業を行う8000kmの自転車旅です。今はマイナス20度のカナダ西部の大自然の中を毎日走っています。
旅の途中、11月26日にカナダ・BC州スミザーズという町で、この旅3回目となるSkype交流授業を行いました。今回のゲストはカナダ人のKIMBERLYさんです。
Skype交流授業本番。
はじめてのカナダの方との交流にいつもより緊張した様子の子どもたち。
今回は英語で挨拶や学校紹介などをすることになっているので画面を見守る私もドキドキ。
しかし授業がはじまり、私の不安は「感動」に変わりました。
きっとたくさん練習したのでしょう。
しっかりとした発音で、元気いっぱいに英語の挨拶や学校紹介をしていく子どもたち。
子どもたちとKIMBERLYさんの間に私が入り通訳をしていたのですが、なかには直接英語で質問をする生徒もいました。
「今回は英語もあって難しかったけれど、とっても楽しかった」と充実感たっぷりに感想を伝えてくれた駒ケ嶺小学校の子どもたち。
次回のSkype交流授業はどういったものになるのか今からワクワクしています。
今後も子どもたちのために、自分にできることを続けていこうと思います。
撮影場所:福島県相馬郡新地町
撮影日:2013年11月
奥州市で「いわて純情りんご杯」が開催
11月23日、24日に岩手県奥州市にて、「いわて純情りんご杯 第30回岩手県小学生バレーボール育成大会」が開催されました。
この大会は、全国スポーツ少年団バレーボール交流大会岩手県予選を兼ねており、全国大会への出場をかけて岩手県内の90チームが戦いました。
決勝戦は奥州市胆沢VS大船渡市猪川
素晴らしい試合でした。
被災地、大船渡から決勝戦に進出した猪川バレーボールスポーツ少年団は惜しくも準優勝でした。
決勝戦で負けが決まった瞬間、
泣きだし悔しさをむき出しにした猪川の女の子。
涙の理由を聞いてみると
「優勝して被災地代表として全国大会に行き、ありがとうを伝えたかった・・・」
と話してくれ、感動しました。
震災の前後で大会自体は何ら変わりはありませんが、被災地の子どもたちが全国大会を目指して戦い、決勝戦まで勝ち残ったことに意味があると思います。
しかも決勝で敗れた被災地の子どもたちの口から
「全国の皆さんにありがとうを伝えたかったのに・・・」
という言葉が出たことは、大きな意味があるように感じます。
素晴らしい戦い、気持ち、涙をありがとう!
一緒にありがとうを伝えて行こう!
この子どもたちが、被災地の将来を担い、復興への架け橋になることでしょう!
いわて純情りんご杯 第30回岩手県小学生バレーボール育成大会
撮影場所:岩手県奥州市
撮影日:2013年11月
(掲載日:2013年12月10日)