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売上高は過去最高、全セグメントで増益。中期経営計画の達成と成長投資の両立を目指す -ソフトバンク株式会社 2024年3月期 決算説明会レポート

2024年5月9日、ソフトバンク株式会社の2024年3月期 決算説明会が開催され、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一が2023年度の業績や2024年度の業績予想および中期経営計画の目標や進捗、次世代社会インフラの構築に向けた取り組みなどについて説明しました。

上方修正後の連結業績予想を全て上回る

2024年3月期 累計の売上高は、前年比3%増の6兆840億円で4事業が増収。営業利益は8,761億円で、PayPayの再測定益を除くと前年比14%の増益となりました。コンシューマ事業を含む全セグメントが順調に進捗、エンタープライズ事業、メディア・EC事業は2桁の増益であることを報告しました。

売上高 セグメント別

営業利益 セグメント別

純利益は、PayPayの再測定益を除くと前年同期比で45%増の4,891億円。売上高、営業利益、純利益のいずれも、2024年2月に発表した上方修正後の予想を全て上回って着地。また、普通株式一株当たりの配当金は年間86円と、引き続き高水準の株主還元を行う予定です。

2023年度 連結業績

2024年度はさらなる成長に向け、生成AIなどの成長投資を実施

コンシューマ事業、メディア・EC事業を中心に順調に推移した結果、2025年3月期に9,300億円強、2026年3月期には1兆円強レベルの営業利益を創出できるとの見込みから、さらなる成長に向け、上振れそうな利益を生成AIなどへ成長投資に充てるなど、現行の中期経営計画の達成と次期中期経営計画に向けた成長投資の両立を目指すとコメントしました。

日本語に特化した1兆パラメーターのLLM(大規模言語モデル)の構築に向けて、約1,500億円を投じてAI計算基盤を拡張することを発表。「今後、市場の急速な拡大が見込まれる生成AIの領域において、マーケットリーダーのポジションの確立を目指す」と意欲を示しました。また、日本マイクロソフト株式会社と共同で取り組んでいるコールセンター業務の自動化など、生成AIを活用したソリューションの開発を推進していくと語りました。

生成AI等への成長投資

各セグメント順調に推移。グループ経済圏拡大に向けた取り組みを目指す

続いて、宮川は各セグメントについて説明しました。

コンシューマ事業のモバイル売上高は前倒しで増収へ反転。グループ経済圏のさらなる拡大へ

コンシューマ事業のモバイル売上高は、1年前倒しで2024年3月期に増収反転を達成。1契約当たりの月間平均収入の向上に向けた新たな付加価値サービスの提供や、「PayPay」と連携した新プラン「ペイトク」の提供などにより、2024年2月に発表した上方修正後の営業利益予想を上回りました。

また、個人株主層の拡大に向けた1対10の株式分割の実施と、分割後の100株(1単元)以上を1年以上保有した株主に「PayPayポイント」1,000円分を贈呈する株主優待について説明。「若い株主層が増えることは長期的な成長にとって、非常に重要。グループ経済圏の魅力を引き上げ、競争力を高めたい」とコメントしました。

グループ経済圏拡大に向けた取り組み

さらに、5G展開の早期化と設備投資効率の最大化に向けて、KDDIとの協業をさらに拡大し、共同構築の基地局を2030年に累計で10万局にするとともに、CAPEX削減効果1,200億円を目指します。

KDDIとの協業実績

好調なエンタープライズ事業。グループシナジーで2桁成長の継続を

エンタープライズ事業は、ソリューション等売上高が前年比で16%増収。営業利益が前年比で13%増益で好調に推移し、2018年から5年で倍増しました。今後も成長を継続していき、年平均成長率2桁を目指していくと意欲を示しました。

2024年4月25日に発表したSBテクノロジー株式会社の完全子会社化については、豊富なエンジニアリソースと高い技術力を結集して、シナジーでエンタープライズ事業の成長を加速していくと示しました。
また、本田技研工業株式会社と、北米地域・中国を除く世界約70カ国・地域におけるホンダの車両に、ソフトバンクが販売するCubic TelecomのIoTプラットフォームの導入検討を進めることで合意。ソフトバンクとのシナジーにより、Cubic Telecomは2030年度末に1億超の契約回線数を目指すとし、今後の成長に向けて、生成AIサービス、データセンター、クラウドなどの領域における取り組みを説明しました。

メディア・EC事業はサービスの起点強化で再成長を。セキュリティガバナンス強化に向け協議

メディア・EC事業は、事業の選択・集中やコストの最適化により、営業利益が前年比24%増加。今後は、「LINE」や「Yahoo! JAPAN」アプリケーションのリニューアルなどによるサービスの起点を強化し、検索や広告、コマースなど、各サービスの再成長を目指す方向性を示しました。

また、セキュリティガバナンス強化に向け、委託関係の見直しや、ガバナンス体制の強化に取り組むとともに、LINEヤフーの資本関係の見直しなどについてNAVER Corporationと協議中であると述べました。

セキュリティガバナンス強化の取り組み

赤字を大幅に縮小したファイナンス事業。2024年度に黒字化を目指す

ファイナンス事業は、赤字を大幅に縮小したと発表。2024年度に黒字化を目指すとコメントしました。PayPay株式会社は2024年3月期の連結決済取扱高は前年比22%増の12.5兆円と順調に拡大。2023年度末時点の「PayPay」の累計登録ユーザー数は6,304万人を超えました。
連結EBITDAは98億円で、通期で初めて黒字化を達成しました。また、さらなる成長に向けて、グループ内の金融サービスとの連携強化や、金融サービスの多様化を進めています。

金融サービス

決済代行サービスを展開するSBペイメントサービス株式会社は、2024年3月期の決済取扱高は8.0兆円と前年同期比19%増。中期経営計画で掲げた目標を15%超上回って推移しました。

最後に、AIを活用した新たな通信プラットフォームの創出を目指した「AI-RANアライアンス」の設立や、自社使用電力に占める実質再生可能エネルギー比率が前倒しで推移していると報告し、プレゼンテーションを締めくくりました。

代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一

2024年3月期 決算説明会

(掲載日:2024年5月8日、最終更新日:2024年5月10日)
文:ソフトバンクニュース編集部