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警視庁サイバーセキュリティ対策本部の担当者に聞いた「スマホのセキュリティ対策」のポイント

警視庁サイバーセキュリティ対策本部の担当者に聞いた「スマホのセキュリティ対策」のポイント

家族や友人との連絡手段だけでなく、インターネットで調べ物をしたり、ネットショッピングを楽しんだり、もはや生活必需品とも言えるスマートフォン。でも、便利なスマホにはたくさんの個人情報が詰まっており、セキュリティ対策がますます重要になってきています。近年のスマホに関するトラブルの傾向や注意すべき点を、警視庁サイバーセキュリティ対策本部の担当者に聞いてきたので、参考にしてみてくださいね。

警視庁サイバーセキュリティ対策本部とは?

2016年4月、急増するサイバー攻撃への対策などを目的に設置された警視庁の組織。東京都のサイバーセキュリティ対策や捜査を行うほか、都民への広報啓発活動を実施しています。今回、担当者が顔出しNGのため、代理で警視庁のマスコットキャラクター「ピーポくん」が登場します。

SNSに起因するトラブルが増加中。利用時は細心の注意を!

近年、警視庁に寄せられるサイバーセキュリティに関する相談・通報内容は増えていますか?

警視庁に寄せられるサイバー犯罪の相談件数は、2018年は11,137件と前年比でマイナス1,973件でした。相談件数だけを見ると、2015年からは毎年減少傾向にあります。

そうなんですね、増えているのかと思っていました。

サイバーセキュリティに関するさまざまな広報啓発活動が行われ、東京都民の意識が向上しているためと考えられます。またSNSなどの普及により、インターネット上で違法有害情報の共有が進み、都民が情報を検索して自己解決できるようになっている点も大きいでしょう。

特に相談・通報の件数が多いのは、どのようなものですか?

2018年では「ワンクリック詐欺」「架空請求」「偽サイトによる詐欺」「ビジネスメール詐欺」などです。こちらが全体の38%を占めています。

また被害件数の多寡は別として、特に女性に注意してもらいたいインターネット犯罪が不正アプリによるスマホの乗っ取りです。スマホを遠隔操作されて盗撮されたり、電話帳や写真などプライベートな情報をのぞき見されたり、GPS機能を悪用したストーキングなどにつながってしまいます。

他にもSNSを通じて仲良くなった相手に会ったら、脅されてわいせつな行為をされたという被害や、「女の子同士、写真を交換しよう」と言われて写真を送ったら、その写真が出会い系サイトに登録されてしまったという被害もあります。

SNSに関するトラブルは増えているのでしょうか? またトラブルに巻き込まれる人の年齢や性別で何か傾向はありますか?

2018年、SNSに起因する児童ポルノや児童売春などの性犯罪被害に遭った児童は1,811名となっており、ここ数年は被害者数が増加傾向にあります。

また被害者が大きな精神的苦痛を受けるリベンジポルノの被害も増加傾向。警視庁の調査では被害者の9割以上は女性で、年齢層は20代以下が6割以上を占めています。本当に注意していただきたいです。

警視庁で特に深刻にとらえているスマホのトラブルは?

警視庁サイバーセキュリティ対策本部として、特に深刻にとらえているスマホのトラブルはどのようなものでしょうか?

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)による「10大脅威」でも上位に挙げられている、クレジットカード情報や個人情報をだまし取るフィッシングです。特にクレジットカード情報は攻撃者に不正利用され、知らないうちに利用料金を負担させられる被害につながることも。警察の役割は国民の生命、身体、財産を守ることなので、非常に懸念しています。

懸案事項について、警視庁ではどのような啓発活動をされているのでしょうか?

インターネットを利用できる端末、特にスマホをお持ちの方に向けて「アプリのインストールは慎重に」「システムやアプリは最新バージョンに」「ウイルス対策ソフトの導入を」といった基本的なセキュリティ対策を周知しています。

これらの対策を怠ったり、スマホの操作を慎重に行わなかったりすると、先述した偽メールや偽サイトによるフィッシング詐欺やスマホの乗っ取りなどの被害に遭う恐れが高まってしまいます。

スマホに関する啓発活動も重視されているんですね。

かつての携帯電話(フィーチャーフォン)の延長線としてスマホをとらえている方もいますが、スマホには電話番号や位置情報などパソコン以上の個人情報が入っていることを認識していただきたいと考えています。

警視庁でもリーフレットやサイバー犯罪防止対策用短編アニメーションを制作してSNSで発信したり、体験型サイバーセキュリティイベントを開催したりして積極的な広報啓発活動を行っているところです。

もしものときは最寄りの警察署や交番へ。緊急時は110番通報を!

もしもトラブルに巻き込まれてしまったら、どのように相談すればよいのでしょうか?

スマホでウイルスや不正アプリの可能性がある症状としては「カメラが勝手に作動する」「データ通信量が異常に増えた」などがありますが、トラブルや被害の内容はさまざまで判断が難しいと思います。

トラブルに遭ったとき、遭いそうなときは、まずお住まいの最寄りの警察署や交番に相談してください。ただし、緊急時は迷わず110番による通報をお願いします。

スマホのセキュリティについて、ソフトバンクのような通信事業者に期待することはありますか?

IoT、AIなどの情報通信技術の進化は目覚ましく、生活が豊かに、そして便利になる反面、犯罪者がその技術を悪用するなど、都民がサイバー犯罪に巻き込まれる可能性が高くなっています。インターネットを安全・安心に利用してもらうためには都民のサイバーセキュリティ意識を向上させることが不可欠です。

6月7日から6月21日にかけて実施している「サイバー防災訓練」のように、ソフトバンクなど大手通信事業者と警察が連携し、SNSなどで積極的な情報発信を行うことが意識の向上につながっていくのではないでしょうか。

ありがとうございました。

警視庁の意識啓発グッズもたくさんいただきました!

インタビューで話していただいたように、スマホで便利になればなるほどセキュリティを意識する必要があります。セキュリティ対策を万全にして、安全安心なスマホライフを送りましょう!

(掲載日:2019年6月20日)
文:ソフトバンクニュース編集部

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