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石巻市釜地区での児童館開設を目指して 2015年3月 東日本大震災 被災地の今

ソフトバンクグループでは、公益財団法人 東日本大震災復興支援財団の「『あの日』を忘れない宣言」の趣旨に賛同し、皆さまと共に「チャリティホワイト」など、さまざまな支援を行ってきました。

「被災地の今」では、支援先である非営利団体からの活動レポートや被災地の現状を紹介しています。

新たな旅立ち~東北の高校卒業式~

2015年3月1日、岩手県・宮城県・福島県内にある多くの公立高校で卒業式が執り行われました。

この日、「まなべる基金」を受給してきた高校生842名が、勉学と部活に励んだ結果、無事卒業を迎えました。今年卒業を迎える高校生たちは、中学2年生の時に東日本大震災を経験した生徒たちです。まなべる基金では高校在学中の3年間を支援してきました。

新たな旅立ち~東北の高校卒業式~

無事、卒業を迎えた生徒からは、「震災後、父を福島に残し、母と私たちで避難をしました。その後、父が体調を崩してしまったため、福島へ戻り、地元の高校へ転校しましたが、転校に伴って新しく買わなくてはならなくなった教材などがあったため、まなべる基金はとても助かりました」、「高校生活では勉学だけでなく部活動やボランティア活動などを通じ、たくさんのことを学びました。将来は看護師不足といわれている地元のために看護師として働きたいと思っています。まなべる基金は参考書を買うために活用させていただきました」といった言葉がありました。
卒業式に参加した、まなべる基金の担当者からは「震災後、不安と希望、両方を抱えながらの高校生活だったと思います。そんな中でも、多くの生徒たちが高校生活を諦めず、次の目標を持って卒業してくれていることに大きな喜びを感じます。心からおめでとうと伝えたいです」と語ってくださいました。

震災から4年。震災当時14歳だった子どもたちは、18歳になりました。そして、大切な仲間と過ごした思い出と、高校を卒業できることの重みを胸に抱きながら、次のステージに向かって歩き始めます。

新たな旅立ち~東北の高校卒業式~

まなべる基金(公益財団法人 東日本大震災復興支援財団)

  • まなべる基金は、公益財団法人 東日本大震災復興支援財団が行う支援活動の一つで、経済的な理由で進学・就学が困難になった高校生に対して返還不要の奨学金を月20,000円、在学中最長4年間給付する奨学金制度です。これまでに14.1億円。2,484人の高校生を支援してきました(2015年3月時点)。

子どもたちが撮る「陸前高田市の今」

岩手県陸前高田市

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(以下「SCJ」)は、地域の一員である子どもたち自身が、復興に向けて声を挙げ、参加することでより良い町づくりを目指そうと、子ども参加による町づくり「Speaking Out From Tohoku(SOFT)~子どもの参加でより良いまちに~」を実施しています。
2011年5月、SCJが岩手・宮城県5地域の小学4年生~高校3年生を対象に町づくりに関するアンケートを実施したところ、多くの子どもが「子どもたち同士で話し合い、町のために何かをしたい」と考えていることが分かりました。
そこで、SCJは子どもたちと共に岩手県山田町、岩手県陸前高田市、宮城県石巻市の三つの地域で「子どもまちづくりクラブ」を開始しました。小学5年生~高校生の子どもたちが定期的に集まって、子ども同士だけでなく地域や行政、専門家とも話し合いながら、地域の復興に向けてさまざまな活動をしています。

岩手県陸前高田市の子どもまちづくりクラブ「絆~save the hope TAKATA~」(通称・絆クラブ)では、写真を通して、「高田の『今』」を東北内外に発信しようと活動しています。
1月31日には、フォトジャーナリストの佐藤 慧さんによる写真ワークショップと復興工事現場での写真撮影を実施しました。岩手県出身の佐藤さんから「写真は陸前高田市に来たことがない人が陸前高田市のことを知ってもらうための“窓”になり、考えるきっかけになる。写真は、移り変わる景色だけではなく、その時思った感情を残しておくことができるタイムカプセルのようなもの。その時思ったことを写真に収めてほしい」とアドバイスをもらい、参加した8名の子どもたちは真剣に耳を傾けていました。

復興工事現場に出た子どもたちは、カメラを手に一人一人が伝えたい思いと共に「高田の『今』」を写真に収めました。参加した子どもからは、「昔の町はずっと心に残っていくと思うので、昔の町を忘れないように写真を撮りたい」、「今、陸前高田市に住んでいる人、これから陸前高田市を知る人に写真を通じて、復興の様子を伝えたい」などの感想が上がりました。

撮影された写真は、陸前高田災害FMで活動報告として発信された他、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)が岩手県沿岸部で開催する「東日本大震災復興フォト&スケッチ展2014」にも展示されています。
震災から丸4年。子どもまちづくりクラブの活動も、今年で5年目に入ります。SCJでは、今後も子どもたちが町づくりの一員として、地域の復興に向け声を挙げ、参加できるように、これからも子どもたちと共に活動していきます。

子どもたちが撮る「陸前高田市の今」

子どもたちが撮る「陸前高田市の今」

撮影された写真とメッセージ
SOFT陸前高田市子どもまちづくりクラブ_進め!高田っ子!まちづくりフォト☆第2弾 Vol.1(YouTube)

情報提供:公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

被災地の親子を支える子育てひろば「スマイル」

特定非営利活動法人 ベビースマイル石巻

被災地の妊娠・子育てを見守る、子育てひろば「スマイル」をプレオープンしたベビースマイル石巻は、妊婦から未就園児親子の子育て支援を目的に活動を続けてきました。

ベビースマイル石巻を立ち上げるきっかけとなった東日本大震災では、妊娠や子育て中の私たちへ、必要な物資や情報が届かないと感じていました。また、石巻には妊婦や乳幼児の支援に特化した団体がなかったため、妊婦や乳幼児を持つ家庭が地域から孤立していることが分かりました。

被災地の親子を支える子育てひろば「スマイル」

ただでさえ妊娠・出産期は環境が大きく変わって社会から孤立しがちな時期。震災により新しい土地への移住を余儀なくされたり、コミュニティーが崩壊してしまっている中で子どもを出産し、孤立した状況で子育てをしている人や、震災で受けた心の傷が大きく、孤独を感じている人もいます。また、震災により子どもや子育ての居場所、産科が減ったことで、子どもを産み育てる地域力も低下してしまいました。

震災直後から親子の居場所や子育てを行う当事者同士のネットワークをつくり、復興に向けた町づくりに妊婦や子育てを行う親の視点を届けながら支援してきました。しっかりと地域に根差し、親子に寄り添い、緊急時には母子支援の拠点となる場所を作ることが今回の子育てひろば「スマイル」の目的です。

現在、拠点の建設に向けて、土地や建物の検討を進めています。完成までは、事務所内の一部を「スマイル」のために開放し、妊婦・子育て中の親を中心とした地域連携の拠点として始動しており、親子や支援者が利用しています。

特定非営利活動法人 ベビースマイル石巻

石巻市釜地区での児童館開設を目指して

NPO法人 にじいろクレヨン

当団体は、東日本大震災で被災した画家の柴田 滋紀が、石巻高校の避難所で出会った子どもたちのための居場所づくりを始めたのがきっかけで発足しました。

2011年7月からは避難所から仮設住宅に場所を変え、決まった曜日に決まった場所を訪問し、遊びを通じて子どもたちがのびのびと安心して過ごせる居場所づくりに取り組んでいます。

石巻市釜地区での児童館開設を目指して

震災から4年が過ぎようとしている今なお、石巻では1万2,000人以上の方が仮設住宅での生活を続けています。お隣の部屋とベニヤ板1枚で仕切られた居住環境で子育てをするのは、ストレスがたまります。また、市内の多くの公園が仮設住宅の敷地になっているため、子どもたちが安全に遊べる場所も不足しています。3年かけてようやく今の環境に慣れてきたところで、また多くの方が引っ越し、新たなコミュニティーを再建していかなくてはなりません。
そこでわれわれは、来年度から新たに石巻市釜地区で児童館を開設し、より多くの子どもたちが多様な人とのつながりの中で健やかに成長できるような場所を提供していきたいと考えています。

現在は地域の住民の方や他のNPO・支援団体の協力を得ながら、近隣の子どもたちと共に「自分たちのための児童館作り」に取り組んでいます。児童館ができあがっていくまでの様子をご報告していきたいと思います。お楽しみに!

NPO法人 にじいろクレヨン

赤ちゃんからお年寄りまでみんなが集い、互いを認め合う場を

特定非営利活動法人 ビーンズふくしま

震災から4年が過ぎ、5年目を迎えた福島で多世代のコミュニティーハウスが、2015年3月19日にオープンします。
避難先から戻った母親たちの居場所「ままカフェ」を開催していく中で、避難をした母親も避難しなかった母親も、避難先から戻ってきた母親も、「あの日から子どもを守るために、私たちそれぞれ頑張ってきたよね」と互いを認め合い、それぞれの選択を尊重し合う場が必要だと感じました。

赤ちゃんからお年寄りまでみんなが集い、互いを認め合う場を

それは、現在避難中の子どもたちや、福島で思春期を過ごしている若者たち、また地域の大人たちも同じだと思います。それぞれの「3.11」があり、「福島で生きていく気持ち」があると思います。

「みんなの家@ふくしま」は、福島で子育てをしている全ての母親、父親、子どもたちが集う子育て広場からスタートしますが、ゆくゆくは福島の若者たちや地域の方々が一緒に遊んだり、イベントを行ったりするなど、赤ちゃんからお年寄りまでみんなが集う場になります。
子どもも、親も、若者も地域の大人たちも。みんなが集い、互いを認め合い、ワクワクすることを共につくっていく「みんなのための『みんなの家』」です。


進捗状況

第一回「みんなの家準備委員会」を開催しました。メンバーは、ビーンズふくしまの原点であるフリースクール、若者支援をしているふくしま若者サポートステーション、ピアサポートのスタッフ、仮設住宅の学習支援をしているスタッフ、広報担当スタッフ、そして「みんなの家」スタッフです。
「母親、若者、子どもたちにとってどんな家だったら居心地が良いだろう?」を、テーマに話し合いました。オープンに向けて、アイデアを出し合います。

また、「みんなの家」のロゴマークが決まりました。これは、「ままカフェ」に参加しているお母さんに作成してもらいました。子どもからお年寄りまで、みんなが笑顔で集っている様子が、みんなの家のコンセプトにぴったりです。

「みんなの家@ふくしま」のロゴマーク

「みんなの家@ふくしま」のロゴマーク

遊び場づくりを通した子どもたちの心のケア

特定非営利活動法人 冒険あそび場 せんだい・みやぎネットワーク

「冒険あそび場」は「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、子どもたちがやりたいことを実現し、遊ぶ中から生きる力を育む所です。

当会は、震災前より仙台市の「海岸公園冒険広場」を指定管理者として運営し、自らの創意工夫を生かせる「進化する公園」として多くの来園者を迎え、宮城県内で子どもたちの遊ぶ環境を広げる役割を担っていました。

遊び場づくりを通した子どもたちの心のケア

東日本大震災の津波により、この公園の一部は壊滅状態となり現在も閉園中です。しかし私たちは、震災による子どもたちの心のケアが急務と感じ、仮設住宅やその周辺の公園、集会所、学校の校庭などで移動式の遊び場を始めました。併せて、被災者の見守りとコミュニティー再生への支援としてのサロン交流活動も行なっています。

発災から4年が経とうとしている現在、いよいよ復旧から復興へと人々の暮らしも次の段階へと進んできました。しかし、それは仮設住宅でできた関係もいったん解体しコミュニティーを再構築しなければならないことを意味しています。新しい生活への期待と不安の中で、子どもが今まで心に押さえ込んでいたものや、忘れようとしていた感情が何らかの形で表面化する時期といわれています。被災した現状を受け止め、自らを癒やす力を引き出す場として、子どもにとって「冒険あそび場」の存在は大きいと改めて感じています。子どもがありのままでいられる遊び場を通した心のケアは、ますます重要となってきているのです。

私たちは「恒久住宅」と言われる地区でも遊び場づくりの取り組みを始めています。1カ所は、2014年4月に入居の始まった復興公営住宅、もう1カ所は、浸水被害は少なからずあったものの再び居住可能となった現地再建区域です。発災後の活動の中で、屋外で子どもが遊ぶ姿が大人たちを元気にする様子をたくさん見てきました。子どもの遊び場づくりを通して、新たなコミュニティーづくりや交流人口の増加など、子どもたちや地域を元気にしていけたらと考えています。

いつも応援ありがとうございます。震災発生後4年で風化も叫ばれる中、関心を持ち続けていただいていることが何よりもうれしいです。皆さまの思いを形にする活動を続けていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

特定非営利活動法人 冒険あそび場 せんだい・みやぎネットワーク

「読みつなぎ」によって被災地に笑顔と希望を

読書ボランティアおはなしころりん

2015年1月25日に地域住民と子どもたちの交流スペース「おはなしサロン」を開設しました。

絵本の中で繰り広げられる“おはなし”の世界を読み聞かせによって堪能したり、ゆったりとお茶をいただきながら気軽に日常の“おはなし”に花を咲かせたり…。本に囲まれたくつろぎの交流空間を目指します。

「読みつなぎ」によって被災地に笑顔と希望を

開設当日のオープニングイベントでは、絵本の読み聞かせ・わらべ唄・お手玉遊び・人形を使ってのお話などで、いらしてくださった皆さんと笑顔の時間を共有しました。その後は絵本を題材にしたなぞなぞに挑戦するクイズラリーを親子で楽しんでもらいました。さらに各自絵本を借りたり、手触りの優しい白木の積み木で遊んだり、折り紙をしてみたりと、たっぷり楽しんでいただきました。

本の面白さを知るきっかけづくりや読書活動の推進を目的とした読み聞かせを含め、楽しい気持ちを分かち合うことは地域の子どもや住民のつながりを創出すると考えています。これをコミュニティーの再生に関わる事業と位置付け、“読みつなぎ”と称しています。あらゆる年代の人が、“読みつなぎ”で笑顔になり、元気が湧いてくれば、被災地は希望のある未来へと進んでいけるかもしれないと思い、日々活動に励んでいます。

読書ボランティアおはなしころりん

3.11 TOHOKU 応援はつづく ~忘れない、あの日を。つなげよう、未来へ。

「そのとき、つながるということ」 東日本大震災から10年、進化し続けるソフトバンクの災害対策

(掲載日:2015年3月10日)