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目標16「平和と公正をすべての人に」。暴力がなく、平和な社会のために ー3分で分かるSDGs

SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」。暴力がなく、平和な社会のために(3分で分かるSDGs)

たった3分で「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の基礎知識が学べる【3分で分かるSDGs】シリーズ。この記事では、SDGsを構成する「17の目標」のうち目標16「平和と公正をすべての人に」について、現状の課題や企業の活動例、私たちにできることを見ていきます。

これだけは知っておきたい! SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」3つのポイント

SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」。暴力がなく、平和な社会のために(3分で分かるSDGs)

  1. 5分に1人、子どもが暴力によって亡くなっている
  2. 企業がしていること。地雷除去などの支援や弁護士の仕事の効率化
  3. 私たちにできること。世界で起きていることを知り、政治に参加する

世界の平和と公正とは? 5分に1人、子どもが暴力によって亡くなっている(SDGsの目標16)

SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」。暴力がなく、平和な社会のために(3分で分かるSDGs)

世界では今も戦争や内戦が続いている地域がたくさんあります。現在、紛争の影響がある国や地域に暮らす子どもは約2億4,600万人。中には、少年兵として武器を渡され、強制的に戦闘に参加させられている子どももいます。

戦争以外にも、テロや犯罪などさまざまなかたちの暴力の犠牲になっている人がいます。家庭内や学校での体罰、虐待に苦しむ子どもも多く、今も世界で5分に1人のペースで、暴力によって命を落とす子どもがいるのです。

また、すべての人が公正な立場で、社会に参加できるようになることも必要です。世界には身分や人種による差別などによって政治に参加できない人や、一方的な搾取や人身売買といった不当な扱いを受けている人がいます。

さらに、法律やルールが十分に行き届いていないことも。例えば、開発途上国では、赤ちゃんが生まれても届け出がされないことも多く、出生登録の数が実際にいる子どもの半分程度になっています。こうした戸籍のない子どもたちが、教育や医療などのサービスを受けることができないことも問題です。

ゴールは「みんなが公正な立場で安心して暮らせる社会にする」こと

目指すのは、戦争や暴力のない、平和な社会。さらに、すべての人が不当な扱いを受けることなく、公正な立場でいられるように、法律やルールが整えられ、しっかりと守られるようになることも必要です。

企業がしていること。地雷除去の支援や法律難民の解消(SDGsの目標16)

① 古着を売った利益を地雷除去や元少年兵のサポートに

使わなくなった古着を集めてリユース業者に販売し、そこで得られた利益を国際人道支援を行うNPOに寄付している企業があります。寄付金は、世界各地にある地雷や不発弾を除去する費用や、少年兵だった子どもたちの社会復帰のサポート費用などに役立てられます。

SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」。暴力がなく、平和な社会のために(3分で分かるSDGs)

② 誰もが法律相談を受けられるように、弁護士の仕事を効率化

もめごとやトラブルがあったときには、弁護士など法律の専門家のサポートを受けることで、スムーズに解決できます。しかし、弁護士に依頼する費用は高額になりがちで、相談したくてもできないという人もいます。そこである企業は、弁護士の仕事をサポートするシステムを開発。業務を効率化することで、より低額で、多くの人が気軽に法律サービスを受けやすい仕組みづくりを目指しています。

SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」。暴力がなく、平和な社会のために(3分で分かるSDGs)

私たちにできること。世界で起きていることを知り、政治に参加する(SDGsの目標16)

① 世界の戦争や暴力について知る

日本に住んでいると、戦争やテロは身近な問題として捉えにくいかもしれません。まずは、世界で今どのようなことが起きているのか、知っておくことが大切です。国際的な問題をよく取り上げているニュース番組や新聞、Webメディアなどを積極的に見るようにしましょう。そこから、関連したイベントへの参加や募金など、日本からできる支援のしかたも見えてくるはずです。

SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」。暴力がなく、平和な社会のために(3分で分かるSDGs)

② 選挙に参加する

選挙は、国民一人一人が自分の意見を政治の場に届けるための、大切なアクションです。しかし、2019年の参議院議員選挙の投票率は約49%。日本で選挙権を持つ人の約半分が投票をしなかったことになります。政治に関心を向けることは、すべての人にとって公正な社会を実現することにつながります。

SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」。暴力がなく、平和な社会のために(3分で分かるSDGs)

平和で公正な世界を実現するために

戦争やテロ、犯罪などは、多くの人を傷つけるだけではなく、貧困や飢餓などさまざまな問題の原因にもなります。平和は、すべての人が安心して暮らすためのベースになります。

監修者:蟹江 憲史(かにえ・のりちか)先生

蟹江憲史先生

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。SDGs策定過程から国連におけるSDGs設定に参画、「目標ベースのガバナンス」という概念を打ち立て、国際的に高く評価されている。国連事務総長より、2023年に国連が発行する『グローバル持続可能な開発報告書(GSDR)』を執筆する15人の科学者の一人に選ばれているSDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。『SDGs(持続可能な開発目標)』(2020年、中公新書)『未来を変える目標SDGsアイデアブック』(Think the Earth、2018、監修)、『SDGs白書2019』(インプレスR&D)など。

(掲載日:2021年3月24日)
文:丹下真美
編集:エクスライト
イラスト:小鈴キリカ
監修者プロフィール写真:市村円香

SDGsの達成に向けたマテリアリティ「レジリエントな経営基盤の発展」

マテリアリティ

ソフトバンクは、SDGsの達成に向けて6つのマテリアリティ(重要課題)を特定。そのうち、SDGsの目標16「平和と公正をすべての人に」を踏まえた「レジリエントな経営基盤の発展」では、公正な評価制度やハラスメントの防止などによって、社員が安心して働ける環境を目指しています。