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花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近にあふれていた件。

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

突然ですが、「ピタゴラスの定理」を覚えてますか?

「三平方の定理」とも呼ばれ、中学校で習う数学の定理です。実は、この定理が私たちの身近なところで活用されているとのこと。今回はそれを解説します。

まずは、ピタゴラスの定理(三平方の定理)をおさらい

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

ピタゴラスの定理とは、古代ギリシアの数学者で哲学者のピタゴラスが立ち上げた団体が発見した数学の定理のこと。直角三角形をなす3辺のうち、2辺の長さを知ることができれば、残り1辺の長さを知ることができるというものです。

公式:a² + b² = c²

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

例えば、斜辺5cm、底辺3cmの直角三角形の場合、以下のようにもう1辺の長さを導き出せます。

  • 5² = 3² + b²
  • b = 4

実は、この一見単純に見えるこれらの定理が、私たちの身の回りでも活用されているんです。

テレビや野球場にも……!? 「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」の知られざる活用事例を紹介

その① テレビのディスプレイの横幅を測定する(ピタゴラスの定理)

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近にあふれていた件。

テレビやパソコンのディスプレイのサイズは、対角線のインチ数(1インチ = 2.54cm)で表示されます。最近のテレビの画面比率は16:9のため、インチ数から横幅の長さを計算することができますよ。

16² + 9² = C²

C = √337

42インチ = 106.68cm

106.68 ×(16/√337) = 92.8

  • 42インチの場合:92.8cm
  • 数ミリの誤差はあります
  • 数ミリの誤差はあります

その② 花火の打ち上げ地点までの距離を測定する(ピタゴラスの定理)

花火、テレビ、3D…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

花火は玉の大きさで到達高度(地上からの距離)の目安が決まっています。例えば、1尺玉(10号)であれば約330m。音は秒速340mのため、花火が打ち上がってから音が聞こえるまでの秒数から、打ち上げ地点までの距離が計算できます。
(尺玉の目安:花火玉の大きさのいろいろ

1尺玉、音を認識するまで2秒:X² + 330² = 680²

X≒590m

その③ 野球場などの設営(ピタゴラスの定理)

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

野球場などのスポーツ試合の会場設営で必要なのは、事前の「全体レイアウト」と「直角の出し方」。そこで、直角を出すには「三平方の定理」を使います。

その④ ゴルフの飛距離を測定する(ピタゴラスの定理)

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

2019年からの大幅なゴルフルール改正で、高低差の情報を除く距離情報を得るためであれば、距離計測器(Distance Measuring Device - DMD)の使用が可能になりました。これまで飛距離の測定にメジャーが一般的に使われていましたが、測定時に不具合が多いため、主流はレーザータイプになります。

距離測定器は、DIYから建築・土木現場などプロの世界でも)

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

屋内向けのコンパクトなものや、室外向けの本格的なもの、面積の特定機能・Bluetoothでのデータ転送機能が付いている特殊なものなど、大きく3つのタイプがあります。

私たちの身近なテクノロジーにも使われている、「三角測量」の知られざる活用事例を紹介

実は、ピタゴラスの定理を応用した「三角測量」も、私たちの身近なところで活用されているんです。

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

2つの角度がわかれば、三角形が確定し、距離がわかる

位置と距離のわかる2点間から測定したい点の角度を測定することで、その点の位置を決定する、測量方法のこと。測量、航海、計量学、位置天文学など、多目的に使用されています。

その① 地球と星までの距離を測定する(三角測量)

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

ピタゴラスの定理を応用した「三角測量の原理」を用いることで、地球と星までの距離を計測することも可能。地球は太陽のまわりを公転しているので、夏と冬に同じ星を観測すれば、地球と太陽の間の距離の2倍離れた位置から同じ星を見たことになります。そして、観測された視差(年周視差)をもとに距離を見積もれるんです。

視差とは

離れた2点から同じ対象を観察した際に、近くの対象ほど背景に対して位置がずれて見えます。例えば、手に鉛筆を持って、片目ずつ交互に見ると、その位置が背景に対してずれて見えるのと同じ現象で、このときのずれた角度の半分を「視差」といいます。

その② ドローンの空撮写真から3Dモデリングデータを生成する(三角測量)

花火、テレビ、3D…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

2D・3Dのモデリングデータを生成するためにドローンなどが用いられ、写真撮影された対象物の位置・大きさ・形状などを判定・測量する空中写真測量の基本原理にも、三角測量が活用されています。(参照元:写真測量

その③ 3Dモデリングデータを生成する(三角測量)

花火、テレビ、ドローン…… 数学で習った「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」や「三角測量」が身近に溢れていた件。

ARコンテンツの3Dモデリングデータの生成にも三角測量が活用されています。例えば、30台のカメラで撮影した2Dの映像データを三角測量の原理を用いて結合処理を行うことで、立体的な3次元のCG映像データを生成することが可能なんです。

いかがでしょうか?

他にもどんなところで活用されているか、ぜひ探してみてくださいね!

(掲載日:2020年9月2日)
文:ソフトバンクニュース編集部