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目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標11「住み続けられる まちづくりを」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」3つのポイント

SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して(3分で分かるSDGs)

  1. 2030年には都市人口が全人口の60%まで増える
  2. 企業がしていること。システムと技術を活用
  3. 私たちにできること。住む人の意識も大切

世界の住まい事情とは? 2030年には都市人口が全人口の60%まで増える(SDGsの目標11)

SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して(3分で分かるSDGs)

現在、世界の人口のうち、実に半数以上の人が都市部に住んでいます。この比率は年々高まっており、2030年には都市に住む人の割合が全人口の60%まで増えると予測されているのです。

都市部はインフラが整っていて住みやすいイメージがありますが、一方で、あらゆる問題を抱えています。人口が集中することによって住宅が足りなくなるほか、建物が古くもろい状態で使われ続けしまうことも。貧富の差が起こりやすく、治安が悪くなってしまうリスクもあります。

また、地方から都市部へ人が多く流れることで、人口が減り続け少子化が加速する“消滅可能性都市”の問題も無視できません。この状況が続くと、都市部と農村部の格差はますます広がります。

世界では、避難や移住を迫られるような自然災害が、過去40年で増え続けています。長く快適に暮らしていくには、災害に強い街づくりがマスト。災害が多いと言われる日本も、決して例外ではありません。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • 消滅可能性都市…将来に消滅する可能性がある自治体のこと。定義は、「2010年から2040年にかけて、20~39歳の若年女性人口が5割以下に減少する市区町村」。
  • 消滅可能性都市…将来に消滅する可能性がある自治体のこと。定義は、「2010年から2040年にかけて、20~39歳の若年女性人口が5割以下に減少する市区町村」。

SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して(3分で分かるSDGs)

(参照:内閣府「世界の自然災害の状況」)

ゴールは「すべての人が住む土地を、安全かつレジリエントで持続可能にする」こと

あらゆる問題を抱える都市部をより住みやすくしていくには、人口が増えることによるリスクや自然災害の被害にも耐えられる“レジリエント(強靭)”な街づくりが大切です。街のバリアフリー化をはじめ、電柱を地下に埋めたり、都市部と農村部のつながりを強めたりするなど、世界中であらゆる面から暮らしやすい街づくりが進められています。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • レジリエント…「回復力」や「しなやかさ」を意味する言葉。ここでは災害や問題に見舞われたときに、いち早く復旧できる力を表す。
  • レジリエント…「回復力」や「しなやかさ」を意味する言葉。ここでは災害や問題に見舞われたときに、いち早く復旧できる力を表す。

企業がしていること。システムと技術をフル活用(SDGsの目標11)

① GPSを活用してバスの利便性をアップ

街中の移動に便利なバスですが、電車に比べると運行状況が分かりにくいうえ、遅延しやすいなど不便な面もあります。ある電機メーカーでは、インドのバスにGPSを設置することで、高速バスの運行スケジュールを改善。さらにキャッシュレス運賃支払いのシステムも整え、誰もがより安全・快適に公共交通機関を利用できる未来を目指しています。

SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して(3分で分かるSDGs)

② ロングライフデザインの家づくりを提案

家族構成やライフスタイルが変わったとき、家を丸ごと取り壊して建て替えるのではなく、部分的なリフォームなどで対応できるのが理想です。ある日本の住宅メーカーでは、将来のリフォームや設備の更新を考慮したロングライフデザインの家づくりを提案。温熱性能や耐震性能も高め、長く安全に暮らし続けられる住まいが注目を集めています。

SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。レジリエントな街づくりには住む人の意識も大切(SDGsの目標11)

① 災害に備え、知識と対策用品を蓄える

災害に強い街づくりを叶えるためには、一人ひとりの防災への意識が重要です。地域のハザードマップを確認し、緊急避難場所を覚えておきましょう。いざというときに備えて、防災グッズをそろえたり、長く保存できる食糧を蓄えたりするのも役立ちます。また、家族で地域の防災訓練に参加するのもおすすめです。日頃から防災意識を高めておくことが、レジリエントな街づくりにつながります。

SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して(3分で分かるSDGs)

② 地域の活動に進んで参加する

地元の治安を守る行動も、安心して住み続けられる街づくりに不可欠です。例えば、町内会に参加して地域を盛り上げたり、児童の登下校を見守るボランティアに参加したりするのもいいでしょう。特に人口が多い街では、あらゆる価値観を持った人どうしが助け合って暮らさなければなりません。キーワードは、「多様性」。近隣に住む人々と進んで関わることで、身近な多様性を受け入れるきっかけにもなるはずです。

SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」。レジリエントな都市を目指して(3分で分かるSDGs)

レジリエントな都市を目指して

人口が集中している都市部は、差別や災害などあらゆる問題が生まれる可能性があります。一方で、人口が減り続けている農村部も安心して住み続けられるようにしなくてはいけません。都市部と農村部の格差をなくすため、持続可能な街づくりを実現するためにも、身近なところから関心を寄せることが大切でしょう。

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月19日)
文:大瀧亜友美
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

SDGsの達成に向けた、マテリアリティ「DX(デジタル・トランスフォーメーション)による社会・産業の構築」

マテリアリティ

ソフトバンクは「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」をコンセプトに、SDGsの達成に向けて6つのマテリアリティ(重要課題)を設定。そのうち、SDGsの目標11「住み続けられる まちづくりを」を踏まえた「DX(デジタル・トランスフォーメーション)による社会・産業の構築」では、地域社会や自治体へのDXソリューションの提供を通じ、社会課題を抱える地域の活性化に取り組んでいます。