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安全で安心できる野菜を届ける「げんき菜農園」 2015年7月 東日本大震災 被災地の今

ソフトバンクグループでは、公益財団法人 東日本大震災復興支援財団の「『あの日』を忘れない宣言」の趣旨に賛同し、皆さまと共に「チャリティホワイト」など、さまざまな支援を行ってきました。

「被災地の今」では、支援先である非営利団体からの活動レポートや被災地の現状を紹介しています。

安全で安心できる野菜を届ける「げんき菜農園」

福島県福島市

「げんき菜農園」は、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故の影響を受け「子どもたちに安心できる食べ物を食べさせたい。」「お母さんたちに少しでも放射能について知ってもらいたい。」という思いで、2015年4月、福島県福島市にオープンした野菜中心の料理を提供するレストランです。食の専門家である有識者の指導の下、可能な限り有機無農薬の食材を使用し、安全で安心できる食事を提供しています。

安全で安心できる野菜を届ける「げんき菜農園」

また、レストラン以外にも、食と心をテーマにした座談会や講演会、幼稚園児へ食育ランチの無償提供なども行っています。実際にレストランを訪れたお客さまからは「日頃から食べるものには、気を使っています。『げんき菜農園』のような店があることで、安心しておいしい野菜を食べることができて、ありがたいです」(福島県・30代主婦)、「安心できる食材を、見た目・味・スタッフの心配り…全て最善の状態で提供してくれることに感謝しています。毎日行きたいお店です!」(福島県・40代主婦)などの感想を頂いています。

「げんき菜農園」オーナー 齋藤 美子さんは、「東日本大震災により、私たちはたくさんの命・財産・心を奪われ、絶望のふちから立ち上がらなければならず、多くの教訓と課題を与えられました。その中で、食に対する意識の向上を図ることは大きな課題の一つです。震災直後、スーパーやコンビニエンスストアから商品が全て無くなり、欲しいものをいつでも欲しいだけ購入できる状況は『当たり前ではない』という現実を目の当たりにしました。また、原子力発電所の事故により放射性物質が放出した結果、食品の出荷規制がなされ、日頃、当たり前のように食卓に並んでいた地元食材がこれほど美味しくありがたいものであることも、身をもって経験しました。飽食の時代を迎えた私たちは、ここで一度、日本の食文化を振り返り、次世代に対して『現在の食卓を見直していく機会を与えられているのではないか?』と感じ、「げんき菜農園」の開店を決めました。私たちの活動が、少しでも子どもたちの素晴らしい未来への足掛かりとなり、彼らがますます元気で健やかに成長していくきっかけになればと心より願っています」とレストラン開店の背景や思いについて語ってくださいました。

安全で安心できる野菜を届ける「げんき菜農園」

げんき菜農園(Facebook)

津波被害の教訓を語り継ぐ「綾里魂」

岩手県大船渡市

2015年6月14日、岩手県大船渡市三陸町綾里の復興祈願祭り「綾里魂(りょうりだましい)」が大船渡市の綾姫ホールで開かれました。「綾里魂」は東日本大震災による津波被害の教訓を語り継ぎ、地域総出で元気を取り戻すことを目的に2014年3月に始まり、今年で2回目の開催となります。
大船渡市三陸町内の3地域では津波により、獅子舞の権現舞道具を保管していた公民館が被災しました。その後、さまざまな団体から支援を受けて、道具を修繕・制作し、今回の「綾里魂」で各地区の権現舞が市民に初披露されました。

当日は、綾里小学校の児童による東日本大震災の津波被害を後世に伝える詩「忘れず之鐘」や綾里中学校の生徒による剣舞、新潟県佐渡市の太鼓芸能集団「鼓童」による演奏など12演目が披露され、観客の地元住民は、津波の恐ろしさを再認識するとともにさらなる復興へ思いを強くしました。

「綾里魂」を鑑賞した観客からは、「『忘れず之鐘』が、心に響きました。津波の怖さを伝えることは大切だと改めて感じました」「震災後、初めて各地区の権現舞を見ることができ涙が出てきました」といった感想が挙がりました。

主催者の伊藤 力也さんは、「東日本大震災から4年が経過し、復興に向けた各種取り組みが行われていますが、まだ道半ばです。祭りの開催を通して、早期の復興を祈る気持ちや故郷を愛する気持ちを改めて呼び起こすとともに、地域の伝統芸能の伝承や震災からの復興と町づくり、防災伝承、子どもたちの地域参加を促進することで、元気に自信と誇りを持って、活性化が図られる町づくりを推進したいと考えています。綾里地区では震災以前、5年に一度、安全祈願と海の恵みへの感謝を伝えることを目的に『綾里五年祭』が開催されていましたが、東日本大震災以降、中止になっていました。来年15年ぶりに完全復活する『綾里五年祭』を前に、今回の『綾里魂』では、この地域を担う若者60人が主旨に賛同しスタッフとして参加するなど『綾里五年祭』に向けて体制が整ってきました。『綾里魂』の活動が、地域が一丸となる『綾里五年祭』に向けての一助になることを願います」と想いを語ってくださいました。

綾里五年祭の景気付けを兼ねた「綾里魂」は、市民の士気を高め幕を閉じました。

津波被害の教訓を語り継ぐ「綾里魂」

読み聞かせを通して、地域の子どもたちを見守り支えていく

読書ボランティアおはなしころりん

応急仮設住宅団地や災害公営住宅団地、地域の集会所、地域公民館などを巡回して、読み聞かせ講座とお茶会を開きました。住民の方々が身近にいる子どもたちに向けて、自発的に読み聞かせを行ってくれることを目的としており、誰にでも手軽にできる絵本の読み聞かせを通して、地域にとって大切な存在である子どもたちの成長を、見守り支えていくことを呼びかけています。

読み聞かせを通して、地域の子どもたちを見守り支えていく

またこの活動は、震災によって急速に進んでしまった高齢化社会問題に対する取り組みとして、高齢者が活躍できる場の提供や生きがいづくりにつなげることや、ばらばらになってしまった地域コミュニティの再生も目的としています。住民同士がお茶を飲みながら笑い合って交流し、共に楽しみ学びながら、つながりを強めることができれば、元気に生きていこうという気持ちが湧いてきます。

今月の講座では、地元の民話を堪能したり、滑舌練習をしてみんなで声を合わせたり、子どもに伝えたい昔遊びを思い出したりしながら、童心に返ったように楽しい時間を共有しました。
次回は、近くの保育園児を招いてお話会を開催する予定で、講座を受けた11人の中から希望者を募り、絵本を読んでもらうことになっています。
どんなお話会になるか楽しみです。

読書ボランティアおはなしころりん

ゆっくりつながり、みんなが前に進んでいけるように

特定非営利活動法人 ベビースマイル石巻

子育て支援拠点「スマイル」は、現在平屋のお家をお借りして運営しています。
親子一組でふらっと来られる方が多く、またオープン直後からクローズ時間の15時まで過ごされる親子もいて、安心して来ることができる場を提供できているのかな、とうれしく思っています。

部屋は広すぎず適度な大きさで、親子同士の交流も活発です。また中には、スタッフと静かに相談をしたり、悩みをぽろっとこぼす母親の姿もあります。

ゆっくりつながり、みんなが前に進んでいけるよう

一度会っただけでも家族になったような気分になれる居場所、また悩みや不安に寄り添い、地域ぐるみで解決していける場所にしていきたいと思っています。

震災ではお子さんが犠牲になり、辛い思いをされた方もたくさんいました。「ベビースマイル石巻」は震災直後に立ち上がり、「子育て支援」を大きく掲げて活動してきました。「前に進める人から進まなくては」という思いは強くあったものの、辛い思いをされた方々が、私たちの活動をどのように感じるだろうか、と常に気になっていたので、そのような方々が今また新しい命を授かり、私たちとつながってくださっている姿を見ると、心にあったもやもやが晴れていくのを感じます。
子ども、親、「ベビースマイル石巻」、そして地域がゆっくりとつながり、一緒に前に進んでいけたら良いな、と思います。

特定非営利活動法人 ベビースマイル石巻

「のくのくハウス」の看板作りに挑戦!

NPO法人 にじいろクレヨン

「のくのくハウス」のオープン以来、最大のイベントとなる「こどもまつり」を開催しました。子どもたちに喜んでもらい、地域の方々ともっと仲良くなれるような企画について、スタッフ一同で連日話し合いを重ねました。開催日が迫ってくると「何人来てくれるかな?」「お天気は大丈夫かな?」と心配していました。

いよいよお祭り当日。お天気にも恵まれ、まずは「のくのくハウス」の玄関前でオープニングセレモニーを開催し、町内会長にもごあいさつをいただきました。

「のくのくハウス」の看板作りに挑戦!

「こどもまつり」最初のプログラムは「地域をきれいにしよう!」。子どもたち、保護者、地域の方々、児童館スタッフ全員で児童館周辺の空き地を中心にごみ拾いを行い、その後四つのプログラムが開催されました。
「花壇・畑を作ろう!」では、スタッフが児童館隣接の駐車場内に手作りしたハート型の花壇に、5種類約200本の花の苗を植えるほか、小さな畑にナス、トマトなど6本の苗を植えました。また、色とりどりのアイシングでクッキーに絵を描く「お菓子を作ろう!」や、小麦粘土を使ってお菓子を作る「粘土でスイーツを作ろう!」、そして最後は、子どもたちの発想による色やデザインを生かし看板を作成するプログラム「のくのくハウスの看板を作ろう!」を開催しました。最初は絵筆を使っていましたが、直接手のひらに絵の具を付けて色を塗るなど、普段とは違った大きな作品作りに取り組み、出来上がった看板は、「のくのくハウス」に高々と設置しました。

子どもたちの笑顔があふれる楽しいお祭りでした。

NPO法人 にじいろクレヨン

3.11 TOHOKU 応援はつづく ~忘れない、あの日を。つなげよう、未来へ。

「そのとき、つながるということ」 東日本大震災から10年、進化し続けるソフトバンクの災害対策

(掲載日:2015年7月10日)