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目標14「海の豊かさを守ろう」。小さな一歩が未来の海を救う ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」。小さな一歩が未来の海を救う(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標14「海の豊かさを守ろう」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」3つのポイント

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」。小さな一歩が未来の海を救う(3分で分かるSDGs)

  1. 世界では年間800万トンものプラスチックが海に
  2. 企業がしていること。海のゴミを減らす取り組み
  3. 私たちにできること。ゴミを増やさない努力を

世界の海の現状とは? 年間800万トンのプラスチックが捨てられている(SDGsの目標14)

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」。小さな一歩が未来の海を救う(3分で分かるSDGs)

世界では毎年、およそ2億2,000万トン以上ものプラスチック製品が作られています。しかし、まだ多くの国でプラスチックゴミが正しく処理できておらず、年間およそ800万トンものプラスチックが海に流れ出ている状況です。

海に漂うプラスチックは小さな破片となり、たった1年で10万頭以上の海に住む哺乳類と100万羽以上の海鳥を死に追いやっています。

そして生態系を崩す原因は、海の酸性化にも。人間が作り出す二酸化炭素の影響で、産業革命の前に比べて“海洋酸性化”が約26%も進んでいるのです。

海洋汚染にとどまらず、魚の取りすぎも海の豊かさを損なう問題の一つ。世界の漁獲量は年々増えており、海魚のうち約30%以上が取られすぎています。ウナギの絶滅が危惧されている日本も、決して人ごととは言えないでしょう。

ゴールは「海とその資源を守り、持続可能な形で利用する」こと

海の生態系の乱れは、地球全体のバランスを崩すことにもつながります。このまま魚の減少が進めば、漁業を営む人々にも影響が及ぶでしょう。特に漁業に依存している途上国や、小規模で漁業を行う漁師たちの生活は不安定になってしまいます。これからは大切な海を守るための行動が必要です。世界では、海を汚す原因となる物質を減らしたり、魚を取る量を抑えたりなどの活動が進められています。

覚えておきたいSDGs関連用語
  • 海洋酸性化…二酸化炭素が海に溶け込み、海の酸性化が進む現象。サンゴ礁を滅ぼす原因になる。
  • 海洋酸性化…二酸化炭素が海に溶け込み、海の酸性化が進む現象。サンゴ礁を滅ぼす原因になる。

企業がしていること。海のゴミを減らす仕組みやイベントを実施(SDGsの目標14)

① プラスチックを梱包剤へリサイクル

プラスチックのリサイクル率は、まだ低いのが現状です。あるテクノロジー企業では、プラスチックを梱包材として再利用するシステムを作りました。海上に捨てられたプラスチックと、リサイクル済みのプラスチックのみで作るため、新たなプラスチックを生み出しません。この活動を通して5年以内に300万ポンド以上のプラスチックを再利用し、海の汚染を防ぎます。

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」。小さな一歩が未来の海を救う(3分で分かるSDGs)

② 清掃イベントで川からきれいに

プラスチックゴミは時間がたつと、小さく削れてマイクロプラスチックとなります。この小さな破片は海の生物を死に追いやってしまう原因です。ある日本企業は、マイクロプラスチックを減らすには陸上での清掃活動が重要と考え、ゴミ拾いイベントを開催。河川近くのゴミを拾うことで、海へプラスチックゴミが流れるリスクを減らします。

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」。小さな一歩が未来の海を救う(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。一人一人がゴミを増やさない努力を(SDGsの目標14)

① プラスチック製品の使用量を減らそう

まずは、プラスチックを使った製品を使わないよう工夫してみましょう。私たちは生活のあらゆる場面でプラスチック製品を使っています。日本では、1人あたりのプラスチック製品の廃棄量が世界で2番目に多い状況です。レジ袋をもらわずにエコバッグを使ったり、ペットボトル飲料ではなくマイボトルを持ち歩いたりなど、身近なところでできることはたくさんあります。

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」。小さな一歩が未来の海を救う(3分で分かるSDGs)

② 地域の清掃活動に参加する

海に流れるゴミの量を減らすには、ゴミを捨てない行動が一番大切です。地域で週末に行われている清掃活動に参加することも効果的。海や川はもちろん、道に落ちているゴミでも、放っておくと最後は海にまでたどり着いてしまいます。日頃から、家庭でもゴミを正しく分別するように心がけるとさらに良いですね。

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」。小さな一歩が未来の海を救う(3分で分かるSDGs)

小さな一歩が未来の海を救う

私たちの生活とは、切っても切り離せない存在である海。海の豊かさを守り、失わせないためには、地球に住む人々の意識が大切です。どんなに小さな行動でも、ちりも積もれば山となります。一人一人の心がけが、青い海を守ることにつながっていくのです。

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月23日)
文:大瀧亜友美
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

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