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目標10「人や国の不平等をなくそう」。すべての人が平等なチャンスを得るために ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標目標10「人や国の不平等をなくそう」。すべての人が平等なチャンスを得るために(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標10「人や国の不平等をなくそう」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい!SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」3つのポイント

SDGsの目標目標10「人や国の不平等をなくそう」。すべての人が平等なチャンスを得るために(3分で分かるSDGs)

  1. 差別や慣習が、不平等を生み続けている
  2. 企業がしていること。雇用、評価、支援などに取り組む
  3. 私たちにできること。問題を学び、理解することから始めよう

世界の格差の現状とは? 差別や慣習が、不平等を生み続けている(SDGsの目標10)

SDGsの目標目標10「人や国の不平等をなくそう」。すべての人が平等なチャンスを得るために(3分で分かるSDGs)

世界の人口は約78億人。そのうちの最も裕福な約2,100人が持つ資産は、最も貧しい約46億人が持つ資産を上回るといわれています。このように、人と人の間に不平等が生まれるのはなぜでしょうか?

一つには、性別や障がい、人種、民族などを理由とする差別が挙げられます。中でも、世界中で特に深刻化しているのが「移民問題」。文化や宗教の違いを理由に、移民に対して嫌がらせをする人や団体も少なくありません。

不平等の問題は、人と人の間だけでなく、国と国の間にも起こっています。例えば、途上国の貿易では、輸出の際に取引が適正な価格で行われないことが多くあります。これでは、いくら輸出しても利益にならない上に、貿易によって他国の技術やスキルを学び、国内の生産活動に活かす機会も失ってしまいます。

ゴールは「世界中のあらゆる場所から不平等をなくす」こと

人や国の不平等をなくすには、所得や雇用機会の格差を減らすだけでなく、その結果、さらなる不平等が発生しないような仕組みづくりと心配りが必要です。

そのために、差別的な法律や慣習を見直し、適切な政策を進めていくことが求められています。また、各国が集まる会議の場において、途上国の参加や発言を増やすことも、不平等を解決する一歩となるでしょう。

企業がしていること。雇用、評価、支援など取り組みはさまざま(SDGsの目標10)

① 公平な雇用と評価制度を確立する

人種やジェンダー、障がいの有無に関わらず、多様な人材を受け入れている企業は、成長しやすいといわれています。あるグローバル企業では、2010年から、誰もが公平に機会を与えられ、評価され、自分らしく生き生きと働けるような環境づくりを進めてきました。その結果、女性管理職の比率は10年間で38%から51%まで上昇。また、すべての従業員に公正な生活賃金を保証するなど、人権を守る取り組みが順調に進んでいるそうです。

SDGsの目標目標10「人や国の不平等をなくそう」。すべての人が平等なチャンスを得るために(3分で分かるSDGs)

② パラアスリートの支援活動

社会貢献の一つとして、パラスポーツへの支援を行っている企業は少なくありません。主な取り組みとして、日本代表チームへの協賛や試合の運営、パラスポーツ体験プログラムの実施など、競技の発展をバックアップするような活動があります。このように、スポーツを通じてダイバーシティへの理解を促すことも、不平等をなくすことにつながります。

SDGsの目標目標10「人や国の不平等をなくそう」。すべての人が平等なチャンスを得るために(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。まずは問題を学び、理解することから始めよう(SDGsの目標10)

① 不平等をなくすための運動に参加する

例えば、黒人への差別や暴力をなくすための運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」は、日本にいると参加することへのハードルが高く感じるかもしれません。しかし、本や映画などを通してその背景にある問題について学び、まわりの人と情報共有することも一つの立派なアクションです。さらにネットを通じれば、チャリティ団体やアクティビストを支援する、署名に協力するなど、より直接的に参加することもできるでしょう。

SDGsの目標目標10「人や国の不平等をなくそう」。すべての人が平等なチャンスを得るために(3分で分かるSDGs)

② フェアトレードの商品を購入する

貿易における不平等に対して、私たちは何ができるでしょうか? その答えの一つが、フェアトレードの商品を購入すること。海外で支援活動を行う団体の中には、貧困地域で作られた食品や雑貨を、通信販売などを利用して適正な価格で販売しているところがあります。そのような商品を購入することで、生産者もまた、適切な収入を受け取れるようになるのです。

SDGsの目標目標10「人や国の不平等をなくそう」。すべての人が平等なチャンスを得るために(3分で分かるSDGs)

すべての人が平等なチャンスを得るために

世界にはさまざまな不平等が存在しています。人種、民族、宗教などの違いがもたらす不平等は、時に紛争の引き金になることも。人や国の不平等をなくすことは、機会を得られる人を増やすだけでなく、貧困や飢え、争いごとを減らすことにもつながるのです。

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月19日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

SDGsの達成に向けた、マテリアリティ「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」

マテリアリティ

ソフトバンクは「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」をコンセプトに、SDGsの達成に向けて6つのマテリアリティ(重要課題)を設定。そのうち、SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」を踏まえた「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」では、誰もが平等で不自由なく最新情報にアクセスできる社会を目指します。