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目標13「気候変動に具体的な対策を」。地球の未来を守るために ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」。地球の未来を守るために(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標13「気候変動に具体的な対策を」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」3つのポイント

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」。地球の未来を守るために(3分で分かるSDGs)

  1. 地球温暖化によってさまざまな自然災害が起きている
  2. 企業がしていること。CO2排出量を減らす取り組み
  3. 私たちにできること。環境を守るための小さな行動

世界の気候変動の現状とは? 温暖化が引き起こすさまざまな災害(SDGsの目標13)

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」。地球の未来を守るために(3分で分かるSDGs)

世界中で気候の変動が起こり、干ばつや大洪水など、さまざまな自然災害が増えています。その原因の一つと言われているのが「地球温暖化」。これは、私たちが生活する中で出す二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスが地球の上空を覆うことで起こる現象です。この温室効果ガスが増えすぎると、太陽の熱が宇宙へ逃げにくくなり、地球の温度が上がってしまうのです。

1880年から2012年までの132年間に、世界の平均気温は0.85℃上がりました。今後、平均気温はさらに上昇することが予想されており、それに伴って海面上昇や予測不能な自然災害が増える可能性があるとも言われています。実際に、温暖化の影響で海面が上昇し、島が沈んでしまうといった問題も。また、北極では氷が溶けて動物のすむ場所がなくなり、多くの動物が絶滅の危険にさらされています。

気候変動の影響は、目に見えるものだけではありません。農作物への被害は食糧不足による飢餓を引き起こし、気温や雨量の変化は伝染病の媒体動物を増やすなど、さまざまな問題と深く関連しているのです。

ゴールは「気候変動のスピードをゆるめ、次世代への影響を減らす」こと

二酸化炭素の量を減らして、温暖化のスピードをゆるめることは、世界共通の課題です。2015年に採択された“パリ協定”では、各国が足並みをそろえて気候変動に取り組むことを約束しました。

平均気温の上昇は、再生可能エネルギーなど幅広い技術を活用することで、ある程度まで抑えられると考えられています。次世代への影響を減らすためにも、国だけでなく企業や個人が団結することが大切です。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • 温室効果ガス…大気圏にあって地球の周りを温室ビニールのように囲んで暖め、生物にとって快適な温度を保っているガスのこと。代表的なものとして、二酸化炭素やメタンなどが挙げられる。
  • パリ協定…気候変動枠組条約に加盟する全196カ国全てが参加する、2020年以降の地球温暖化対策に関する協定のこと。世界の平均気温上昇を、産業革命以前に比べて2℃未満(努力目標は1.5℃未満)に抑え、気候変動が起きるスピードをゆるめようという目標が掲げられた。
  • 温室効果ガス…大気圏にあって地球の周りを温室ビニールのように囲んで暖め、生物にとって快適な温度を保っているガスのこと。代表的なものとして、二酸化炭素やメタンなどが挙げられる。
  • パリ協定…気候変動枠組条約に加盟する全196カ国全てが参加する、2020年以降の地球温暖化対策に関する協定のこと。世界の平均気温上昇を、産業革命以前に比べて2℃未満(努力目標は1.5℃未満)に抑え、気候変動が起きるスピードをゆるめようという目標が掲げられた。

企業がしていること。CO2の排出量を減らす取り組み(SDGsの目標13)

① 事業全体におけるCO2排出量の削減

「カーボンニュートラル」という言葉を聞いたことはありますか? これは、排出した二酸化炭素(CO2)と同じ量を吸収または除去することによって、プラスマイナスゼロにする取り組みのこと。日本では2050年までにカーボンニュートラルによる脱炭素化社会の実現を目指していますが、ある国内企業では2040年までに温室効果ガスの排出量をゼロにするという目標を発表。事業全体の流れを見直し、吸収しきれない分は、カーボンオフセット(植林や森林保護、クリーンエネルギーへの資金提供など)によって補うことを宣言しています。

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」。地球の未来を守るために(3分で分かるSDGs)

② 省エネやCO2の削減に貢献する素材、製品の開発

金属やセメント、化学素材の中には、製造時や廃棄時の化学反応によって、二酸化炭素を発生させるものも数多くあります。一部のベンチャー企業では、そのような素材に代わる、環境に優しい素材の開発を目指して研究を進めています。最近特に注目されているのが、植物由来の素材。私たちがよく使うプラスチックは、燃やすことで二酸化炭素を空気中に放出する石油由来のもの。これが植物由来のものに変われば、二酸化炭素の排出量を大きく減らすことにつながります。

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」。地球の未来を守るために(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。環境を守るための小さな行動(SDGsの目標13)

① CO2排出量の少ない移動手段を選ぶ

私たちが1km移動するときの二酸化炭素の排出量は、移動手段によって変わります。例えば、マイカーなら145g、バスなら66g、鉄道なら20g、自転車や徒歩なら0gです。環境に負荷をかけないためには、公共交通機関を利用したり、エコドライブ(環境に配慮した運転方法)を実践したり、なるべく自転車や徒歩で移動したりするなど、二酸化炭素を出さない暮らしに変えていくことが大切です。

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」。地球の未来を守るために(3分で分かるSDGs)

② エコバッグやマイボトルを持ち歩く

2020年7月から、全国でプラスチック製買い物袋の有料化が始まりました。それに伴い、エコバッグを持ち歩くようになった人も多いのではないでしょうか? 石油由来のプラスチックの削減は、二酸化炭素の排出量を減らし、温暖化を抑えることにもつながります。これ以外にも、外出する時はマイボトルやタンブラーを持ち歩くなど、環境を守るためにできることはたくさんあります。当たり前だと思っている習慣を見直すことから始めてみましょう。

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」。地球の未来を守るために(3分で分かるSDGs)

地球の未来を守るために

気候変動への取り組みは、「ひとつの国」や「ひとつの企業」が頑張っても前に進みません。次世代に負担をかけないためにも、各国や企業が団結して気候変動に関する政策を進めたり、いざというときに対応できる力を備えたりすることが大切です。

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月22日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

SDGsの達成に向けた、マテリアリティ「テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献」

マテリアリティ

ソフトバンクは「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」をコンセプトに、SDGsの達成に向けて6つのマテリアリティ(重要課題)を設定。そのうち、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」を踏まえた「テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献」では、2022年度までに、全基地局電力量の70%以上に再生可能エネルギーを導入する目標を定めるなど、省エネ化の促進を進めています。