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目標4「質の高い教育をみんなに」。誰もが教育機会を得られる社会へ ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」。誰もが教育機会を得られる社会へ(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標4「質の高い教育をみんなに」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」3つのポイント

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」。誰もが教育機会を得られる社会へ(3分で分かるSDGs)

  1. 貧困や差別によって教育機会が奪われている
  2. 企業がしていること。教育機会の創出と経済的なサポート
  3. 私たちにできること。理解を深めることが第一歩

世界の教育格差とは? 貧困や差別、あらゆる理由で教育機会は奪われる(SDGsの目標4)

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」。誰もが教育機会を得られる社会へ(3分で分かるSDGs)

今、世界では約3億300万人の子どもが学校に通えていません。その背景はさまざまですが、特に問題視されているのは“貧困”と“紛争”です。

実際に、極度に貧しい世帯に生まれた子どもは、経済的に豊かな家の子どもに比べ、およそ4倍も学校に通えない確率が高まると言われています。さらに現在、教育を受けられていない子どもの約3分の1が、日々の暮らしもままならない紛争地や被災地に住んでいます。

教育の格差は識字率にも現れていて、15歳以上で読み書きができない人は世界に約7億人以上もいるのだそう。しかも、その約3分の2を占めるのが女性です。生活環境だけでなく、性別や民族、障害などのあらゆる差別も、人々から学習する機会を奪う要因となっています。

この問題は、何も子どもだけに限ったことではないのです。大人も同様に、必要なスキルや技術を学ぶ機会を平等に得られなければ、働きがいのある仕事に就くことができません。

ゴールは「すべての人に質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」こと

貧富の差や環境、ジェンダーに関係なく、誰もが質の高い教育を受けられるような仕組みが必要です。経済的なサポートをはじめ、どこに住んでいても学習できるオンライン教育や大人のための職業訓練、生涯教育といったさまざまな取り組みが求められています

企業がしていること。教育機会の創出と経済的なサポート(SDGsの目標4)

① 発達障害児の家庭学習を支援

厚生労働省の調査では、日本で発達障害をもつ子どもは約7万8,000人。通信教育講座を提供するある企業には、その保護者から家庭での学習における悩みが多く寄せられるそうです。そこでこの会社の教材を使って家庭学習のサポートをするため、“発達障害支援サイト”を開設。発達障害児を抱える家庭からの悩みに専門家が答え、教材のより良い使い方や学習をスムーズに進めるためのノウハウを提供しています。

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」。誰もが教育機会を得られる社会へ(3分で分かるSDGs)

② 返済不要の奨学金プログラムを実施

教育格差のもっとも大きな原因は貧困だと言われています。海外留学サービスを提供するある企業では、米国大学への奨学金留学プログラムを実施しています。プログラムには、授業料や滞在費などの50%以上を支援する大学が数多く参加しています。さらに返済義務のない給付型の奨学金のため、米国へ留学したい人にとって大きな支えとなるでしょう。このプログラムによって、学習機会の平等を目指しています。

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」。誰もが教育機会を得られる社会へ(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。理解を深めることが第一歩(SDGsの目標4)

持続可能な開発に関する知識を得

日本は義務教育が当たり前になっているので、「教育の質を高める」と聞いてもピンと来ないかもしれません。まずは家族や身近な人々と、他国の教育事情や、日本の教育が抱える課題について話してみましょう。そこから「持続可能な開発」に必要な人権や平和についての情報を交換することで、座学だけではない教育の大切さを再認識するきっかけにもなります。

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」。誰もが教育機会を得られる社会へ(3分で分かるSDGs)

② 課題解決型学習(PBL)に触れる

課題解決型学習(PBL)とは、知識の暗記など受け身の学習ではなく、生徒が自ら社会の課題を見つけ、グループディスカッションなどを通し、自分なりの解決方法を養うことを目的とした教育スタイルです。日本では学校の授業などで取り入れ始められており、自宅でも親子でトライできます。これにより、子どもたちが課題を見つけて解決する能力や、論理的に思考する力が自然と伸ばせます。そのスキルは、情報化や国際化が進む世界でますます重要になっていくでしょう。

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」。誰もが教育機会を得られる社会へ(3分で分かるSDGs)

誰もが教育機会を得られる社会へ

教育とはしっかりとした職に就くチャンスを与え、安定した生活を得るための礎になるもの。決して遠い国の問題だけではなく、私たちの身近なところにも解決できる教育格差は多くあります。子どもも大人も誰もが平等に学習機会を得られるよう、まずは理解を深めることから始めてみませんか?

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月15日)
監修:蟹江憲史先生
文:大瀧亜友美
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

SDGsの達成に向けた、マテリアリティ「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」

サステナビリティ

フトバンクは「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」をコンセプトに、SDGsの達成に向けて6つのマテリアリティ(重要課題)を設定。そのうち、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」を踏まえた「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」では、ICTを活用した教育分野への貢献を通じ、新たなライフスタイルと生活基盤を充実させることを目指しています