ソフトバンク株式会社は、2018年12月19日に上場記者会見を開催。冒頭にて、代表取締役社長 執行役員 兼 CEOの宮内謙と代表取締役副社長 執行役員 兼 CTOの宮川潤一が、12月6日に発生したネットワーク障害に関する謝罪の意を表明しました。
「まず最初に、先日 12月6日に発生しました、ネットワーク障害について触れさせていただきたいと思います。お客さまには、多大なるご迷惑とご不便をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。今後は、再発防止策の徹底を図り、ネットワークの安定的な運用に向けて、全力を挙げて取り組んで参りたいと思っております。この度は大変申し訳ございませんでした」
その後、宮川がネットワークに関する説明として、12月6日に発生したネットワーク障害の対応経緯や発生原因と復旧対応、再発防止策などについて説明しました。
今回の概要は以下となります。
支障時間 | 発生:12月6日 13時39分 復旧:12月6日 18時04分(影響時間:4時間25分) |
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影響サービス |
これに伴い、3Gサービスに輻輳(ふくそう)が発生し、ご利用しづらい状況が発生 |
影響範囲 | 全国の上記サービス加入のお客様 約3,060万回線 |
原因 | LTE交換機(MME※:Mobility Management Entity)のソフトウェア不具合 |
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- ※MME:ユーザ端末と基地局の位置情報管理と接続の制御をする装置
2018年12月6日(木)障害発生からの対応経緯
- 13:39 LTE交換機向け通信にて故障発生
- 14:19 初報をHP掲載
- 14:45 一部伝送装置の切り離し作業を開始
- 14:57 LTEサービスの通信規制実施
- 15:04 一部伝送装置の切り離し作業を完了するも未復旧
- 15:54 切り分け調査からLTE交換機被疑を特定(2時間15分後)
- 16:22 全LTE交換機のソフト更新を開始
- 17:35 西日本にて復旧
- 18:04 全国で完全復旧(4時間25分後)
- 18:51 復旧報をHP掲載
発生原因と復旧対応について
ネットワーク回線の重要な部分である、LTE交換機(スウェーデン エリクソン社製)のデジタル証明書(TLS※証明書)の有効期限の誤処理が原因で、LTEネットワークの障害が発生。通常は3Gネットワークで補えるが、今回は全国レベルでアクセスが急増したため、3Gネットワークも高負荷状態になってしまったと述べました。
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- ※TLS(Transport Layer Security):ユーザ情報などを暗号化するためのプロトコル
復旧の対応方法としては、誤処理の影響を受けないように、LTE交換機のソフトウェアのバージョンを下げることで対応したと説明しました。
再発防止のための暫定対策と恒久対策
2018年12月中に完了予定の暫定対策として、商用設備におけるデジタル証明書の総点検や旧ソフトウェアによる緊急立ち上げ手順の時間短縮化などを報告。続いて、すでに取り組み始めている恒久対策として、システム停止を防ぐための構造の見直しやLTE交換機の追加・マルチベンダー化などについて説明しました。
お知らせ:12月6日の通信障害に関するお詫び
記者会見の模様は映像でご覧いただけます。(ネットワーク障害に関する説明は25:04ごろから)
上場当日の動きや上場記者会見の模様のレポート記事もご覧いただけます。
ソフトバンク株式会社が東証一部上場。Beyond Carrier戦略で逆風に立ち向かう |
(掲載日:2018年12月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部