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「やること・やりかた」を見える化。アプリで子どもの困りごとや家族の負担を軽減する「アシストガイド」

「やること・やりかた」を見える化。アプリで子どもの困りごとや家族の負担を軽減する「アシストガイド」

手洗いやうがい、学校の準備や宿題など「あれ忘れてない?」「遊んでばかりいないで、宿題はやったの?」などと、ついつい口出しをしたくなるのが親心。でも本当はガミガミしたくないし、一人でなんでもできるように成長してほしい......。

そんな親の思いに応え、子どもの日常生活や社会参加を支援するアプリ、アシストガイドがソフトバンクから登場しました。アプリの特長や、実際に使っている方の評判などについて、企画開発担当者に詳しく聞いてみました。

ソフトバンク サービス企画部 
伊吹(いぶき)さん、廣野(ひろの)さん

アシストガイドとは

困りごとを抱える子どもの日常生活や社会参加を支援するアプリ。保護者や支援者、子ども自身が、子どもの『やること』と、その『やりかた』を視覚的に登録、確認することができます。視覚化することで、子どもは自分で行動しやすくなり、またアプリにしたことで保護者や支援者がサポートしやすくなっています。iPhoneやiPad、またはAndroidスマホやタブレットで、無料で利用可能です。

 

 

困りごと」って具体的にどんなものなのですか?

伊吹

発達障がいのある方を例として挙げると、脳機能の発達の偏りなどの関係で、「言葉で聞いて理解することが難しい」、「終わりの概念が無く、次に何をするか計画を立てることが苦手」、「じっとしていることが難しい」などのような特徴があります。障がいの程度や年齢、生活環境によっても症状は変わってきますが、そういった特徴を「困りごと」と表現することが多いです。

出典:「理解する ~発達障害って何だろう?~」(政府広報オンライン)

日常生活の中で、こういった困りごとを抱えている方は、日本でも数十万から数百万人にものぼるとのこと。家族や先生など、サポートする方々も含めると、さらに多くの方が関係しています。

廣野

大事なことは、困りごとがあるからといって決してその人が特別な人というわけではなく、周りと少し違った特性があり、今の生活環境だと困っているというだけなんです。ちょっとした支援の工夫で、困りごとでなくなるということもたくさんあります。

具体的にはどんな工夫で困りごとがなくなるか教えてください。

伊吹

例えば保護者の方が、「朝ごはんの後には歯を磨く。次に学校の準備をする」といった「やること表」を作ったり、「かばんの整理の手順 ①連絡帳を出す ②体操服を出す」といったように、何かに取り組む際の「やりかた順」を、写真やイラストを交えて手作りされたりしています。

廣野

「困りごと」を抱えていても、視覚化などのちょっとした工夫をするだけで、自分で行動できるようになることが多いということから、私たちもICT(情報通信技術)を活用して、何か支援ができないかと考えて開発したのがこのアシストガイドです。

通常学級でも役立つ、アシストガイドの3つの特長

子どもの「やること」と、その「やりかた」を視覚的に登録、確認することができるアシストガイドの便利な特長は、周りと少し違った特性がある子どもたちだけでなく、通常学級の子どもたちにも役立つといいます。

特長① 手順のメモや持ちものリストがスマホのカメラで簡単に作成できる

例えば、「学校の持ちもの」という持ちものリストを作成するときに、子どもが実際に使っているペンケースやノートの写真を登録できるので、子どもが理解しやすくなります。 他にも「電車の乗りかた」というやりかたの手順や「学校への行きかた」という行きかたの手順なども同じように写真付きで自由に作成できます。

特長② メモとひもづけた予定表の作成ができる

学校から家に帰る、帰宅後に手をあらう、かばんを整理するなど、順序立てて予定を作成できるのですが、「かばんを整理する」という予定に、自分で作成した「かばんの整理の手順」の手順メモをひもづけることができます。予定の確認と同時に手順も見ることができるので、スムーズに実践することができます。

特長③ 完了した予定が一目でわかる

これにより、子どもが次の行動に移りやすくしています。明確に「完了する」という行為をすることで、子どもは達成感を味わえ、できたことが増えていくことが自信につながります。保護者は達成状況を確認でき、親子のコミュニケーション促進にもつながります。

実際に使っている方の声も教えてもらいました!

  • ポストに手紙を入れるお手伝い
  • ティッシュにチラシを入れる作業学習の様子(特別支援学校高等部)
  • 理科の授業での実験手順の説明(小学校・通常学級)

廣野

お子さんからは「ポストに手紙を入れるお手伝いができた」「持ち物ボタンでチェックすることで忘れ物をしなくなりました」といった感想が届いています。親御さんからも「今まで手作りで、やること・やりかたリストを作っていたので、負担が軽減した」「アプリでできることが広がった子どもの表情がイキイキとし、これからもできることが増えれば将来の生活に役立つと感じた」という声も届いています。

伊吹

ほかにも、先生や一般の方から声が届いています。「特別支援学校の作業学習や通常学級の理科の授業でも活用できた」「紙の手順書と違って、すぐに編集して変更できるのが良い」「スマホの操作自体が楽しいので、生徒が興味を持ちますし、スマホをテレビにつなげば、そのまま授業で説明できて便利です」「障がいのない人も使えるし、大人でも役立ちそう」というように、私たちが想定していなかった使われ方でも、大変役立ったという感想をいただいています。

「メガネ」や「コンタクトレンズ」のようななくてはならない存在になりたい

開発にあたって、こだわったポイントはありますか?

廣野

困りごとの症状は人によってさまざまなので、ユニバーサルデザインの考えを取り入れて、シンプルかつすぐに使えることを心掛けました。そして、さらにより幅広いニーズに応えていけるように、自閉症や知的障がいのある子どもとのコミュニケーションを専門に研究している香川大学と共同研究を進めています。

香川大学との共同研究について

ソフトバンクは、日常生活で困りごとを抱える方の社会参加を支援するため、教育現場での検証や課題の発見を通じて、アシストガイドの機能向上や活用方法の調査、普及活動などを加速させるために、香川大学と共同研究を行うこととなりました。香川大学教育学部では、自閉症や知的障がいのある子どもが、ICTを活用することで本来の能力を発揮できるようにする支援技術や、特別支援教育の分野で先進的な研究に取り組んでいます。

香川大学とソフトバンク、アプリを活用して障がいのある方の社会参加を推進する共同研究を実施~困りごとを抱える方の生活と社会参加を支援するアプリを開発~

香川大学教育学部 坂井聡 教授と宮崎英一 教授から、コメントをいただきました

「アシストガイドは、メガネやコンタクトのように、日常的に使うことができるアプリです。視力が原因で見えにくい人は、コンタクトやメガネによるアシストで本来の力が発揮できています。同じように忘れ物をすることが多い人は、アシストガイドのアシストで本来の力が発揮できるようにすればよいのです。アシストガイドはあなたの苦手なことを、かっこよく解決するためのアプリなのです」

今後の抱負を聞かせてください。

伊吹

まずは無事にリリースできてほっとしています。今後は1人でも多くの方がこのアプリを、坂井教授・宮崎教授のコメントにあった、メガネやコンタクトのような日常的なものとして使われるようにしていきたいと考えています。そのためにはリリースして終わりではなく、より多くの方の意見に触れながら改善活動を続けていきたいです。

知的障がいや発達障がいのある方は決して特別な人ではありません。少し周りとは違う特性を持っていてもICTを活用することで本来の能力が発揮でき、障がいを感じない世界を目指していきたいと考えています。

アシストガイドについて詳しく見る

SDGsの達成に向けたマテリアリティ「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」

サステナビリティ

ソフトバンクは、「SDGs」の課題解決を重要な経営課題と捉え、国際社会が追求する社会課題の解決に貢献することにより、企業価値の向上と持続的な社会の実現に取り組んでいます。「アシストガイド」の提供を通して、障がいのあるなしにかかわらず「誰もが情報へアクセスできる環境の提供」の実現を目指します。

サステナビリティの取り組み

(掲載日:2021年1月18日)
文:ソフトバンクニュース編集部