2015年12月、フランス・パリで地球温暖化防止に向けた「パリ協定」が参加各国の間で結ばれました。この「パリ協定」は、先進国や発展途上国に関わらず、世界のほとんどの国と地域がそれぞれの役割を受け入れて合意したことから、「歴史的合意」と言われています。
また、中東の産油国や石油メジャー各社が将来の化石燃料枯渇を見越して再生可能エネルギーへの取り組みを強化したり、イギリスの再生可能エネルギーによる発電量が石炭火力発電の割合を上回るなど、環境面だけでなくエネルギービジネスの面でも再生可能エネルギーへの関心は世界規模で高まりつつあります。
こうした世界の潮流に先駆けるように、ソフトバンクグループの再生可能エネルギー事業は日本国内にとどまらず、海外にも広がっています。
世界を舞台にしたエネルギー事業についても、引き続き湯浅さんに聞いてみました!
海外でも発電を行うのはなぜ?
今や環境のみならずビジネスとしても世界の潮流となっている自然エネルギーの活用を世界規模で広げたいという目標の下、海外でも発電事業を進めるほか、安価で安定した電力を広範囲に届けるべく、日本を含むアジアで送電網を互いにつないで電気を融通し合う国際連系事業の実現に取り組んでいます。
モンゴル・ゴビ砂漠で風力発電
SBエナジーは、モンゴルのコングロマリット企業であるNewcom LLCと合弁会社「Clean Energy Asia, LLC(以下「CEA」)」を設立し、モンゴルでの発電事業を進めています。ゴビ砂漠でモンゴル国から使用が認められている土地の面積は東京都に双肩する約22万ヘクタール、約7GWものポテンシャルが見込まれています。モンゴルではゴビ砂漠でのCEAによる風力発電事業開始が見込まれるほか、今年7月にはソフトバンクグループがNewcom LLC、韓国電力公社と、モンゴルでのさらなる再生可能エネルギー普及拡大への取り組みを行う覚書を締結しました。
韓国電力公社、Newcom LLCとのモンゴルにおける自然エネルギープロジェクトの開発・投資に関する覚書の締結について
インドの電力不足解消に貢献
また、ソフトバンクグループはインドでも大手コングロマリットのバーティーグループと台湾の鴻海精密工業とともに太陽光発電事業を中心とした再生可能エネルギーの普及を進めています。2015年6月には、インド政府が国内の恒久的な電力不足課題解消を目的に2022年までに100GWの太陽光発電導入を目指す取り組み「Jawaharlal Nehru National Solar Mission(JNNSM)」の実現に、積極的に関与していくことを表明しました。ソフトバンクグループはグループの「SB Energy Holdings Limited」を通じてアンドラ・プラデーシュ州で350MW(35万kW)の太陽光発電事業を2015年12月に落札し、現在建設を進めています。
アジアをつなぐ送電網で、安定したエネルギー供給を確保
再生可能エネルギーの普及にとって重要なのは、安定した需要と供給を保つこと。
2016年3月30日、中国・北京市内において、再生可能エネルギーの普及促進と電力の国際連系に関する国際会議「2016 International Conference on Global Energy Interconnection」が開催され、ソフトバンクグループは主催者である世界最大の電力会社である中国の国家電網公司と韓国電力公社、ロシア・グリッドを加えた4社で電力網の国際連系推進へ向けた覚書を交わしました。アジア各国をつなぐ送電網(グリッド)を形成し、各国の再生可能エネルギー発電所からの電力をグリッドにつなぐことで、時間や気象条件などに左右される再生可能エネルギー電力の供給量を時差と天候の差を利用して安定させ、より一層の有効活用を目指す取り組みです。
4社は今後、「ゴールデンリング」と呼ばれる国際送電網実現へ向けた調査を進め、「アジア・スーパー・グリッド」の事業化を推進していきます。
【Keynote Speech】2016 International Conference on Global Energy Interconnection
~電力網の国際連系実現に向けて~
ソフトバンクグループのエネルギー事業、皆さんはどれくらいご存知だったでしょうか?
電力サービスと通信サービスとの融合など、これからもソフトバンクグループならではのさまざまな形で皆さんにエネルギーサービスを届けていきます。ぜひご注目ください!
(掲載日:2016年8月18日)