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目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。すべての人が自分らしく生きるために ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。すべての人が自分らしく生きるために(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標5「ジェンダー平等を実現しよう」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」3つのポイント

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。すべての人が自分らしく生きるために(3分で分かるSDGs)

  1. あらゆる場所で女性が差別を受けている
  2. 企業がしていること。すべてのジェンダーに優しい環境づくり
  3. 私たちにできること。家庭内の役割を見直そう

世界のジェンダー格差の現状とは? あらゆる場所で女性が差別を受けている(SDGsの目標5)

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。すべての人が自分らしく生きるために(3分で分かるSDGs)

「女の子はピンク、男の子はブルー」など、無意識に抱いているイメージはありませんか? このように、社会の中で「女性らしい」「男性らしい」とされている役割や行動、考え方などを、社会的性別=ジェンダーといいます。

ジェンダーの格差や差別の問題は、世界中で議論されている深刻な課題。女性であることを理由に、教育や労働の機会が十分に与えられない人がたくさんいます。ユニセフが発表した2018年のデータによると、6歳から11歳の子どもの8%にあたる約5,900万人が学校に通っておらず、そのうち約3,200万人が女の子でした。また、世界では約7億5,000万人の女の子が18歳未満で結婚しており、そのうち約3人に1人が、15歳未満で結婚しているといったデータもあります。

もちろん、日本においても、ジェンダーの格差は解決すべき課題です。2019年に発表された“ジェンダーギャップ指数”では、日本は153カ国中121位。前回の110位(149カ国中)からさらに順位を落として、過去最低を更新しました。

1

アイスランド

15

フランス

2

ノルウェー

19

カナダ

3

フィンランド

21

イギリス

4

スウェーデン

53

アメリカ

5

ニカラグア

76

イタリア

6

ニュージーランド

81

ロシア

7

アイルランド

106

中国

8

スペイン

108

韓国

9

ルワンダ

112

インド

10

ドイツ

121

日本

2020年版「ジェンダー・ギャップ指数」

ゴールは「ジェンダーの平等を達成して、すべての女性と少女の可能性を広げる」こと

ジェンダーの課題は、「女性」や「男性」といった身体的な性別に関するものだけではありません。これまで性的少数者と呼ばれ、差別を受け続けてきた“LGBTQ”当事者の存在を受け入れることもまた、ジェンダーに関する取り組みのひとつ。誰もが自分の能力を生かして、生き生きと働ける社会を作るには、このようにあらゆるジェンダーの格差や差別をなくすことが大切です。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • ジェンダーギャップ指数…世界経済フォーラム(WEF)が2005年から毎年発表している、各国の男女格差を示す指数で、経済、政治、教育、健康といった4つの分野から算出される。
  • LGBTQ…レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング/クィアの頭文字を取って名付けられた、幅広いセクシュアリティ(性のあり方)を総称する言葉。
  • ジェンダーギャップ指数…世界経済フォーラム(WEF)が2005年から毎年発表している、各国の男女格差を示す指数で、経済、政治、教育、健康といった4つの分野から算出される。
  • LGBTQ…レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニング/クィアの頭文字を取って名付けられた、幅広いセクシュアリティ(性のあり方)を総称する言葉。

企業がしていること。すべてのジェンダーに優しい環境づくり(SDGsの目標5)

① 女性管理職を増やすためのプログラムやセミナーの実施

日本国内でも、女性の活躍を推進する取り組みを始めた企業は少なくありません。その一例として、女性リーダーを育成するプログラムや、出産・育児、介護などを含めたキャリア構築を支援するプログラムが挙げられます。これまで男性社会のイメージが強かった業界でも、女性の幹部社員への登用や、女性が働きやすい環境づくりを進める企業が、少しずつ増えています。

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。すべての人が自分らしく生きるために(3分で分かるSDGs)

② ジェンダーフリーの更衣室やトイレの設置

近年、すべての社員が自分らしく働き、それによってイノベーションを生み出すことを目指す「ダイバーシティ経営」が推進されています。ダイバーシティ経営を掲げる企業の中には、性別や性自認に関係なく使える更衣室やジェンダーフリートイレを、社内に設置しているところも。このような取り組みによって、LGBTQ当事者の権利が守られると同時に、差別や偏見の排除にもつながります。

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。すべての人が自分らしく生きるために(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。まずは家庭内の役割を見直そう(SDGsの目標5)

① 家事を平等に分担する

ジェンダーの不平等は、身近な場所でも起こっています。普段、掃除や炊事などの家事は、誰がどのくらい担っていますか? 毎日、仕事と家事に追われている家族はいないでしょうか? 試しに書き出してみると、家庭内のジェンダーバランスが見えてくるはずです。こうしたバランスの偏りを改善し、家事を分担することも、ジェンダーの平等を実現するための一歩になります。

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。すべての人が自分らしく生きるために(3分で分かるSDGs)

② 育児について話し合う

子育てについては、今もなお女性への負担が大きいままです。日本の場合、2019年の男性の育児休業取得率はわずか7.2%というデータも。家庭内で協力し合うため、まずは休暇の取得を検討してみましょう。また、身近な人たちとシングルマザーへの支援や保育園の整備といった課題について話し合うことも、こうした状況を改善するきっかけとなってくれるはずです。

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。すべての人が自分らしく生きるために(3分で分かるSDGs)

すべての人が自分らしく生きるために

ジェンダーの平等は、持続可能な社会を築くための基盤になります。また、ジェンダーの格差や偏見による差別がなくなれば、苦しむ人が減るだけでなく、文化や経済、公共サービスなどのより良い発展が見込めるとも言われています。まずは家庭や職場など身近なところから考えてみましょう

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月15日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

SDGsの達成に向けた、マテリアリティ「レジリエントな経営基盤の発展」

マテリアリティ

ソフトバンクは「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」をコンセプトに、SDGsの達成に向けて6つのマテリアリティ(重要課題)を設定。そのうち、SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を踏まえた「レジリエントな経営基盤の発展」では、多様な人材が活躍できる先進的な職場環境を構築することで、女性活躍の推進やLGBTQに関する取り組み、ハラスメントの防止に取り組んでいます。