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目標6「安全な水とトイレを世界中に」。全ての人がきれいな水を手にするために ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分でわかるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標6「安全な水とトイレを世界中に」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」3つのポイント

SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分でわかるSDGs)

  1. 世界人口の3分の1が安全な水を使えない
  2. 企業がしていること。安全な水とトイレをみんなに
  3. 私たちにできること。家事で流す水をなるべくきれいに

世界の「水」事情とは? 人口の3分の1が安全な水を使えずにいる(SDGsの目標6)

SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分でわかるSDGs)

蛇口をひねると水が出る、というのは日本では当たり前の光景です。ですが世界に目を向けると、こういった国はひと握り。現在、水道が整っておらず“安全に管理された水”を使えない人は約22億人。これは世界の人口の約3分の1にあたります。また、約42億人もの人がきれいなトイレを使うことができていません。

上下水道の設備が整っていない貧しい国では、ふんや尿、工場や家庭から排出された汚水が川に流れていき、そのまま飲み水として使われています。衛生的に処理されていない水は、子どもの健康にも大きな影響を与えます。世界では、毎日約3,800人もの子どもが下痢による脱水症状で命を落としています。危険だと分かっていても、生きるためにはその水を飲むしかないのです。

もちろん、飲み水が不足していない国も無関係ではありません。“バーチャルウォーター”という考え方を聞いたことはありますか? これは、食料を輸入している国が「もしその食料を自分の国で作ったらどれだけの水を消費したか」というもの。

例えば、1kgのトウモロコシを作るためには約1,800リットルの水が必要です。トウモロコシを輸入することは、大量の水を輸入しているのとほとんど同じことだと言えます。日本の食料自給率は40%ほどなので、日本はバーチャルウォーターを通じて世界の水とつながっていることになりますね。

ゴールは「すべての人に、水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」こと

国連広報センターは、2050年までに4人に1人が水不足を抱える国で暮らすことになると予想。安全な水がより高価になる前に、途上国での上下水処理のしくみを整えなくてはいけません。さらに、森林や川などきれいな淡水を生み出す自然環境を保護・回復することが必要です。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • 安全に管理された水…この記事内では広義の意味で「水」としているが、SDGsでは衛生面など水の安全性だけではなく、必要な時にすぐ手に入れられる水を「安全に管理された飲み水」として定義。日本の水道はこの定義を満たしている。
  • バーチャルウォーター…仮想水とも言う。食料を輸入・消費している国において、輸入した食料を自国で生産する場合に必要と推定される水のこと。
  • 安全に管理された水…この記事内では広義の意味で「水」としていますが、SDGsでは衛生面など水の安全性だけではなく、必要な時にすぐ手に入れられる水を「安全に管理された飲み水」として定義。日本の水道はこの定義を満たしている。
  • バーチャルウォーター…仮想水とも言う。食料を輸入・消費している国において、輸入した食料を自国で生産する場合に必要と推定される水のこと。

企業がしていること。安全なトイレと水を行き渡らせるために(SDGsの目標6)

① きれいで快適なトイレを世界中に

あるトイレの製造メーカーは、事業を通じてきれいで快適なトイレを世界中に広める運動に取り組んでいます。非接触で公衆トイレが使用できるよう、自動でふたがあく便座の開発や、自動センサーで水が出て手を洗える洗面台などを開発。また清潔に保ちやすいよう、掃除のしやすい便座の形を追求しています。

SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分でわかるSDGs)

② 水を育む森やそこに住む鳥も大切に

とある飲料メーカーでは、水を大切に使ってきれいにして循環させるだけではなく、水を育む森を育てる活動にも力を入れています。また、豊かな生態系の象徴である野鳥の保護や、水の大切さを子どもたちに教える「水育(みずいく)」など、次世代にも続く自然環境の保全や再生につながる活動にも取り組んでいます。

SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分でわかるSDGs)

私たちにできること。捨てる水もなるべくきれいに(SDGsの目標6)

① 油や食品を直接流さない

べかすや油がついた食器は、拭きとってから洗いましょう。日本では汚水は処理場を通って川に流されますが、食品を直接流すと、汚水をきれいにするために大量の水が必要なのです。特に油類はさらに多くの水を必要とするため、紙に吸わせて捨てるなどして直接流さないように。また、日頃から国産の食材を選んだり食べ残しがないようにしたりするなど、バーチャルウォーターを意識した食生活を心がけるのもいいですね 。

SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分でわかるSDGs)

② お風呂の残り湯を有効活用

お風呂の残り湯を活用することで、水の節約ができます。洗濯に使ったり、植物の水やりに使ったりと用途はさまざまです。注意したいのは、残り湯を活用する場合は、なるべくその日のうちに使い切ってしまうことです。一晩置いてしまうと、雑菌が繁殖していることがあります。また、洗濯に使う場合は「洗い」で残り湯を活用し、「すすぎ」では水道水を使うようにしましょう。

SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」。誰のもとにも電気が届く未来へ(3分でわかるSDGs)

全ての人がきれいな水を手にするために

世界で見ると、安全できれいな水を自由に使える人はごくわずかしかいません。その日飲む水すら手に入れるのが大変な人々のために、そして私たちの次の世代にも豊かな水を残すためには、毎日の暮らしの中でも水を大切に使うことが必要です。自分が使える水をおすそ分けする気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか?

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月16日)
監修:蟹江憲史先生
文:丹下真美
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

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