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舞台「みみばしる」つながりの大人3人による、「エンタメ × VR」の未来妄想座談会 - ここばな #21

舞台「みみばしる」つながりの大人3人による、「エンタメ × VR」の未来妄想座談会 - ここばな #21

  • 「LiVR」は現在「VR SQUARE」として提供されています。

ソフトバンクが2019年3月から開始したサービス「LiVR」では、野球や音楽フェス、格闘技などのさまざまなコンテンツが公開されています。その中で異色な存在感を見せているのが、舞台「みみばしる」。

なぜ今回、この舞台をVR映像に収めることになったのか、未来のエンタメはVRによってどう変化するのか、「みみばしる」の脚本と演出を手がけた松居大悟さん、プロデュースを担当した電通の阿部広太郎さん、「LiVR」サービスに携わるソフトバンクの加藤欽一さんに、フリートークしてもらいました。

座談会に参加いただいた皆さん

松居 大悟(まつい・だいご)さん【映画監督・ゴジゲン主宰】

「みみばしる」作・演出。1985年生まれ、福岡県出身。映画「アフロ田中」で長編初監督。映画「アズミ・ハルコは行方不明」「君が君で君だ」、ドラマ「バイプレイヤーズ」シリーズなど活動は多岐に渡る。ナビゲーターを務めるJ-WAVE「JUMP OVER」は毎週木曜26時から放送。

阿部 広太郎(あべ・こうたろう)さん【株式会社電通 コピーライター・企画でメシを食っていく主宰】

「みみばしる」プロデュース担当。電通コンテンツビジネス・デザイン・センター所属。映画「アイスと雨音」「君が君で君だ」プロデューサー。舞台「みみばしる」では、VR化のプロデュースも手掛ける。著書に「待っていても、はじまらない。―潔く前に進め」(弘文堂)。

加藤 欽一(かとう・よしかず)さん【ソフトバンク株式会社 VR事業推進課 課長】

VR映像担当。携帯電話のエリア対策に20年従事した後、VR事業推進の部門を立ち上げ、現在に至る。一方で、ソフトバンクの後継者プログラム「SBアカデミア」に参加するほか、社内講師を10年担当。

舞台「みみばしる」

舞台「みみばしる」

“受信者だったリスナーが主人公になる!?”という、ラジオ番組「JUMP OVER」と連動して、リスナーと共に創っていく、ラジオと演劇の垣根を越えるプロジェクト!

(あらすじ)30歳になった途端に会社をクビになった妙子(本仮屋ユイカ)は、なんとなく劇団の手伝いを始める。自分は誰にも必要とされていないのではないかと思う日々の中、妹の影響でラジオを聴き始める。音楽と共に、リスナーから送られてくる愚痴や悲しみを全力で励ましてくれるラジオに妙子はのめり込み、メッセージを投稿するようになるのだが…。

舞台「みみばしる」のウェブサイト

目次

素人からプロまで、出演者21人のエネルギーが炸裂。舞台「みみばしる」の魅力

舞台「みみばしる」が終わってちょうど2~3カ月が経とうとしていますが、松居監督は終わったときにどのように感じましたか?

今回は、J-WAVEと組んで、ラジオ番組『JUMP OVER』でリスナーの皆さんと舞台を作り上げる、というやり方でした。今までの舞台演劇の作り方とは全然違いましたね。ただ、「人」対「人」というのを意識して作っていて、人間って集まったらすごいものを作れるんだな、ということを実感しました。

プロ・アマ問わず、色々なバックグラウンドを持った21人の役者の人のエネルギーみたいなものが一回一回の公演で炸裂してましたよね。

はい、前回のほうが良かった、と思う公演がなかったですね。常に一番良いものができている気がしました。出演する役者の成長率もあったのかな、と。

加藤さんは、公演初日に本多劇場でご覧になったんですよね。いかがでしたか?

そうですね。私は「生の舞台をVRでどう撮影しようか」という視点で公演を観ていました。過去では舞台ものだと音楽LIVEをVRで撮影して配信したことがあるんですが、このときは演奏する人だけを観ていればよかったんですね。ただ、「みみばしる」の場合は、舞台のあらゆるところで物語が展開されていくので、そこをVRで上手く抑えられたらいいなあ、と思いました。

それこそ、舞台上にVRカメラを置いて撮影したことで、VR化された舞台は、従来のように客席から観るだけじゃなくて、舞台上で役者さんの演技を、あたかも目の前で観ているような面白さもありましたね。

そもそも「みみばしる」は離れた場所で各々ラジオを聞いていた21人の出演者たちが集まって色々な計画をしていく、という話なので舞台のあらゆるところで物語が展開されていくという構成なんですね。だからこそ、VRでも観る場所や角度を選ぶことができることが面白いというか、発明のような気がしましたね。

舞台って生で観るのが一番面白いと思いつつ、現場に来ないと観られないじゃないですか。なので、来られなかった人たちにも舞台の熱量を味わってもらう機会を作りたいと思って、今回は加藤さんに相談したんです。

続きは動画でお楽しみください。

「舞台『みみばしる』 × VRの魅力とは」
を動画で観る

VRが日本で浸透しにくい理由は、海外との文化の違いにある?

今後、VRを活かした舞台の作品作りってめちゃくちゃ可能性がありますよね。

確かに。子どものころにアミューズメントパークでVRゴーグルをつけて脱出ゲームをやったことがあるんですよ。「この機械って何なんだろう? わからないけど非日常感がすごくおもしろいな」って。その感覚を家でも楽しめるようになるとしたら、めっちゃいいですよね。

そういえば、加藤さんはなんでVRに興味を持ったんですか?

元々、技術部門にいたので新しいテクノロジーの情報が入りやすかったんです。そんな中、VRやARが2016年くらいに出始めて、大好きなバスケの試合をVRで体験する機会があったんです。そこで、NBAのトッププレイヤーたちのプレーをVRゴーグルを通じて目の前で観たときに、その迫力に言葉では伝えきれないくらいの興奮を覚えて、VRを突き詰めていきたいと思ったんです。

皆スマホを持ってるし、今後は回線が4Gから5Gになって大容量のデータも瞬時にダウンロードできるようになるので、VRゴーグルをつけて何かを見る体験が当たり前になる予感もあります。

そうですねー。

やっぱり、コンテンツはスポーツなどの観戦ものが多いんですか?

はい、スポーツや音楽ライブなどは撮るだけでコンテンツとして成立しますからね。あとは、最近 海外では、映画祭の賞でVR部門が設立されたりしているので、VR用に撮り方を工夫した作品が色々出てくると思います。

日本と海外で技術の違いはあるんですか?

技術というか、取り組み方のアグレッシブさが違いますね。海外は文化的にも「面白そうだから、とりあえず作ってみよう」というチャレンジングなコンテンツや、「新しいから使ってみたい」というユーザーが多いような気がします。日本だと「誰かがやっているから、評判になったからやってみよう」というユーザーが多い気がします。

続きは動画でお楽しみください。

「VRが日本で浸透していくためには」
を動画で観る

大人3人がエンタメ × VRの未来を妄想! VRだからこそ体験できるものを。

松居監督はミュージックビデオとかも作られているので、音楽とVRの融合はすごく可能性がありそうだなと思いました。現段階で、こういうVRコンテンツを作れたらなあ、って何か思い描いていますか?

VRでカメラ位置を切り替えられることを知らなかったので、1カットの中で色々な出来事が起きて、どんどん深いところに巻き込まれていくことができないかなあ、と考えていたりしました。例えば、家族会議だったり、居酒屋での友達たちとの喧嘩だったり、現実的な話から入り、いきなり「おい、聞いてんのか」とか突然言われて喧嘩に巻き込まれて、劇的な展開に変化してだんだんとファンタジックで非日常なシーンにどんどん切り替わっていくと、VRで観ているほうは空を飛んでいるような感覚になるんじゃないかなあ。1カットでも、上手く時間経過を見せていけばそういう体験ができる気がします。

そのグラデーションはいいですね。VRコンテンツの方向性でいうと、現実的なシーンは、その場にいないんだけど、あたかもいるかのような感覚を再現して、非現実的なシーンは、映画やゲームの世界にいるような感覚を再現していく形になると思います。

それで実現できる「気がついたらこんなところにいる」っていう感覚は、VRだからこそ体験できるものですよね。

ただ、どうしても膨大なデータ量が必要なので、画質が荒くて「本当にそこにいる」レベルまではいってはいないんですけど、5Gのネットワークが出てくると8Kとかの画質レベルで快適に見れるようになると思いますね。

小人になる、みたいなこともできそう。周りの皆が大きくみえたり(笑)

うんうん、できますよね。

未来に向けた、聴覚、触覚、嗅覚…五感の研究

そういえば、技術的に感触や匂いの研究とかは進んでいるんですか?

はい、人間の五感ってあるじゃないですか。例えば、聴覚だと自分が向いた角度に合わせた音が聞こえたり、触覚だとコントローラーを手で握ると振動が返ってきたりします。他には、あるスタートアップ企業が嗅覚を研究しているんですけど、何種類かの匂いの元を組み合わせて色んな匂いを再現する、というのもあります。

すごいですね! どんどん現実に近い感覚に近づいているんですね。

ちょっと話は変わるんですけど、防災訓練でも映画館で4Dを鑑賞するときと同じシートに座って、VRを通じて災害を体験できる車があるんです。火災の中に自分がいるみたいに熱を感じたり、風や水しぶきがきたり、とか。災害の状況が観れるだけじゃなくて、リアルに五感にもアプローチしてくるので、ほとんどパニックなんですけど(笑)

続きは動画でお楽しみください。

「エンターテインメント × VRの未来を妄想」
を動画で観る

(掲載日:2019年6月28日、更新日:2020年4月15日)
文:ソフトバンクニュース編集部

「みみばしる」だけではなく、さまざまなエンタメの臨場感をVRで味わえる「VR SQUARE(旧:LiVR)」

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