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「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

自社の事業そのものがSDGs達成に貢献することであり、同時に、持続可能な事業成長にもつながると考えているソフトバンク。さまざまな社会課題の解決を目指しSDGsを推進していく上で重要な役割を果たす「新規ビジネス」について、3名のキーパーソンに語ってもらいました。

クロストークの参加者

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

法人事業統括 デジタルトランスフォーメーション本部長 河西 慎太郎(かさい・しんたろう)

通信業界で長くシステムエンジニア(SE)や営業に従事し、2017年の本部発足当時よりDX(デジタルトランスフォーメーション)事業を牽引。本部ミッションは「日本の社会課題に対峙」「ソフトバンクの次の柱になる事業を創出」。行動指針は5つ、「Flat、Open、Connected、Share、Collaboration」。

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

事業開発統括 ポートフォリオマネジメント本部長 櫟木 明(いちき・あきら)

大手都市銀行を経て、多岐にわたる事業分野において、複数の上場企業での経営戦略の立案・実行、また、ベンチャー企業の経営に携わる。2019年からソフトバンクで海外企業とのジョイントベンチャーなどによる新規事業開発を行うユニットの本部長。グロービス経営大学院では「ベンチャーマネジメント」を教えている。

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

SDGs推進室長 兼 人事総務統括CSR本部長 池田 昌人(いけだ・まさと)

東日本大震災を機に、企業ができる継続的な社会貢献事業を推進しようと、マーケティング部門からCSR部門に異動。スマートフォンを活用した継続的な復興支援の仕組み作りや、遠隔で専門家のスポーツレッスンが受けられるプラットフォームサービス、ITを活用した障がいのある子どもたちの学習支援など、IT活用による事業を通じた社会貢献活動を推進。2020年からSDGs推進室長として、ソフトバンクのSDGsへの取り組み強化を中心となって推し進める。

SDGsを語るとき「事業を通して」が必然だった

まずは、ソフトバンクのSDGs推進の取り組みについて教えてください。

池田昌人

ソフトバンクでは「自社の事業そのものがSDGsの達成に貢献する」と考えています。現在行っている、または計画中の事業がSDGsの17の目標に当てはまるかだけではなく、持続可能な未来を見据えたときにソフトバンクが提供し得る価値が何かを考え、成長戦略と構造改革を追求するものです。

SDGs推進のために「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中を」というコンセプトと、そのコンセプトの下に、持続可能な社会の発展に向けて取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、その1番目に「DX(デジタルトランスフォーメーション)による社会・産業の構築」を掲げています。

池田昌人

ソフトバンクでは「自社の事業そのものがSDGsの達成に貢献する」と考えています。現在行っている、または計画中の事業がSDGsの17の目標に当てはまるかだけではなく、持続可能な未来を見据えたときにソフトバンクが提供し得る価値が何かを考え、成長戦略と構造改革を追求するものです。

SDGs推進のために「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中を」というコンセプトと、そのコンセプトの下に、持続可能な社会の発展に向けて取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、その1番目に「DX(デジタルトランスフォーメーション)による社会・産業の構築」を掲げています。

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

河西慎太郎

SDGsへの取組みのコンセプトや6つのマテリアリティを発表したのは、今年の5月でしたね。私が現在取り組んでいるDXがマテリアリティの1番目に据えられていたので、よく覚えています。

池田昌人

マテリアリティは、SDGsへの貢献、当社やステークホルダーにとっての重要度を基準に、経営幹部や外部有識者と議論して設定しました。その中で、DXが1番目に来ることは揺るがなかったですし、必然だったと考えています。最新テクノロジーを活用した「ソサエティ5.0」を目指す中で、社会もソフトバンクにそれを求めている。私はそう確信しています。

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

社会課題を解決する事業(ビジネス)がSDGs推進につながるという考えですね。それでは、これまでソフトバンクが得意としていた新規ビジネスはどのようなものでしょうか?

櫟木明

個人的には、ソフトバンクは0から1を生み出すというよりも、1を100にスケールアップさせるビジネスが得意なのではないかと思います。そのスピードやパワーは抜きん出たものがあります。

最近だと、ヤフーと一緒に始めた「PayPay」などが該当するのではないでしょうか。気が付くと日本全国、津々浦々で使えるようになっている。小さな個人商店などで買い物をするときにPayPayが使えると、ちょっと感動しますよね。

櫟木明

個人的には、ソフトバンクは0から1を生み出すというよりも、1を100にスケールアップさせるビジネスが得意なのではないかと思います。そのスピードやパワーは抜きん出たものがあります。

最近だと、ヤフーと一緒に始めた「PayPay」などが該当するのではないでしょうか。気が付くと日本全国、津々浦々で使えるようになっている。小さな個人商店などで買い物をするときにPayPayが使えると、ちょっと感動しますよね。

河西慎太郎

ソフトバンクが「ヤフーBB」を始めたときに培ったマーケティングモデルを完全に踏襲してますね。駅前のパラソル隊のようなことをやった会社は過去にないと思います。これまで世の中で当たり前だった既存のビジネスモデルに、知恵とか情熱とか愛を入れ込んで新しいものに変えていく力はすごくあります。

河西慎太郎

パラソル隊、懐かしいですね(笑)。

河西慎太郎

やっぱり、あの経験があったからこそPayPayでもアクセルを踏めたんじゃないかと思うんです。経験の積み重ねは大きいですよね。

  • ソフトバンクが2001年9月から提供を開始したADSL(非対称デジタル加入者線)方式のインターネット接続サービス。「ヤフーBB」ADSLモデムの街頭での無料配布や広告宣伝で顧客数を伸ばした。

SDGsの本質は、抜本的な改革からサステナブルを生み出すこと

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

河西さんが本部長を務めるDX本部は、現在どのようなことをされているのでしょうか?

河西慎太郎

DX本部は、言い換えるならば「新規事業を開発する組織」です。アプローチ方法としては自力で新たな事業を検討する「0→1」ではなく、パートナーと事業を共創する「1→100」。さまざまなアセットや新しいビジネスモデル、最先端のテクノロジーを用いてパートナーと共創し、社会課題を解決するための事業を立ち上げたり、そのパートナーの事業をより大きく高収益にしていくというのが目指すところです。

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

池田昌人

新しいビジネスを開発する。言葉にするのは簡単ですが、苦労することも多いのではないでしょうか?

河西慎太郎

DX本部ができたのは3年ほど前で、当初は共創パートナーと新しい事業モデルを作り上げて、売上や利益を出すというところに重きを置いて進めていました。でも、それはあるべき姿ではなかったと思います。

売上や利益を上げることができても、根幹となる業務プロセスやサプライチェーンを変えられなければ、どこかに負荷がかかるんです。表面的なビジネスモデルの変革やアプローチで新しい事業を興こしてもサステナブルではない。本当にサステナブルな新規ビジネスを創出するのは、やはり簡単ではありませんね。

河西慎太郎

DX本部ができたのは3年ほど前で、当初は共創パートナーと新しい事業モデルを作り上げて、売上や利益を出すというところに重きを置いて進めていました。でも、それはあるべき姿ではなかったと思います。

売上や利益を上げることができても、根幹となる業務プロセスやサプライチェーンを変えられなければ、どこかに負荷がかかるんです。表面的なビジネスモデルの変革やアプローチで新しい事業を興こしてもサステナブルではない。本当にサステナブルな新規ビジネスを創出するのは、やはり簡単ではありませんね。

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

これまで携わった中で、印象的だった新規ビジネスは何ですか?

河西慎太郎

あるプロジェクトでは、製造からお客さまに届けるまでのサプライチェーン全体のデジタライゼーションに踏み切りました。サプライチェーンの構造そのものをテクノロジーを駆使して抜本的に変えていく。事業を再定義してサステナブルなものに作り直していく作業なので、非常に取り組み甲斐があります。

池田昌人

SDGsって、いま河西さんが話された「根本を見直す」ということに近いと思っています。売れる売れないという表層的なことだけではなく、もっと深い課題までニーズを深堀してビジネス化すること。もしくは継続的な枠組みにすることがSDGsの本質です。

河西慎太郎

そう思います。私も全く同じ認識ですね。

池田昌人

日本では「SDGs=社会貢献」というイメージに置き換えられがちです。社会貢献はビジネスにしてはいけないととらえられているケースも非常に多い。櫟木さんは海外の企業とお仕事をされるケースも多いと思いますが、どのように感じていますか?

櫟木明

確かに、日本と海外では社会貢献とビジネスの結びつきに対する意識が違いますよね。海外では、社会貢献とビジネスは両立させるのは全く不自然ではない。私が最初にそう感じたのは20年くらい前でかなり時間が経ちましたが、いまだにその溝は埋まっていないような気がします。

池田昌人

私はビジネスによる構造改革こそが、社会の課題を解決する最もエネルギッシュな部分だと考えていますし、最もSDGsの達成に向けた前進を感じられます。その考え方を日本でも広げていきたいですね。

上場企業としての自覚とベンチャースピリットの共存

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

SDGsの本質を踏まえて、今後ソフトバンクとしてどのような新規ビジネスを展開するべきなのでしょうか?

河西慎太郎

パッと思いつくのは、活力ある社会にするために何ができるか、ということです。日本をはじめとする先進国には超高齢化による労働人口の減少など、多くの社会課題がある。新規ビジネスを通して、それに向き合っていきたいですよね。

日本には古い仕組みがたくさんあります。国と民間とで肩を組んで、腕も取り合って、壊しながら、新しい事業として作り上げていく。それを作り上げることができれば、高齢化が加速する海外でも通用するはずなんです。

河西慎太郎

パッと思いつくのは、活力ある社会にするために何ができるか、ということです。日本をはじめとする先進国には超高齢化による労働人口の減少など、多くの社会課題がある。新規ビジネスを通して、それに向き合っていきたいですよね。

日本には古い仕組みがたくさんあります。国と民間とで肩を組んで、腕も取り合って、壊しながら、新しい事業として作り上げていく。それを作り上げることができれば、高齢化が加速する海外でも通用するはずなんです。

櫟木明

日本を変えなければならない、という点は強く同意です。日本ってある意味で安定しているし、安心して暮らせるし、良いところはたくさんありますよね。でも、あまりにも長くコンフォートゾーンに入ってしまっているんじゃないかと感じることがあります。

池田昌人

コンフォートゾーンですか。

櫟木明

コンフォートゾーンは、悪い言い方をすれば「ぬるま湯」です。ずっと、そこに入り続けるわけにはいきません。

私はコンフォートゾーンを抜け出して、新しいチャレンジをするのはベンチャー企業だと思っています。そういう意味ではベンチャーはスピリットの問題であり、会社の規模は関係ないんですよ。いま河西さんや私がやっていることは、大企業の中でベンチャーのスピリットを持つことだと感じています。

櫟木明

コンフォートゾーンは、悪い言い方をすれば「ぬるま湯」です。ずっと、そこに入り続けるわけにはいきません。

私はコンフォートゾーンを抜け出して、新しいチャレンジをするのはベンチャー企業だと思っています。そういう意味ではベンチャーはスピリットの問題であり、会社の規模は関係ないんですよ。いま河西さんや私がやっていることは、大企業の中でベンチャーのスピリットを持つことだと感じています。

河西慎太郎

一般的なベンチャー企業にも当てはまることですが、新規ビジネスを早期に収益化させるのって難しいですよね。

でもソフトバンクは櫟木さんや私の本部など、多くの経営資源を新規ビジネスの創出に投下している。やや手前味噌になってしまいますが、それができる企業は少ないと思います。だからこそ、しっかりと形にして世の中に出していくことが私の責務だと思っています。

河西慎太郎

一般的なベンチャー企業にも当てはまることですが、新規ビジネスを早期に収益化させるのって難しいですよね。

でもソフトバンクは櫟木さんや私の本部など、多くの経営資源を新規ビジネスの創出に投下している。やや手前味噌になってしまいますが、それができる企業は少ないと思います。だからこそ、しっかりと形にして世の中に出していくことが私の責務だと思っています。

櫟木明

最初に話したようにソフトバンクの強みは「1→100」の部分。「0→1」を組織の中でやるのか、他の企業との共創によって生み出すのか、その見極めをやっていかないといけないですね。

先ほどベンチャースピリットという言葉を使いましたが、一方でソフトバンクという上場企業としての自覚も非常に重要だと思っています。ニーズがあるから何でもやっていいわけではない。ソフトバンクの存在意義が問われているわけですから、重要な社会課題に向き合う必要があります。上場企業としての自覚とベンチャースピリットのバランスというか。

櫟木明

最初に話したようにソフトバンクの強みは「1→100」の部分。「0→1」を組織の中でやるのか、他の企業との共創によって生み出すのか、その見極めをやっていかないといけないですね。

先ほどベンチャースピリットという言葉を使いましたが、一方でソフトバンクという上場企業としての自覚も非常に重要だと思っています。ニーズがあるから何でもやっていいわけではない。ソフトバンクの存在意義が問われているわけですから、重要な社会課題に向き合う必要があります。上場企業としての自覚とベンチャースピリットのバランスというか。

河西慎太郎

私は、それがSDGsではないかと認識しています。ソフトバンクの一番得意なところでビジネスをグロースさせて、社会課題を解決させる。思いっきりやっていきたいですね。

「新規ビジネス × SDGs」クロストーク。ソフトバンクには、事業を通して社会課題を解決していく使命がある

池田昌人

世間から見るとソフトバンクって大企業に見えると思うんです。でも、いまお二人の話を聞いていて、ベンチャー企業と大企業の違いは意識の持ち方だと再認識しました。ベンチャー企業は社員一人ひとりがトップと同じ意識で、自分の仕事を社会の役に立てる熱意があふれている企業だと思うんです。

河西慎太郎

そうですね、仕事って「事」に「仕える」ですから。自分の仕事と社会とのつながりは、常に意識したいですね。

池田昌人

これから社員一人ひとりに期待したいのが、自分の仕事が単なる売上という尺度だけでなく、SDGsに繋がっていることを認識してもらうことなんです。世の中をサステナブルにするため、ソフトバンクをよりサステナブルな会社にするため、前向きな一歩を生み出すときにSDGsがエネルギー源になるようにしていく必要がある。そんな意識が社内で深く浸透すると、先ほどのベンチャースピリットみたいなものも含めて、より活気のある会社になるんじゃないかと思っています。

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ソフトバンクは、すべてのモノ・情報・心がつながる持続可能な社会の実現に向け、企業活動や事業を通じて、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいきます。

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(掲載日:2020年10月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部