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目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。誰のもとにも電気が届く未来へ ー3分で分かるSDGs

5SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」3つのポイント

SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分で分かるSDGs)

  1. 約7億8,900万人が電気のない暮らしを送っている
  2. 企業がしていること。新しいエネルギーを創出
  3. 私たちにできること。まずは家の電気を見直そう

世界の電力の現状とは? 約7億8,900万人が電気のない暮らしを送っている(SDGsの目標7)

SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分で分かるSDGs)

私たちの暮らしに欠かせない電気。しかし、世界では約7億8,900万人が電気のない暮らしを強いられています。電気を使えないと、日が暮れた後に勉強したり、働いたりする時間が奪われてしまうだけではありません。旧来のように石炭や薪、動物のふんといった燃料を使い続けることは、健康にも悪影響をもたらします。

そもそも、自分の使っている電気がどのように生み出されているのか考えたことはありますか? 現在、世界のエネルギーの主力は、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料です。これらは発電する時に大量の二酸化炭素を排出するため、地球温暖化の大きな原因となっています。

そして、化石燃料は限りある資源ということも忘れてはなりません。石油の場合、このまま使い続けるとあと50年ほどで枯渇してしまうとも言われています。

ゴールは「すべての人が安全・安価・現代的なエネルギーを使えるようになる」こと

そこで世界が一体となって取り組まなければならないのが、水力、風力、太陽光などといった発電時に二酸化炭素を出さない“再生可能エネルギー”への転換です。

例えば太陽光発電の場合、昼間に発電した電気を蓄電池にためておけば、夜間の電力を賄えるほか、災害などで停電したときに自立した電源となってくれることも期待されています。目指すのは、こうした安全かつ安価で持続可能なエネルギーに、誰もがアクセスできる世界です。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • 再生可能エネルギー(再エネ)…水力、風力、太陽光、バイオマス、地熱など、自然界に常に存在し、枯渇することのない資源を使ったクリーンなエネルギー。化石燃料とは違い、輸入に頼ることなく生産できるため、国内の電力自給率アップや雇用の創出にもつながる。
  • 再生可能エネルギー(再エネ)…水力、風力、太陽光、バイオマス、地熱など、自然界に常に存在し、枯渇することのない資源を使ったクリーンなエネルギー。化石燃料とは違い、輸入に頼ることなく生産できるため、国内の電力自給率アップや雇用の創出にもつながる。

企業がしていること。テクノロジーの力で新しいエネルギーを創出(SDGsの目標7)

① 太陽光発電で途上国にも安定した電力を

開発途上国では、インフラの整備が追い付かず、電力不足や高額な電気料金に悩まされています。その影響は医療にもおよび、手術中に停電が起きるといった深刻な事態を招くことも。カンボジアの医療センターでは、停電のたびに自家発電装置に切り替える必要があり、手術がままならない状況にありました。そこで、再生可能エネルギーの普及を進める日本企業が太陽光発電の設備を寄贈。太陽光による安定した電力供給に貢献しています。

SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分で分かるSDGs)

② 生ごみからつくる持続可能なエネルギー

バイオマスとは、木材や植物、動物のふんなど、動植物に由来したエネルギー資源のこと。バイオマスから生成される「バイオエタノール」は、持続可能な燃料として自動車への活用も進んでいます。エタノール化技術の開発に取り組む企業が増えている中、食品廃棄物(生ごみ)に含まれる炭水化物を糖化・発酵させてエタノールに転換するシステムも登場。廃棄物を有効に活用することで、資源が循環していく社会の実現へと動き出しています。

SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。まずは家の電気を見直そう(SDGsの目標7)

① 自宅の電気を再エネにシフト

日本では、2016年から消費者が家庭で使う電力会社を自由に選べるようになりました。あなたは電力会社を選ぶとき、何に価値を置きますか? サービスや価格面での「お得感」を重視する人が多いかもしれません。しかしこれからは、発電方法に再生可能エネルギーを採用している電力会社かどうかもWebサイトでチェックしてみましょう。日本では、家庭の二酸化炭素排出量の約半分が電化製品などを使うためのエネルギーによって発生しているという統計も。各家庭が再エネにシフトすれば、想像以上に大きなインパクトを生み出してくれるはずです。

SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分で分かるSDGs)

② 節電家電で電力消費を抑える

電気の使用量を抑える「節電」も有効です。日本は1人当たりの電力使用量が世界第4位のエネルギー消費国。一人一人が電気の使い方を見直す必要があると言えるでしょう。近年、省エネ性能や節電モードを搭載した電化製品が増えています。寿命を迎えた家電を買い替えるときは、節電家電を探してみるのも一つの手。電気の消費量を抑えることは、電気代の節約ばかりでなく、環境負荷の軽減にも役立つのです。

SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分で分かるSDGs)

誰のもとにもクリーンなエネルギーが届く未来へ

電気をはじめとするエネルギーは、貧富の差や地域に関わらず、すべての人が等しくアクセスできる必要があります。また、地球環境や人体に負荷がかからず、安全に使い続けられるものでなければいけません。そのためには、まずは先進国に暮らす私たちが自分の使っているエネルギーについて知識を深め、使うことに責任を持つのが大切です。

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月16日)
文:白石沙桐
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

SDGsの達成に向けた、マテリアリティ「テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献」

マテリアリティ

ソフトバンクは「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」をコンセプトに、SDGsの達成に向けて6つのマテリアリティ(重要課題)を設定。SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を踏まえた「テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献」では、自然エネルギーを活用した再生可能エネルギー事業やサービスの普及・拡大などに取り組んでいます。